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異世界から持ち帰ってきた相棒をオタク沼に落とそうと思う(いせぬま)  作者: ニキ
1-3:お金や手段が無い幼少期に見たアニメOPに出てくるまだ知らないキャラへの期待感は特別

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1-3-S:だからローマ字ってなんだよ!

箸休め回です

多少未来の話

「ねぇアラン?」

「どしたエミ」

「たまにさ、スマホで文字打ってる時、なんか唐突に英語のきーぼーど? に変わるんだけど、これ意味あるの?」

「え? あー……まぁ第一言語が英語の人も居るし」

「日本語を使うのは日本人でしょ? 地域別に言語基盤分けるなら、日本のスマホに最初からあるの変じゃない? いやあるのは良いのよ? でもなんでたまに切り替わるの?」

「起動した時に英字キーボードになること自体はバグ」

「ほむ」

「それはそれとして、英字キーボードで文字打つ方が早い日本人は結構居る」

「なんでっ!?」


 ゴールデンウィークも終わりが近付き、エミと俺の転入が間近に迫る頃。

 残り少ない休日を家で満喫していると、スマホの扱いにも慣れたエミから、そんな疑問が飛んできた。


「ちょっとこっちおいで」

「何よ…………あっ、この形」

「スマホの英字キーボードって、この形だろ?」

「ちょっと待って……うわ本当だ! パソコンのボタンの配置にそっくりじゃん!」


 俺が見せたのはパソコンのキーボード。

 知識が無いからキーをボタン(既存知識)呼びするのが、なんだか少し面白い。


「パソコンって言語がコレだからさ、慣れ親しんだ人にとっては、日本語のフリック入力よりパソコンと同じローマ字(・・・・)入力の方が早い人も割と居るんだよ」

「ろーまじって、何?」

「ああそうか、そこからか…………じゃあ試しにこのボタン(・・・)触ってみ」

「え? うん」


 俺が指し示したのは『真ん中にA』『そのキー内の左下に小さくち(・)』と書いてあるキー。

 入力はローマ字だ。そのため……


「ねぇアランアラン」

「なんだいエミ」

「バグってるわよコレ。『ち』でも『A』でも無く『あ』が出たんだけど」

「そうだね。因みにバグってないよ」

「は???」

「じゃあ次はここ」

「……おい、『に』でも『I』でも無く今度は『い』が出たんだけど!? これ一体どこを参照してるのよ!? 書かれてるものと出るものが違うんだけど!?」

「いいかいエミ、これがローマ字だ」

「いやキモイキモイキモイキモイ、どういうルールでこうなってんの!?」


 俺達の生きた異世界にもアルファベット……どころか、英語(・・)自体が存在した。

 時間の流れとかで古の言語扱いなそれ(・・)は、日常生活で単語のスペル(・・・・・・)を作ること無い。

 が、例えば戦闘力を測るのにS級だのA級だのと言った感じで、ランクや難易度の指標としてアルファベットが用いられることは、珍しく無い。


 だからこそ……


「まず『K』を打ちます」

「今度はちゃんとアルファベット!?」

「次に『A』」

「なんでこれで『か』になるのよ!? っていうか、これもしかして左下の日本語関係無いの!?」

「無いよ。ローマ字はアルファベットの組み合わせで日本語作ってパソコンに打つための言語だから」

「KとAで 『か』!? KにA足したら『か』!?」

「TとAなら『た』」

「キモ!?」

「KとIなら『き』」

「キッ……いや待って、これ普通に法則あるくない? これ五十音と子音の計算式──」

「SとAなら『さ』、但しSとHとIで『し』」

「は?」

「因みにCとHとIで『ち』」

「──だからキモイっつってんのよ!!! 法則見付けかけてたのに例外処理を挟むな!!!」

「…………(無言でキーボードを高速で叩く)」

「いやキモイキモイキモイキモイ! 一文字打つのになんでそんな複数の英字組み合わせなきゃいけないのよ!? しかも引くほど早いし……!」

「日本ではパソコンに慣れ過ぎた結果、スマホでもローマ字打ちする方が早いやつが一定数居るから気を付けてね」

「何に!? 何のケアを要求されてるの!? っていうか……普通に日本語打たせなさいよ!!!」


 ──今日もエミは面白かった。

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