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未明の空
意識が…。
遠のいていく…。
世界が真っ白になっていく…。
多分、俺は死ぬんだ。
仰向けで倒れてる俺は夜空を見ながら己の命の終わりを覚悟する。
そしてもう一人。
そんな俺を膝枕してくれてる女性。
10歳くらいの容姿にも見える女性。
そんな女性が、虚ろな目をしてる俺を上から覗くように…。今にも泣き出しそうな顔をして見ている。
そして、その女性が俺に言う。
「なんか伝えておきたいことはある?」
泣かないように頑張ってるが、涙声を隠せていない。
けど、もうコイツとも最期か。
そして俺自身とも最期。
だからまだ言葉を話せるなら…。
俺は…。
「もう……。諦めろ…。」
言葉に出たか分からなかった。
声が届いたか分からなかった。
でも…。
その、女性が声を出して泣き出した。
俺のことを思って泣いてくれてるのだ。
だから、今更だけど、コイツはきっと…。
いい奴だった!
プツンっと、テレビゲームをしてる途中でコンセントを抜いてしまった時の画面のように、俺は世界からブラックアウトしたのだ。