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あかい月
食ってやろうと意気込みながら
泣きだす空虚に痛みがたまる
愛してやろうと抱きしめながら
失う熱に恋を続ける
身を投げ出してすべてを希うのに
欲しがりな罪が裁かれるのを待っている
なんでも与えてしまうのが嬉しいのに
一本の後ろ髪が頭皮を破る
望むと望まぬが逆転するまで迷って
何もかも愛しく何もかも小憎らしく
月が変わるまで生きたら満たされる
溢れたぶんを飲み下せば咽を灼き
声まで失ったのだから歩けるようになっただろうか
愛、あい、と繰り返す
返事が来るのを待っている
やまびこが来るのを待っている
声が返るのを待ちながら
今日もあかい涙をひとつ。