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偶然?必然?

こんにちわ!第二章更新です。

今後ともよろしくおねがいします。

では本編へどうぞ。

時間は登校途中に戻る。

「それじゃ大樹は、父親のせいでオバケの娘と婚約したって事か?!」

「たぶんな・・・」

「それって世間一般で言う呪いというか、取り憑かれたって事じゃねえべ?」

「そうとも言う・・・」

卓から質問される度に、大樹は肩を落としていった。

「あ〜あ・・マジでどうすっかな・・・」

ぼやく大樹を見ながら卓は適当に案を言い放つ。

「お祓いとか除霊とか?」

卓の案に大樹は乗る気のなさそうに言う。

「あんなの嘘っぱちだよ。俺は信じてねえ」

大樹の言葉に卓はもうそれ以上何も言わず呆れた表情を見せた。


大樹達が通う東高校は町の都会から少し離れた場所にある。

此処は小さな山の上にあり、見晴らしが良く町の中心部まで良く見える。


大樹と卓は、ぼやきながら東高校正門までの坂道を歩いていた。

「毎朝この坂はきっついな・・・」

「んだな。山の上にピンポイントで学校作る奴の気が知れんべ」

山の上に学校がある事を迷惑と思っているのは、大樹達だけではなく周知の事実だった。

実際問題、此処しか受験で合格しなかった己を恨めと言われればそれまでなのだが・・・。


二人はせっせと足を運ぶ中、大樹は周りを見渡す。


案の定、大樹と卓だけではなく、他の生徒も上体を若干屈めながら苦しそうに正門目指して登校していた。

その中で、一際この坂に慣れていない女生徒が一人。

女生徒はツインテールで肌は雪の様に白く、いかにも”ひ弱”そうに見える。


10月近くもなれば、さすがの1年生もこの坂に多少の慣れは出てくる。

しかし、彼女は傍から見て”まだ慣れていません”の一言に尽きた歩き方をしていた。

数歩歩けば止まり、しゃがみこみ何かをぶつぶつ言っている。

少し強い風が吹けば、足を掬われ転げ落ちて行きそうだった。


大樹は危なっかしい彼女が気になり自然と目が向いていた。


「大樹どうしたべ?」

少し前を歩く卓が、足を止めていた大樹に気付き声をかけてきた。

「いや、何でもない」

大樹が卓に返答すると同時に事は起きた。

秋風による悪戯と言うべきか突然大きな風が吹く。


大樹や卓、他の生徒は同時に首を竦め体をやや丸める。

そんな中、大樹は同時に先程の色白の女生徒に目を向けた。

重い鞄と突風に煽られ、後方に体が持ってかれていた。

彼女は目を見開き、後方のコンクリートで出来た地面に頭が向いていく。

大樹は女生徒に向けて咄嗟に走っていた。

女生徒は人間の本能とも言うべき、危険感知能力が劣っていた。

体を丸める事もせず、手がそれとなく出る事もない。

そんな中、大樹はこの距離から彼女を守る方法を頭の中で素早く考えていた。

大樹は走りながら手に持つ鞄を思いっきり投げ、彼女が倒れる真下にピンポイントで滑り込ませた。

彼女は見事に大樹の鞄の上に着地した。

しかし、それだけでは彼女の後方へ転がる速度は止まらない。

彼女の体は大樹の鞄がクッションになり少し持ち上がった。

その間に大樹は自分の体を滑り込ませた。

大樹の体は半回転した彼女のお尻で踏み潰される。

これで彼女の動きが止まらない事を察していた大樹は、適当に両手を前に出し彼女の体を掴む。

彼女の動きが止まったと認識した瞬間、大樹はほっとしたのか力を抜いてしまった。

大樹は頭を強く地面に叩きつけられる。

大樹の手足は力なく地面に垂れた。


突風が吹いた時の、この一瞬の出来事を見たものは親友である卓だけだった。


彼女は何が起きたのかわからず唖然としている。

自分のお尻の下に人が居る事もわからず。


「大樹!」

卓は掛け声と共に彼女の下敷きにされている大樹の元へ駆け寄り、

大樹の上に乗っかる彼女に怒り浸透で詰め寄る。

「おい、あんた、早くそこをど・・・」

卓は途中で言葉が出なくなった。

