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共通2-A ラクティスを見る


――私はラクティスを見た。


「もしや、お前はそやつと踊りたかったのか?」


背後から声がして、振りむくとウィロン王が立っていた。


「わたくしめが、宰相閣下のお相手など滅相もございません!」


慌てて謙遜する演技をした。


「仮面舞踏会とやらを一度やってみたいと思っていたのだ。参加を許可しよう」

「え?」


ウィロン王は突然思い付いたようにコンセプトを変えた。


「他のメイドに見つかるとやっかいですから、仕度をするのなら見つからないようにこちらから」「ええ……」


――半強制的に私はパーティーに参加することになってしまった。


「さすがは王女だけあって似合いますね」


ゲノイウムではやったことないというが、アヴァンニウムでは仮面舞踏会はそこそこあった。


「仮面してたって大体わかるでしょ」


他国だから私が参加している人物をわからないのは当然として自国の場合はそもそもが錬金術を扱う家、つまり参加できる者は限られており、謁見などで顔やら雰囲気を嫌でも覚えるものだ。


「昔アヴァンニウムへ外交に行ったことがあるのですが、民の半数を占める錬金術士達のほとんどが腹の黒そう……いいえマキュス人のように知識自慢や無駄な蘊蓄やらを語る者が多く鼻につきました」


誰より腹黒そうな知己ラクティスには言われたくないが、お喋り蘊蓄馬鹿なところは事実な為に否定できない。

アヴァンニウムは錬金術士の国と言われているが、実際は数名しか存在しない。

主に錬金術士の名を騙るインチキな奴等がばっこしているだけでそんなにばんばん凄い人間がいてたまるかというのが本音。


「錬金術士はいかにも知識人がやるイメージだからそういう人種が集まるのは仕方ないわ」


私が知る限りで本当の錬金術士はダークブルーム国のエルクリプス王子、アヴェンジャル国のイバァ、私の兄アルメくらいだ。


「貴女は錬金術をしないのですか?」

「ええ……母は女傑と呼ばれるほど凄い人だけど、私には生まれたときから才能がなくて」


錬金術は体質的にできないが、他のことは兄よりできるので才能がないと納得するしかない。


「そうですか」


会場に入るとパーティーが始まり、皆が本当に仮面をしているのがわかる。


顔がわからないので男達は手当たり次第に声をかけている。


「そこのレディ、よければ一曲踊らないかい?」

「いいや僕と」


声をかけられ困っているとちょうど視線の先にはラクティスとウィロン王らしき人物が左右にいた。


◆私はどちらに助けを求めにいこうかしら。


【ラクティス?】

【ウィロン?】

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