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1話「始まりの朝」
初投稿です。来年にはPCを購入し、本格的に活動したいです。よろしくお願いします( ˊ꒳ˋ ) ᐝ
-あれから幾許の時が流れたのだろうか。
多くの血が流れ得たものは何だろう、名誉、財宝、それがどうなったか知る由もないが、確実に言えるのは…
「人としては余りに喪いすぎた。」
俺は人として意味を成せたのだろうか?
この、「穢れた聖戦」において-
-「今日は雨か…」
元軍人の朝は早い。
視界に霞がかかるほどの朝露、森に生きる小さな命も1日の準備を始めたのだろうか合唱を始めている。
ただ一つの不満は滴る雨が雑音となっているところだろうか。とにかく肌寒いのは心地が悪い。
「こんな日は良くないことが起こりやすいんだよなぁ…」
これは現役の頃からの直感だ。
まぁ雨の日に調子の良いのはカエルか作物だけだろう。
そんなことを考えながら囲炉裏に火を灯す。
-暖かい-
身体にも火が灯るようだ。
「飯は…まぁいいか、雨が止んでからにしよう。」
そんな怠惰に過ぎる日常の中、ドンドンと戸を叩く音が鳴り響く。
男は身構えた。
戸がなるのは男には余りに不都合だからだ…