卓の言葉に反応した彼女が顔をあげたからだ。

彼女はあまりにも可愛すぎた。

目は大きく、優しげな瞳。スタイルも抜群だった。

卓は思った。こんなに可愛い子を見たことが無いと。

固まる卓をつぶらな瞳で彼女は見つめる。


卓はありえないと思った。今まで生きてきた中でこれ程の女性を見たことがあろうかと・・・。


「申し訳ない。お手を拝借してもよろしいべ?」

「え?あ、はい」

さっきまでとは別人と思える態度で接する卓。

彼女は唖然としながらも、差し出された卓の手を持ちゆっくりと立ち上がる。


この時、卓の体を更なる衝撃が襲った。

彼女の柔らかな手、仕草、小動物のような目。

卓の精神は天へ持っていかれた。


彼女が立ち上がると同時に大樹の哀れな姿が公の物となった。

卓はなんとか精神を体に戻すと、大樹の傍らにしゃがみこみ声をかける。

「大丈夫か?大樹」

大樹は全く反応しない。

注目が集まってくるこの状況に、彼女は怯えた表情で動揺していた。

彼女に大樹を心配する雰囲気はなく、ただ登校途中の生徒から受ける視線を気にしている様子だった。

そんな彼女に気付き卓は丁寧に声をかける。

「あの、此処は俺がやりますんで先に行っていいですよ」

「あ、え・・あ、はい」

そう言うと、彼女は近くにある自分の鞄を手に取り躊躇無く足早に去っていった。

そんな彼女の背中を卓は頬を緩ませながらじっと見つめていた。

気を失った大樹をほっといて・・・。




大樹は、目を覚ますと保健室で横になっていた。

急に起き上がろうとしたせいか眩暈がおし寄せる。

「っつ・・・・」

大樹は再びベッドで横になった。

それに気付くかのように個別で仕切られていたカーテンが開く。

「あら、お目覚め?」

そこには見知った女性が立っていた。

「紀子先生・・」

「私の名前が分かるって事は頭の方は大丈夫みたいね」


紀子先生はそれだけ言うと棚の上に置かれたコーヒーメーカーに手を伸ばす。

自動コーヒーメーカーは少し古い型だったが、毎日手入れされているのが分かるほど綺麗だった。

それを見るだけで紀子先生のコーヒー好きは一目瞭然だった。


紀子先生はカップに並々とコーヒーを注ぐと、机に添えられた椅子にどっぷりと腰を落ち着かせた。

そのままカップを口に付けいつもの様に足を組む。

「一体何があったわけ?貧血で倒れたわけじゃないんでしょ?」

「まあ。ちょっと記憶が曖昧で・・・」

大樹の曖昧な答えに紀子先生は一人で納得する。

「なるほど」

紀子先生はカップを机に置くと、立ち上がり大樹の方へ歩み寄った。

「少し体起せる?」

「え、あ、はい」

大樹は紀子先生に支えられながら上半身を起す。

同時に紀子先生は、大樹の頭部を両手で念入りに調べ始めた。


「内部出血ではないから、問題ないと思うけどね。

一度病院行く?」


紀子先生の口から病院という単語が出ると、大樹は目を丸くした。


「そんなに酷いですか?」

「ちょっと言ってみただけよ」


それだけ言うと紀子先生はまた自分の椅子に戻った。

大樹は、自分の手で少し痛む箇所に軽く触れるとコブが出来ていた。

「まあ、もう少し寝てなさい。担任の桜一先生には連絡しておくから」

紀子先生の言葉と共に大樹は再度ベッドへ横になった。

大樹は目を瞑り今朝何があったかをゆっくりと思い出そうとする。

しかし、朝早く父親に起されたせいか、大樹はすぐに深い眠りに落ちていった。




東高校は公立高校だが一般的に学力が高いとは言い難い高校だった。

しかし、公立高校である為金銭面で公的援助が付く。

先程も述べた通り山の上にある為行きたがる者は少ない。

その為、世間一般からは他の公立高校受験から落ちた残念組と言う見方が主要だった。

建物自体も創立80年以上経っている為古い。


そんな東高校の中にある2年7組はいつも以上に騒がしかった。

男子生徒達が輪になり興奮冷めやらぬ様子で会話をしていたからだ。

「まじで可愛かった!あり得んほどに!」

