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騒動

 拾い上げたウルフの毛をアイテムボックスに仕舞い、もう一匹倒したゴブリンの耳を拾う為に振り返ると、照れから復活したソフィアが目当ての物を持ってこっちに来てくれていた。


「はい。お疲れ様」

「おお、ありがと」

 

 労ってくれるソフィアに、礼を言いながらそれを受け取る。

 そして、渡されたゴブリンの耳をアイテムボックスに仕舞った。

 俺が仕舞い終えるのを確認したソフィアが、ゴブリンが落としたボロ布を指さす。


「ドロップアイテムは要らないの?」


 そう聞いてくるソフィアに、ちょっと顔を顰めながら手を振る。


「ああ、いいや。なんか拾う気にならない」

「ふふっ、その気持ち、すっごく分かる」


 嫌そうにボロ布を見る俺に、ソフィアはクスクス笑いながら同意してくれた。

 どうやら、ソフィアも経験があるみたいだ。男の俺でも嫌なんだ、女の子のソフィアはもっと触わりたくないだろうな。


「だろ? どうせ高く買い取ってもらえないだろうし、置いていくのが懸命だな」


 腕を組んで頷きながらそう言ってると、ふと、モンスターの出現と消え方について思い出す。

 地面が円型に光り、そこから白い光の粒子が沸き上がって、モンスターになる。転生してこの世界にうまれたことで、ゲームよりも更に本格的にそのエフェクトを体感できた。だから不覚にも、モンスターが現れるにしては神秘的な光景に、思わず見惚れてしまった。


「モンスターって、あんな風に出てくるんだな。ちょっとびっくりしてソフィアの方見ちゃったわ」

「それで、こっちを振り返ってたんだ。直前になって腰が引けて、「助けてっ!」って見てるのかと思ったよ。

 でも、声を掛けたら普通に応えてくれたから、大丈夫そうだなって安心した」


 なるほど、と言った感じで頷いて、ソフィアは微笑む。

 あぁ~、たしかにそう見えちゃうかもな……。

 モンスターが目の前に出てきて、ビビってソフィアに助けを乞うように振り返る……ダサすぎる。果てしなく、ダサすぎる。

 よかった、大丈夫だって気づいてくれて。せっかく、ここから始まる俺の伝説が、危うく伝説(笑)になるところだったわ。


「わたしは小さい頃から聞かされてたから、シオンみたいに驚かなかったけど、間近で見てるとモンスターが出てくるにしては幻想的な光景だよね。

 なんでも、空気中に漂ってる魔素が集まってモンスターが創造されるらしいよ。

 ここみたいに魔素の薄い場所は透明で綺麗な光の粒子なんだけど、もっと凶悪なモンスターが出る魔素の濃い場所だと、紫とか赤紫。もっとすごいと、黒い光の粒子が集まってモンスターになるの」


 思い出すように人差し指を顎に当てて、そうソフィアは教えてくれる。

 そうそう! やっぱ、そういうのも同じなんだ! 

 ソフィアは、黒の粒子が出る場所とか行ったことあるんだ……まぁ、当然っちゃ当然なのか。Sランクの冒険者なんだし。

 でも、これは知らないだろ? 

 もっと強い奴が出てくる時は、赤い粒子なんだぜ? ティアマットなんかが、そうやって出てくる。

 もう、えげつないぐらいの赤。綺麗な赤色じゃなくて、血液みたいにドロっとしてるような赤!


