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よろず見聞録  作者: 真澄
9/22

元日

震災に遭われた方々の、少しでも早い復興をお祈り申し上げます。

 元日、スマホを眺めるのにも飽きて炬燵でうたた寝をしているときに、大きな音で目が覚めた。この音なんだっけ、寝起きで頭が回らない。スマホをの画面をみると『強い揺れに備えてください』の文字。その文字を読み終わったとたんに、大きな横揺れが始まった。慌てて頭を炬燵の中に入れる。船に乗っているように大きな横揺れが続く。横を見ると愚息は蛍光灯を眺めていた。

「おい、炬燵ん中に頭入れなよ」

「見てるから大丈夫」それにしても長いなぁ、乗り物酔いになりそう。あとからのニュースでは30秒以上とあったが、30秒って結構長いんだ。

 友達と善光寺に初詣に行った娘に連絡を取ってみる。無事なことは確認できたが、迎えにきての連絡がない。あんなに大きく揺れているんだから、早く帰ってくればいいのに。

 すぐにテレビをつければ、津波警報が繰り返されている。どこが震源地で何があったのかよくわからないけれど、能登半島で地震があったよう。日本海側でも津波が起きるんだぁ、と思いつつ、ただテレビの中の絶叫を見ていた。

 外も暗くなったころ、ようやく娘からお迎えの連絡がきた。長野駅の改札口で案内版を見上げている人たち。金沢で地震があったら、北陸新幹線停まるわなぁ。長野駅で娘と友達をピックアップ。娘が言い出しにくそうに

「しなの鉄道も止まっちゃってて、帰れないんだって。送ってってくれる?」だそうだ。別にいいけど。

後で知ったことだけれどこの時、糸魚川線は松本以北、しなの鉄道は軽井沢以北が止まっていたそうだ。

 それよりもさぁ、あんなに揺れたのに何で早く帰ってこなかったのよぉ。娘曰く、

「みんな普通にしてたから、別にいいかなって」さいですか。長野駅の改札口で、頭を抱えた外国の方がいたとか。そうだよねぇ、言葉通じないは、揺れるは、新幹線止まっちゃうは、大変だよねぇ。これも後から新聞に載っていた話。長野駅にも英語のできる駅員さんはいたらしいのだか、個別対応に忙しく英語でのアナウンスはなかったとか。

 自動車のテレビで世の中の大惨事を見せながら、自宅まで送り届けた。世の中大惨事だってゆうのに、いつまでも遊び歩いてと言っても、善光寺界隈はなんともなかったようだし。どこの放送局も、地震関連の放送になっていることを伝えると。

「お正月特番放送しないの」と言い出す娘。そういえばさぁ、3.11の時もあんたは、

「ドラえもんやらないの」って悲しそうに言ってたよねぇ。

 娘が楽しみにしていた番組は、21時の後半戦から放送。23時にまた大きな地震が起きたといって放送は中断された。他局の元旦特番は、後日おいおい日を改めて放送されていた。


 

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