EP5.人生
後ろを振り返ると、おじさんの家族が来ていた。
※父さんの弟、健一おじさん
「え?どうしておじさん達が!」
「兄さんと航祐くんのお母さんが緊急搬送されたと
聞いてね…」
母は俺と同じ1人っ子で若くしてお婆ちゃんが亡くなり、爺さんは若年性認知症で施設にいる。
「あ、お忙しい所…お越し頂きありがとうござい
ます…私は、カーターと申します。」
カーターが俺のおじさんと喋り始め、少し離れたところで、ロビンソンはずっとスマホを見ている
別に何をみているのかは、気にならなかった…
「あ〜!航祐じゃねぇ〜か!」
俺の名前を呼んだのは従兄弟の統馬
結構生意気な9歳の小学生だ。
「なんだ…お前も来てたのか!」
「来ちゃぁ悪いか?」
「父ちゃんがこれからお前も家族だって!」
「…は?…どういう…事だよ!」
「ちょっといいかな?…航祐くん!」
おじさんが俺を呼んだ。
「…カーターさんから聞いたけど…正気なのか?」
「…え?何が?」
「特殊部隊の加入を志願しているとは本当かね?」
「…はい!俺の仇でもあるし、そして、おじさんからしたら、兄さんの仇であるから…」
「そういう事を言っているんじゃない!」
「学校は?勉強は?…今の学生の時間は二度と戻ってきやしない…僕は君の父親ではないから、そこまで言う事はできないが、君は私が責任を持って
引き取るつもりだ…」
「… 航祐くん…今はお父さんやお母さんの事で頭が一杯だと思うけど、これから自分の人生について
よく考えて…」
由佳おばさんも割り込んできた。
「…じゃぁ…どうすれば良いんだよ!?」
「もう一度…私達と一緒に考えようじゃないか…」
「君にだって…これか」
ガタン
救急室のドアが開いて、3人の医者が出てきた…
「誰か…佐伯清美さんの身元が分かる方はいらっしゃいますか?」
「あ、では私が!」
俺の代わりにおじさんが医者の話に応じた。
「で…清美さんの状態は?」
「………」
「…残念ですが…息を…息を…引き取りました…」