 そうやって、ソフィアの知らないことを知っている優越感を味わいながら、感嘆の声を漏らしながら頷く。


「なんか不思議だな」


 やっぱり、その一言に尽きる。

 だって、魔素が集まってモンスターになるとか、思ってなかったもん。ちゃんと、モンスターとかも個々で繁殖するんだと思ってた。

 でも、ドラゴン系とかは、どうやって繁殖するんだろ? ちょっと想像が付かない。

 ゴブリンとか人型に近いのは、すごくわかりやすいけど……うっ、想像してたら、ちょっと気持ち悪くなってきた……。


「そう? 昔からそうだったみたいだし、モンスターが生まれる常識みたいな認識だったから、あんまり不思議に感じた事はないなぁ~」


 げんなりする気持ちを抑えていると、ソフィアは首を傾げながらそう言った。

 ソフィアは素直だなぁ~。

 でも、常識的認識されることって、そういう受け取り方になるよな。人間が生まれる工程も、神秘的な事だからな。モンスターもまた、違った神秘的な工程って事か。

 あぁ~……愛し合う男女が一緒に暮らすだけで、自然と赤ちゃんが宿るんだと思ってた、あの頃の純粋な俺に戻りたい……。

 

「やっぱりシオンって、どこか他の人と違った感性を持ってるよね」


 純心を無くしてしまったことを嘆いていると、ソフィアがそう言って笑う。

 そうは言うけど、“空気中に漂ってる魔素が集まって”の部分は、俺みたいにモンスターの出現方法に疑問を持った人が調べたからわかったことだろ?

 だったら、俺以外にも、そう思う人が居てもおかしくない。

 そう、俺はおかしくない! 至って、正常だ!

 まぁ、でも……


「俺は特殊だから」

「またそれ? それ言えばなんでも誤魔化せると思ってない?」

「否定はしない」


 キッパリと、そう答える。

 嫌だこの子……鋭い。


「まぁ、いっか。

 それより、クエストの目的も達成出来たし、暗くなる前に早めに帰ろう?

 きっと遅くなっちゃうと、ゼニスさんも心配しちゃうよ」

「そうだな、早く帰って父さんと母さんに、俺の伝説を聞かせてやらないと……!」


 ソフィアの言葉に頷いて、俺はニヤリとした笑みを浮かべる。

 俺の汗と涙無くして語れない伝説に、きっと二人も驚きを隠せないだろう。

 今から、二人のびっくりする顔が楽しみだぜっ!











「いけません!」

「なんで!?」


 ピシャリと言い放った母さんに、俺は悲鳴にも近い声で聞き返す。

 しかし、俺の言葉には聞く耳を持たないと言う風に、その言葉を最後に母さんはそっぽを向いてしまった。その事に、俺はガックリと肩を落として、呻く。

 そんな親子のやりとりを、ソフィアが困った樣子で見ていて、父さんも複雑そうな表情で眺めている。


 ゴブリンの討伐を終えて、ギルドに戻ってきた俺とソフィアは、受付に居た父さんにその報告をする。

 俺の武勇伝を聞かせながら、父さんに討伐証明である、ウルフの毛とゴブリンの耳二つ手渡した。

 それを、父さんは俺の話に相槌をうちながら受け取り、「これでまた一つ成長したな」と、嬉しそうに言ってくれた。

 父さんの言葉に小躍りしそうになりながら、ソフィアと仕事がもう終わると言う父さんを待って、三人で母さんの待つ家に向かう。

 道中、三人で会話を楽しみながら歩いていると、ふと、父さんがポンっと手を叩いた。


「そうだ、ソフィアちゃん」

「はい、なんですか?」


 ソフィアは首を傾げながら、呼んできた父さんを見る。


「ミーレちゃんが来て、言伝を頼まれたんだよ」

「ミーレがですか?」

「そう、「例の男、ちょっと匂う」って、伝えてくれって」

「え? どういう意味ですか?」


 父さんが伝えたミーレなる女の子の言伝に、ソフィアは困惑した表情で聞き返した。


「それが、わからないんだよ。

 それだけでいいの? って聞いたら、それだけでいいって言うから」

「そうですか……」


 そう父さんが言うと、ソフィアは顎に指を当てながら考え込んでしまう。

 うん。俺にもサッパリわからない。

 でも、『ちょっと匂う』っていうのは、『臭い』って意味じゃないことはわかる。多分、『怪しい』って意味だなんだろうな。

 そんなこと、誰でもわかるって? うるさいやい!


