天然の魔女神
私は走っている。物凄いスピードで走っている。現在進行形で走っている。何故走っているのかそれを説明するにはまず人間…いや生き物としての本能から説明しなければいけない。自然界では弱肉強食が当たり前。弱いものが食われ強いものが生き残る。では、弱いものが生き残るためにはどうする?逃げるしかないだろう。肉食動物が迫ってきているのに逃げない草食動物はいないであろう。
そして今、私の後ろには地球の肉食動物なんて可愛い犬、猫にしか見えないほどの魔獣が追ってきている。何故魔獣とわかるのか?だってそれは私がこの星の人だからですよ。じゃあ何で地球のことを知っているのかって?それは、元地球人つまり生まれ変わりだから。でも地球のことを思い出したのは追いかけられているまさにこの時間。前世の私は27歳OLだった。そこそこ有名な企業に入社し、そこで出会った私より2歳年上の男性と2年お付き合いし26歳で結婚した。でもそこからの記憶がない。まあ大方事故にでもあったんだろね。あんまり悲しくはない。多分この体の人格が影響しているんだろう。
レイラ・ウィン・ヴァンデル
ヴァンデル王国の一応王族。
何故一応なのか、それは私が平民との間に生まれた存在だからしい。
で、今現在そんなミニ王族がどこにいるのかと言うと
「罰の森」
ここは犯罪者等を罰として置いていくための森。この森は日本の首都の東京と同じ位の面積があるらしく、完全には把握出来てないらしい。
中にはSランク魔獣がうようよしているらしくSランク冒険者でさえ行くのを拒むほどらしい。
ではどうやってその森の中に罪人をいれるでしょうか?
壁ですよ。進○の巨人みたいな壁を、森にそって約50km建てているらしく、魔法を通さず自然の魔力を使って半永久的魔法防壁を作っているわけです。考えたひとすごい。そしてその壁がかなり硬いらしくS級魔法を用いてもこわれないらしい。
さて説明はここまでにして今の現状を説明しましょうか。今、私はケルベロスに追われています。あの頭が3つのやつね。何とか魔法で身体を強化して、ひたすら逃げていましたが、もう無理です。はい二度目の人生も終わります。ありがとうございました。そして私が諦めて目を閉じた瞬間私の頭に誰かが語りかけてきた。
「おやおや、可愛い子孫が危険な目にあっているね。何で私の血族はこうも不幸を呼び込むんだろうね。ああ私のせいだった。」
一方的に話されて何が起こっているのかわからない。
「あの…貴女はだれですか?」
私が聞くと
「ん?ああ私は魔女神さ」
魔女神。たしかこの体での記憶ではこの世界には神が存在しており全部で12?だったかの神がいる。そのなかで邪神と言われているのが、魔神、狂神、そして魔女神だ。魔神と狂神は恐れられ同時に世界を滅ぼす存在とされている。しかし魔女神は大陸、国によってバラバラである。崇められているところもあれば、憎むべき対象であったりととにかく色々らしい。何でも魔女神はかなり気まぐれであったらしく誰かを助けたり、国を滅ぼしたりとしたらしい。
「あの魔女神?」
私が質問すると
「あの魔女神かどうか知らないけど私は正真正銘の魔女神さ。」
「その魔女神が何で私に語りかけてくるの?」
「私だって好きでやっているわけじゃないよ。ただこれが私の呪い。魔女神の加護を持っているものが現れたときそして最初に危険に晒されたときに私は魂だけ召喚され魔女神の引き継ぎをしなくてはならないのさ。」
加護。それは神の血族にだけ継がれるものだ。そして神の血族は訓練をすればだれでも加護を受けられる。加護とは神の血族によって変わってくるが大抵はその神に関係するものが強化される。
「魔女がどこにいるんですか?」私が当たりをキョロキョロど見回すが見えるのは何故か動きが止まったケルベロスだけだった。
「……あんたってもしかし天然なのかい?あ~もう早く引き継ぎをして成仏したいんだから始めるよ」
「ちょっと待ってください!私が魔女神の血族なんですか?」
「そうだって言ってるだろ!!早く魔女神の加護を渡したいんだよ」
「え?魔女の加護じゃなくて魔女神の加護?」
