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ある少年の物語
幕間の物語
20XX年 1月 19日
「あっはぁ!! 全く素晴らしいよこの世界は!!ありがとう夕君! いや今はライト君か!」
今までのどの世界ともかけ離れた文明。
その技術の最先端の日本という国で彼は恍惚の表情を浮かべていた。
「魔法を捨てた人類がこんな領域に達するとはね。カガク?っていうのかな?」
その一方で彼は内心恐れていた。
こんなにも簡単に命を摘む力を作ってきた人間に。
こんなにも心が無い世界に彼が住んでいたことに。
「これが世界の終着点。これでかなり近づいたよ」
そう言い残して彼は鏡の中に消えていった。