 それよりも、『例の男』って、一体誰だ? すげー、気になる。もしかして、ソフィアの意中の男とか?

 ま、まさか……! 褒めて照れてるタイプのソフィアが、慌てて照れる姿を見ることができる、世界でたった一人の幸せ者か!? ただの予想でしかなかったけど、もしかしたら本当に居るのかもしれない!

 やっぱり……おかしいと思ってたんだ。

 あの純粋で、素直で、優しくて、気が利いて、お人好しで、謙虚で、それでいて頼りになる、恥ずかしがり屋な、世界一可愛いソフィアに、彼氏が居ないことに。

 男なんて捕まえてない、とか言いながら、ホントは好きな奴がいるんじゃねえか。

 やべ、楽しくなってきた……! 今度、それとなく聞いてみよ。どんな男なんだろ? 


 いや、待てよ? 『ちょっと匂う』が『怪しい』って意味なら、ソフィアの彼氏が浮気してる可能性がるって事か……? 

 いやいやいや、それはありえない。ソフィアに好意を持たれてるのに、そんな馬鹿な事する男なんて居ないだろ。あまりに短絡すぎる思考だ。『ちょっと匂う』が『臭い』だと思っちゃうぐらい、短絡すぎる考え方だ。

 でも……もし……。

 もしも、仮に……そんな事してんなら──

 

「──ブッ殺す」

「えっ!?」


 無意識に出てしまった言葉に、隣に居るソフィアが目を開いて驚く。


「あっ! ごめん、こっちの話」

「そ、そうなんだ……」


 慌てて取り繕うと、ソフィアは複雑そうな表情をしながらも、聞かなかった事にしてくれた。


「ミーレちゃんって、ソフィアの友達?」


 内心あたふたしながらも、悟られないように、話題を変える。


「そうだよ、よく一緒に仕事をする、同い年の女の子」

「【猫目】の二つ名を持つ、Sランク冒険者だぞ」


 俺の質問に頷きながらソフィアが答えると、父さんが補足するように教えてくれる。

 ソフィアと同い年で、Sランクってすげーな。やっぱ、世界は広いな。そんな天才、ソフィアぐらいかと思ってたけど、居るもんなんだな。

 それより二つ名の、【猫目】って、猫みたいな目をしてるから【猫目】なのか? 瞳孔が縦長だったりするのかな?

 じゃぁ、俺に二つ名が付いたとしたら、【凡顔】のシオン、か? だせー。


 そんな事を考えてると、ソフィアがクスッと笑った。


「猫みたいな目をしてるから、【猫目】なんじゃないよ。

 暗闇の中でも目が効くから、【猫目】なの」

「ど、どうして、わかったんだ……?」


 楽しそうに笑いながら、心を読むかのように言ったソフィアの言葉に、俺はドキリとする。

 しかし、すぐにそんなはずはないと、冷静さを取り戻し、額に出た冷や汗を拭った。

 もし、本当に読まれていたら、俺のステータスのことも筒抜けになっているはずだ。


「シオンの事なら、なんでもわかるよ」


 クスクス笑いながらそう言われて、ジト目でソフィアを見る。

 完全に遊んでやがる……! バカにしやがって!

 くそっ! だけど、かわいい! 楽しそうにクスクス笑うの、すごいかわいい!


「ごめん! 怒らないでよ」


 ジト目で見る俺に、ソフィアが謝ってくる。

 ソフィアに謝られたら何でも許してしまう俺は、その言葉でジト目を止める。

 そう、大人な俺は、ソフィアが非を認めればちゃんと許す。なんて、紳士的な男なんだ……! 素晴らしい!