「俺も職員室行ってこようかな」

「バカ、何人も用がないのに職員室入って行ったら不自然すぎるだろ」

「いいや!俺はバカでいい!だから行く!」

「アホカ!止めろ!」

話をしている男子生徒達の中の一人が、教室のドアから入ってくる疲れ気味の表情をした卓を見つける。

「おう!卓!こっちこいや!」

男子生徒の掛け声で卓は視線をそっちへ向ける。

「なんだべ。俺はヘトヘトなんだ。大樹を担いでだな・・・」

輪に混ざるのがだるそうな卓を見て、声をかけた男子生徒が近寄る。

「なんか転校生が来るらしいぞ。しかも女!」

「はぁぁぁぁ!?なんだと!!!」

卓の疲れが何処か遠くへ飛んでいってしまった様な気合の入れ様。

「ありえんべ!?ありえんべ!?俺のクラスに女の転校生!?」

「おう!やっべーだろ!?」

「やべーべ!やべーべ!俺も話しに入れろ!」

卓は飛びつく様に男子達の輪の中へ飛び込んでいった。


そんな様子を横目で見つつ、机を囲み椅子に座って話をする女子生徒3名。


「何がそんなに嬉しいのかしら。転校生が一人来るだけでしょ?意味がわからないわ」


男子生徒達の言動に不満そうに話す女子生徒、鈴木美代すずき みよ

彼女は何でも正確にこなし、常に場の空気を重んじる性格。端的に言えば真面目な生徒である。

容姿は髪が長く、顔も端麗。しかし頭が少し固く真面目な為男子達からは一歩引かれた存在だった。

ちなみに、通称”天才トリオ”と呼ばれるうちの一人。

天才がこの学校にいる理由にはちゃんとした理由がある。その話はおいおいに。


「美代ちゃん、聞こえちゃうよ・・・」

「良いのよ、聞こえたって当たり前の事なんだし」


何かに常に怯えていそうな女子生徒、名前は松下栗鼠まつした りす

彼女は松下財閥の一人娘。

性格は典型的な天然系女子。容姿は髪をいつも右横で括っていて顔は童顔系。

名前から性格がついたように臆病で逃げ腰な性格と言えた。

この子も天才トリオの一人。


「千夏ちゃんも何か・・・」

「言論の自由」


この口数少なく無表情な女子生徒。名前は無心無欲千夏むしんむよく ちなつ

名前が明らかに可笑しい事は周知の事実。

彼女はあまり喋らず、喋っても一言に尽きる。その為、正直この子については謎が多い。

ちなみに喋る言葉は毒舌が多い。

容姿は髪が肩程で可愛い顔立ちをしている。何も喋らずに居れば完璧かもしれない。

この子も天才トリオの一人。



美代達の話が聞こえたのか、卓が美代達の方を向いた。


「僻みだべ?天才トリオも僻みだべ?」

「な・・何よあんた・・・」

黒いオーラをまとった卓が美代を見つめる。

美代はいつもと違う卓の黒いオーラにやや気後れした。

この会話に気付くようにクラス中の男女生徒が二人の会話に注目し始めた。


「もうじきお前達天才トリオの時代は終わるんだば!」

「はぁ!?何言ってんの?!元々時代なんてないし、バカじゃないの!」

「粋がっていられるのも後数刻の時・・・ばかめ!」

「何かよくわかんないけど・・むかつくわねぇ・・・!」

卓は両手を広げバカみたいに美代を威嚇する。

それに対して、美代は自慢の空手を駆使した構えに入る。

見るに見かねた栗鼠が止めに入る。


「美代ちゃん止めようよ。ねぇねぇ」

美代は涙目で訴える栗鼠の瞳に目が行く。

しかし、卓が威嚇を止めない為構えを解けないでいた。

「卓死なない。大丈夫」

千夏の言葉が発せられた瞬間物凄い音がした。

気付けば卓が立っていた場所に卓がいない。


机が乱れた先を追っていくクラスメイト。

すると廊下に真っ白となった卓が倒れていた。

この光景に最早誰も口を出す事ができない。

全員が顔を真っ青にしていたからだ。


この誰にも見えないほどの諸行は千夏だと、2年7組の生徒なら誰でも知っている。


この時クラス中が思った。卓は天に召されたと・・・。

「千夏ちゃん!卓君がぁぁ!」

「大丈夫。蘇生も完了している」

泣きながら訴える栗鼠に対して、淡々と応える千夏。

千夏の言葉に栗鼠は笑顔を見せた。