「あ、そうか知らないのも無理はないね。まああれだよ魔女神の加護は魔力が私ぐらいなかったら使えないものだからその下位互換を作ったのさ。ああもうこんなにしゃべってしまった。もうやるよ」
そう魔女神が言った瞬間私の体が光で包まれていった。
「魔女神に好かれ魔女よ妾の力を全て授けよう。魔女に神の加護あれ」
そう言った瞬間私の中に何かが入ってきた。
「さて私はそろそろ行かせてもらう。第二の人生楽しんでおいで」
そう言って声が段々小さくなっていった。
すいません第三の人生です。
魔女神の加護
加護者の魔力を無限にする。
加護者は熟練度関係なしに無詠唱で魔法を出すことができる。
一度見たり、説明をされたりした魔法は使うことができる。
追加能力
一代目魔女神が使えた全ての魔法を使うことができる。
ナニコレ強すぎやしませんかね?さすがにチートですよ。
しかしそんなことを考えている暇ではないので、私は手に光属性の魔力をため始めた。放つのはA級光魔法
「断罪の魂光」
そう私が言うと手から無数の光の玉がとびだしてケルベロスに向かって飛んでいった。そして色々な角度からケルベロスを射ぬいた。
さすがA級ね威力が凄いわ。
私はケルベロスの屍を見たあと森の奥に向かって走った。
走りながら何故自分がここにいるのかを考えていると、
そういえばたしか何たら公爵家のバカが私を王女にしようとしてクーデーターを起こしたがあっさり捕まったんだっけな。で、私も何故かクーデーターの主犯格としてここに連れてこられた。
私、10歳やで?クーデーターなんぞ起こせると思っています?普通は思わないでしょ。あれか落とし前か?そんなことを考えていると何故か森に開けたところがありそこに、家があった。開けた回りには結界魔法が展開されておりS級魔獣、魔物でも入ることは出来ないような強固なものだ。とりあえず結界をぶち壊して侵入。さらに幻影魔法をつかって姿をくらまして探知を使って回りに人がいないかを確認。
うん完全に泥棒じゃん。で、家に入ろうとした時私の魔力探知に引っ掛かった者がいた。しかも猛スピードだ。
え?ちょ!!速すぎる!!もうそこまで!!
「ここがバレるとはお前らもなかなかやるな。まあだからと言ってお前らが俺を倒すことは無理だがな。仲間の神はどこだ?ん?てか見ない神だな。引き継ぎでもしたのか?」
一方的に話されて混乱している私を無視して
「話さないならお前だけでも封印しておくか」
そう言った瞬間青年の姿が見えなくなった。そして見えなくなった瞬間に腹に凄まじい痛みをが来た。どうやら私は殴られたようだ。
「ぐぅ……」声にならない。まずい。死ぬ。私は咄嗟にA級回復魔法を使った。痛みが和らぎそれと同時に何故か追撃してこない相手を不思議に思い見てみると、相手も不思議そうにこっちを見ていた。
「いくらなんでも弱すぎないか?流石に神じゃなくても加護持ちならさっきのぐらい避けられるだろ」
なんか批判されました。流石にイラッときた。いきなり殴られて、弱いとか言われたらイラッとも来るでしょう。
私は立ち上がり、魔女神の加護を発動させました。魔女神の加護が発動し、私の足下に何かの魔女神のエンブレムがでてきた。
さてこの森を全て焼き付くすぐらいの業火でも放ってやろうか……いや氷付けにするのも悪くない……物騒なことを考えていた私でしたが、青年が驚いたような表情で
「魔女神の加護?ちょっと待て!!お前魔女神の血族か!?」
と言ってきたのでキレ気味に
「はいそうですけど?なにか?」
と返すと青年が
「悪かった!!何も考えずに敵だと思ったんだすまん!!」
と謝ってきた。あれ?終わり?それならいいんだけど。
「お前の名前はなんて言うんだ?」
と言われ少し考えていた
「………レイラ」
と言ったら
「そうかレイラ。俺は狂神クロノス。昔は時神クロノスって呼ばれていたがいまじゃ狂神になったな。」
それを聞いた瞬間耳を疑った。
「邪神の!?」
「ああ俺が邪神さ」
流石にびっくりしました。そのあと私はとりあえず家に入りました。
ちゃんと一発殴った後にね☆
まったり更新していきたいと思います。