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聖なる夜は暖かい  作者: Chocoring
2/2

〜零side〜

更新遅れてすみません!

クリスマスの話なのに、三日後に完結するという……

では、零sideもお楽しみください。

〜第2話〜


今年の冬は暖かくなりそうだ。

まあ、なんの根拠もないただの戯言にすぎないけれど。


俺は、女の子が喜ぶプレゼントってなんだろうなあと考えていた。

なぜなら、好きな子にあげるクリスマスプレゼントを選んでいたからだ。


今日の授業中だって、ずうっと考えていた。

隣の子にも相談して、悩みに悩んだけれど、結局可愛らしいノートとシャーペンにすることにした。


今、隣の席のみおとは「良き友達」として接している。

僕は、好きな人のことを知るためなら、どんな努力もいとわない。

だから、好きな瑞希のことも、澪をちょーっと利用して情報を得ている。

他の人よりも独占欲が強いのかもしれない。


でも、最近ちょっとおかしいことがある。それは、澪とまともに話せなくなったことだ。

前までは、

瑞希みずき、可愛いよな〜」

「今日分け目変えてない?」

と瑞希のことだったり、その相談だったりで澪を信用させて、あわよくば僕を好きになってもらって、より利用しやすくしようと思ったのに、なんとなく上手くいかない。


もう一つ、おかしく感じたことがある。

それは、澪を一瞬、ほんの一瞬だけ、「可愛い」と思ってしまったことだ。

「調査」の一環とは言え、澪に好きな人まで聞いてしまった僕はバカみたいだ。


全部、澪のせいだよ。なんにも上手くいかないのは。ここ最近はそう思っていた。


澪と同じ班になって六週間。調査は十分に行えたなと思った頃、席替えの話が持ち上がった。

今回は班長をくじで決めることになったようだ。僕は一番最後に引くことになってしまったが、割り箸には班長を命じる印が押されていたのである。


班長の集まりが行われた。

なんとそこには、澪の姿もあった。

「俺、瑞希もらうわ」

これは、班長たちで班員を決められるとわかったときから、瑞希を同じ班にすると決めていた。やっぱり僕は瑞希が好き。一回だけは同じ班になってみたかったから–––––


ついに席替えの日がやってきた。

澪はクラス替えさながらの勢いで

「じゃあ、またね」

と言ってきたけれど、また会えるしなあと思いながらも、新体制を待ち望んでいた。


新体制初日。瑞希と隣の席でスタートした。もう調査から解放されたし、隣は瑞希だから、気分は晴れてわたっていた。


でも一日を終えると、僕の心はくもり空へと変貌していた。

授業中に浮かんでは消え、浮かんでは消えていく澪の笑顔。

あんなに瑞希が好きだった僕は、どこに行ってしまったんだろう。

今でも瑞希が好きな気持ちの方が強いのは事実だ。けれど、どうやら僕は澪が好きになってしまったようだ––––––。



部活が終わってすぐに教室に駆け込むと、一人でなにか書いている澪を見つけた。

ちょっと緊張しながら声をかけた。

「あれ、何やってるの〜?」

「あ、課題だよ〜!今日提出じゃん?」

あ、ちょっとかわいい……なんて思ったことはないしょだ。

「あ〜!俺もう終わったわ〜!」

「うわ〜!当てつけだ……!」

「はははっまあな。」

そう言いながら、澪の前の席に座って、体を澪の方に向けた。

「ちょっと〜!緊張するじゃん!ただでさえ硬筆の課題なのに〜」

澪の緊張がこっちにも伝わってきた気がして、どぎまぎしてきた。

「いいじゃん、お前字上手いんだから」

「上手くないよ〜!」

……こんな会話でドキドキするなんて僕はなんてバカなんだろう。


れい、ちょっといい?」

そう切り出されたときは、びっくりしたのが顔に出そうだった。

「……どうしたの?」

「えっとーあのね、そのーあのー」

「もう〜!澪いっつも焦らすじゃん!」

もう、気になりすぎて声を発してないと、おかしくなりそうだ。

「ごめんごめん!いやあのさ、実はさ、好きな人いるんだ……」

「え……?前はいないって……」

脳が思考停止した。

「そう、まだ好きになったばっかで…#$*%〆¥※☆!」

僕は気づいたら、澪の口を塞いでいた。

「澪、もうそれ以上言わないで。」

僕はもう耐えられない。

「えっ……」

僕は澪の体を引き寄せて言った。

「俺、好きなんだ。瑞希じゃなくて、澪が好き。」

ついに、僕は言ってしまった。

澪が他の人を好きだなんて絶対に嫌だから。

「えっ……!」

「俺、本気だから」

「ほんとに……?」

これでもかってくらい、澪は念を入れて聞いてきたから、

「うん」

と念を込めて返事をした。すると、

「……わたしもだよ」

「えっ」

またもや、脳は思考停止してしまったようだ。

「さっき、好きな人いるって言ったでしょ。それ、零のことだから……」

まさか、本当に俺のことが好きだなんて……!俺は澪に散々ひどいことをしてきたのに……。俺はどんだけ性悪男なんだろう。

「そうだったのかよ…… 俺、焦ったんだよ?澪に好きな人がいるなんて思わなかったし、他の奴に取られるの嫌だったから、つい告白しちゃったよ……!」

この想いが今まで瑞希に向いていて、澪を利用してたんだからな……。本当にひどいことをしたな……。澪、ごめん。心の中で謝ります。

「ちょっと……照れるじゃん!」

「照れてる澪も……かわいい」

なーんて気障なこと言ってるよ、でも俺もこれから改心しなくちゃな。

「ちょっ……!でもまあ、わたしも瑞希ちゃんと付き合ってる零、見たくなかったかも……」

「そんなこと言われたら……俺も照れるわ……!」

やっぱ俺、澪が好きだわ。

「そんな零も……かわいいね(笑)」

「おい!からかうなよ〜!」

「ごめんごめん!(笑)」


今年の冬は暖かくなりそうだ。

それは、澪という温もりがあるからかもしれない。

クリスマスだって、きっと暖かいのだろう。

最後までお読みいただきありがとうございます!

澪と零のお話はわたしのツイッター、また、なろうにも続きをUPするので、お楽しみに!

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