暗黒戦隊“ダークマター” 〜常識王子と７人の非常識な家族〜

俺、黒木王子は、18歳。身長171cm、体重64kg、顔は可もなく不可もなく。いたって普通の大学生だ。


そんな普通の俺にも、秘密がある。それは、俺の家族に関することだ！

なんと！俺の父親の正体は、この国の悪の根源である秘密結社『アンダーカバー』の総帥、【ジーク・フリート】その人だった。


悪の限りを尽くしている俺の父親【ジーク・フリート】は、組織を今以上に発展させるため、自分の子どもたちに非常識の英才教育を行っていた。

……俺以外に。

父親は、高校を卒業したその日、俺に頼んできた。今まで存在を隠していた非常識な兄弟たちと一緒に暮らし、彼らに常識を教えてほしいと……。

まさか、俺がそんな役目を負うことになるとは思わなかった。

父親は、組織内の治安を守るためには、常識を持った人間が組織に一人必要だと考えた。

そして、その白羽の矢が俺に向けられたのだった。

俺は、普通の大学に通いながら、組織の未来を担う他の兄弟たちに、自身が経験してきた常識や道徳を教えるチームリーダーになることを持ちかけられた。


俺は、1時間に及ぶ父との話し合いの結果、父の言い分を一旦飲み込むことにした。


そして俺は、今年の春から、一癖も二癖もある腹違いの兄弟たちと共に共同生活を行うこととなった。


この物語は、そんな普通の俺が、エリート非常識な家族と共に成長する『バイオレンス・ファミリー・ヒストリー』である。