EP6.決断
場は一斉に静間にかえった…
俺は泣かなかった…おそらく察していたのだろう。
俺黙って、おじさんの目を合わせようと必死に見つめていた。
「…だから行かせろって事かい?」
おじさんは既に察していた。
「そ、そんな!航祐のおばさんが…」
「…航祐くん…」
おばさんが俺を慰めようとしてくれたが、俺とおじさんが口論になっているのを見て、統馬と黙って
見ていた。
「航祐くん、あまり口説く言いたくはないが、
天国で見てるお母さんの為に…何かできる事を…
今…考えるべきじゃないのかい?」
俺は頭の中で復讐の事しか考えてなかった…
おじさんが納得してくれないのは、分かってる。
「確かに、復讐の事ばかり考える今の俺は…良くないと思うが、これからじゃなくて…今しか出来ない事を俺はやりたい!」
少し離れた距離から見ていたカーターとロビンソンもこちらを向いた。
「母さんが殺されて…この先…もう…もう!誰も殺されて欲しくないんだよ!」
おじさんはおばさんの方を向いて、おばさんが
少し微笑んだ。
「成長したね…」
おじさんは俺の顔を見て微笑んだ。
「君に…どこまでの覚悟があるのかを試していたんだ…が…予想以上だったよ」
「え、じゃあ行っていいって事なの?」
「そういえば…聞いてなかったんですが…
カーターさん達は、良いのでしょうか?」
カーターとロビンソンは顔を合わせて頷いた。
「まぁ…何度言っても考えは変わらないでしょう」
「ご家族の合意があれば、我々は構いません」
「ですが、決して軽い気持ちで決めてほしくない」
「ただ…それだけです」
おじさんとおばさんは一言一言に頷いた。
統馬はベンチに座って何かを考えているようだった…
「では…佐伯! 明日の昼頃…家に迎えに行く
用意周到の状態で待っていろ!」
「分かりました!」
俺は、迷わず応えた。
「ひとつ…言っておくが…」
「俺達も…奴らと戦うのは…初めてだ…!」