 だけど、ルージュさんにはたまに怒られるんだよな……「ソフィアに甘すぎる!」って。自分ではそんなつもりないんだけど、甘やかしてるのかな? 愛でてはいるけど、甘やかしてはいない気がする。だぶん、ナルサスさんの方が甘いだろうし。ルージュさんが、厳しいだけなんだよ。

 それに、これはもう仕方のない事なんだ。美少女には逆らえない、俺の宿命なんだ……だから許して、ルージュさん。


 心の中でルージュさんに謝りながら、ふと気になる事があった。


「そう言えば、ソフィアは二つ名ってあるのか?」

「わたしは、【光剣】だよ」


 俺の質問に、すぐに答えてくれたソフィア。

 恥ずかしがるかと思ってたけど、意外とすんなり教えてくれた。ちょっと残念。


「おいおい……この町のギルドで働いてて、【光剣】のソフィアを聞いたことが無いのか?」


 父さんはそう言うと、呆れた表情で溜息を吐いた。

 うるせー、ぼっちナメんな! Gランクの仕事ばっかりじゃ、仕事仲間なんてできねーよ!


「まぁ、シオンは特殊だから」

「そうだな」

「おいっ! 自分で言うのはいいけど、人に言われるのは腹立つからやめろ!」



 ソフィアが俺の真似をすると、父さんも頷いて同意した。

 そこに、俺の抗議の突っ込みをいれると、二人が笑い出す。


 そのまま談笑しつつ、何事も無く家にまで帰ってきたのだが、問題は帰ってきてからにあった。

 俺の武勇伝を、それはもう小躍りしながら話していたら、母さんがプクゥっと頬を膨らませ始めた。

 なにそれ、フグ? なんて思いながらも、母さんに「これからは、Fランク以上のクエストも請けたい」と、言うと……


「いけません!」


 と、返された。

 そんな母さんの返しに、「なんで!?」と思ったのは、俺だけじゃないはずだ。


「ちょ……ちょっと待ってよ、母さん。本当に大丈夫なんだって」

「いけません」

「今日だって、一人でモンスター倒せたんだから」


 そう言って、同意を求めるようにソフィアを見る。


「シオンが言ってるのは本当の話ですよ、リアスさん」

「きっと、ソフィアちゃんにカッコイイ所見せようとして、いつも以上に頑張れただけよ。

 一人になったら、まだまだ危ないわ」

「そ、それは……」


 援護に回ってくれたソフィアだったか、母さんの鋭い指摘に、何故か頬を朱らめて口篭った。

 何でそこで口篭るんだよ!? もっと頑張ってよ!

 しかも、全然頬を染めるタイミングじゃないし! どちらかと言うと、図星な俺が頬を染める言葉だったよ!


「まぁまぁ、母さん。シオンだって、もう立派な歳なんだ。

 男だから冒険にも憧れてるんだよ、少しぐらい認めてあげよう」


 母さんを宥めるように、父さんがそう援護してくれる。


「ゼニスさんは、あたしの味方じゃないと、ヤダ」

「あっ……あぁ、気をつけるよ。……すまん」 


 母さんがムッした表情で言うと、父さんは勢いをなくす。

 そして、俺の方を見て手を合わせたかと思うと、軽く頭を下げて謝ってきた。

 使えねー! 使えねーよ、父さん! 父親の威厳、丸で無しだよ! 尻に敷かれまくりだよ!


