EP2.悲劇
俺は声を出す事が出来なかった…現実かどうか分からなくなるとは、正にこの事なのかと、思った…
俺が見たものは…父と母が血を出して倒れていた姿だった…凄い出血量だった…
急いで手当をしようと思ったけど、どうすれば良いのか分からなかった…
取り敢えず、病院に電話をしようとスマホを取り出したその時!!!!
リビングの奥の部屋から何やら大きな怪物の様なものが出てきた!
「うわぁぁぁぁぁぁ…なんだ…これは!!」
身長163cmしかない俺から見ると3メートル以上はあった。電気を付けたくても足が言う事を聞かず、動かなかった。
だから顔は暗くてよく見えなかったが、映画見てような『怪物』とは少し違った様な顔をしていて、何やら人間の面影があった様な気がした。
それくらい俺はその怪物の顔を睨んでいて、段々涙が出てきて、俺は叫んだ、
「お前が殺ったのかぁぁぁぁぁぁ!!」
奴は威嚇をする様な仕草をして、こちらを向いた。
「答えろぉぉやぁぁぁぁ!!」
俺は泣き叫び続けた。
友達の居ない俺には家族というものが何よりも
かけがえのない存在に過ぎなかった…
今朝の俺の行動を後悔している。
もう一度やり直したかった…
死ぬなら一緒に死にたかった…
そんな事しか頭に思い浮かばなかった…
俺は泣きながら、急いでキッチンにある包丁を
取り出した。
…死んでもいい…。
俺は奴に目掛けて包丁を刺したが、奴はびくともせず、手で俺を吹き飛ばした。
「うわぁぁっ!」俺は壁にぶつかりそのまま壁が崩れ、玄関の廊下へ放り出された。
俺が見たものが正しければ、奴は尖った5本指で俺の胸を掴み、もう片方のグーの手で俺は殴り飛ばされた。
背中全身に痛みが走り、流石に骨が折れたと思いながら、立つ事ができなかった。
俺は、這いつくばりながら玄関を目指して、出ようとした時、あの怪物は俺を後ろから追いかけてきて、俺捻り潰そうと気色の悪い手を伸ばしてきて、
死んだ…と思った瞬間…!!
玄関のドアが開く音がして、何やら宇宙服のようなジャージを着ている金髪で髭を生やした男が…
レーザー銃のような物を怪物に目掛けて発射し、
すると怪物は暴れ立つ様に姿を消した。
…俺は呆然と辺りを見回しながら立っていた…