「ありがとう!千夏ちゃん!」

栗鼠の言葉に千夏は無表情で首を横に振る。


教室の中が荒れ、卓が廊下で倒れている(呼吸しているか不明)事に対し、

何も無かったかのように振舞う千夏と栗鼠。

クラスメイトは思った。どんだけ天然なんだと・・・・。


そんな時、この不穏な空気を裂く様に突然教室の前扉が開き教師が入ってきた。

「朝のホームルーム始めるぞ。席につけ」

教師は机や椅子が一部荒れている事に気づく。

「どうした?また卓か?どうしようもない奴だな・・・」

教師がぼやくと同時に廊下へ足を向けた。

扉を開き廊下で白くなってる卓に淡々と声をかける。

「卓、また職員室へ呼ばれたいか?」

「い・・・いえ・・・」

「だったら早く席に着け」

「あ・・・あい・・・」

教師は、いつもの事だと言う風に卓を注意すると教室へ戻っていく。


2年7組の担任教師こと桜一雄二。

生徒からは桜一先生と呼ばれ慕われているが、

桜一先生は楽観主義者と言えた。

良くも悪くも「なんとかなるだろう」で生きてきた人。

2年7組は問題児が多く、問題児同士の結束も固い。

そんなクラスを受け持った先任の教師は、真面目だったせいか僅か2週間で教師を辞めていった。

その後任が今の桜一先生だった。



「お前らバカどもに転校生を紹介する事となった」

桜一先生はクラスを見渡しながら言う。

その瞬間クラスはざわめきを発する。


同時に廊下で白くなっていた卓は、聞き耳を立てていたのかかっこよく立ち上がる。

そのまま後方のドアから教室へ入り、背筋を伸ばしたまま自分の席へと座った。


「入って来ていいぞ」

桜一先生の掛け声と共に女生徒が前方のドアから入ってきた。

その瞬間男女共に少女の容姿に釘付けとなった。


身長は140から145センチと割と小柄で、どこから見ても可愛いの一言でまとめられた。

中学生だと言い張っても納得できる程に。


少女は、教卓に立つ桜一先生の横に顔を真っ赤にしながら並んだ。

それを確認すると、桜一先生は口を開いた。


「えーっと可愛いのはわかるが襲うなよ。バカ共。天才も3人混ざってるが。

それはさておき、このバカな転校生は、優秀なバカだ。

皆しっかり面倒みてやってほしい。わかったな?」


桜一先生の言葉に生徒達は返事をしない。

妙に恥ずかしそうなそぶりをする者、

誰が返事をするか様子を見る者。

返事をしたいがそれをなんとか押さえ込む者。

この三種類に別れた。

表情を表に出さない千夏を除いては。


「バカ共の意思はよくわかった。それじゃ転校生、自己紹介を頼む。」

桜一先生の言葉と共に、注目は完全に転校生へと移った。

転校生の少女は泣きそうな目で動揺している。


「○×△・・ユキと言います・・・。よ・・ろしく恩返しします!」

ユキと名乗る少女の言葉に全員が唖然とする。千夏を除いて。

「と、まあ、バカなんだ。名前は山城ユキと言う。苗字は漢字でユキはカタカナな。

わかったなバカ共。三人を除いて」


桜一先生がすかさずユキのフォローに入った。フォローになっていたかは不明だが。

「そう言えば、まだユキの席を用意してなかったな・・・ん?」

桜一先生は辺りを見回すと、卓の横に一箇所席が空いている事に気付く。

「・・・大樹はどうした?卓応えろ」

「大樹は保健室で寝てます」

桜一先生の言葉に卓はユキから目を離さず応えた。

同時に、ユキも大樹という名前に反応し眉が少し上がった。


「またさぼりか。どうしようもない奴だな。・・・まあいいか。

今日は大樹の場所に座っててくれ」


「は・・はい」

桜一先生の言葉にユキは恐縮した姿勢で返事をし、

卓の横にある席へとゆっくり歩き始めた。

歩く仕草さえも可愛く、全員の視線が彼女を追う。千夏を除いて。

同時に卓へは羨ましそうな視線が集中した。

では3章であいましょう(*´ω`*)

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