「それに、シオンくんはまだまだ子供もん。

 つい最近まで、あたしのおっぱい吸ってたんだから……」

「最近は吸ってねーよ! 遥か昔の過去だよ!」


 母乳を飲ませるように赤ん坊を抱くふりをする母さんは、アホな事を言い始める。

 頭いてー。母さんの中で、俺はいつまで赤ちゃんなんだよ……。


「遥か昔は吸ってたんだ……」

「吸うだろ! 赤ちゃんだぞ!? おっぱい飲んでスクスク育たなきゃダメだろ!」


 母さんに毒されたのか、ソフィアまでアホな事を言い始めた。


「あら、嫌だわ、シオンくん。年頃の女の子におっぱいだなんて」

「えっ!?」


 急に掛けられた言葉にびっくりして後ろを振り向くと、ルージュさんが立っていた。


「ルージュさん、いらっしゃい」

「お邪魔します、リアスさん。

 ノックしたのですが、聞こえなかったようなので、勝手にお邪魔させていただきました。

 楽しそうで、ついつい誘われてしまいましたわ」


 ニコニコ挨拶をする母さんに、丁寧にお辞儀をするルージュさん。

 やっぱり、ものすごく違和感を感じるが、今はそれは置いといて。


「ルージュさんも、言ってやってください!」


 ルージュさんに、援護を要請する。


「そうね……シオンくんも冒険者になったのだから、ランクアップしたいでしょうからね」


 ルージュさんは腕を組みながら、俺の気持ちを汲んでくれるようにそう言ってくれた。


「そうそう!」

「ダメです!」


 それに、頷いて返す俺と、首を振って返す母さん。


「でも、リアスさんの気持ちも、母親同士理解できるわ。反抗されると、余計に反対したくなる」


 そう言って、意地悪そうな顔したルージュさんは、俺とソフィアを一瞥する。


「ダメじゃん!」

「そうです! そうです!」


 それに、突っ込む俺と、嬉しそうに飛び跳ねながら頷く母さん。


「なら、こうしましょう。

 シオンくんを、強くする為に、修行に出す」


 人差し指を立てて言ったルージュさんの言葉に、俺は目を丸くする。


「えっ?」

「えぇ~っ!?」


 俺の声に、今度は母さんじゃなくてソフィアが被せてきた。


「いい人が居るわ。きっと、シオンくんを一人前の冒険者にしてくれるわよ。

 シオンくんが立派になれば、リアスさんも安心するわ」


 そう、愉しそうに話すルージュさん。

 それに、母さんもなんか嬉しそうに頷いてる。

 修行って……無理だろ。もう、これ以上強くなれねーよ。


「ど、どこに修行に行かせるの……?」

「聖ナカル法国。ちょっとした伝手があるのよ」


 ソフィアの質問に、ルージュさんが自慢気な表情で答える。

 おいおい、行くこと前提で話を進めるの止めてくれ! 行かねーよ! 行きたくねーよ!


「行きません!」


 素直に、自分の気持ちを言う。

 俺は、自分の意志をはっきり口に出せる人間だ。


「じゃあ、ずっと薬草摘みね」


 肩を竦めたルージュさんは、そう脅してくる。

 何気になく、母さんもコクコク頷いてた。

 何と言う、究極の二択なんだ……! 一生薬草摘みとして生きていくか、修行に出るかなんて!

 前者は、絶対に嫌だ。そもそも、それじゃ生きていけない。

 後者は、危険があり過ぎる。俺のステータスの事を知られたら、のんびりまったり生活がおさらばだ。巧く隠していける自信も、正直あんまりない。


「短期間ですか?」


 期間によって、ステータスを隠し通せるかどうかの難易度が変わってくる。

 だから、短期間なら巧く誤魔化せるかもしれない。


「そうね……長期間になるかもね。最低でも、一年は過ごすことになるわ」


 終わった……絶対、無理。俺に神様なんて、居ない。俺に憑いてるのは、死神だ。

 【死神憑き】のシオン。へへっ、カッコイイ……。


「無理ならいいわよ?」


 なんとなく、バカにするような感じでルージュさんに言われた。


「……やりますよっ!」


 ムカついたので、そう答えてやった。


 やってやる……! 誤魔化し続けて見せるっ!

 修行で強くなった振りして、薬草摘みから脱出して、まったりのんびり生活を送る!

 それで、俺の人生は安泰だっ!


 もう、ムキになってそう思う事にした。

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