リンゴ事情
在所の近くの農協で、ふじ祭りを行う旨の折り込み広告が新聞に入っていた。そのことを父の伝えると、できるのか?と聞いてきた。今年のリンゴはそのくらい不出来だった。
今年の春から秋にかけての少雨と高温で世の中大惨事だ。
信濃町の野尻湖も観光遊覧をやめていた。ただの水不足ではなく、水不足の新潟県へ農業用水として放流したためだそうだ。
関西の滋賀県民いじりへの返しで有名なものに、『琵琶湖の水とめたろか』があるとか。今は琵琶湖の水が少なくなって出水制限が行われそうだとか。場所が特定されていなかった坂本城の石垣が湖底から出てきたとか。今までにないほど水位が下がってしまったようだ。
秋には例年坂城町で行われているねずみ祭りが中止。理由は坂城町特産、ネズミのような恰好をしたネズミ大根が不作のため、一般販売ができないためだとか。
長野市民新聞によると、例年共撰所に出荷されるリンゴの3割が贈答用として扱われるとか。長野市で一番のリンゴ産地の共撰所では、今年は品物がそろわずに贈答用のリンゴの発送を取りやめたとか。リンゴの選別も最近はAIで行われているそう。色付きが悪きほとんどの物が、一級品から外れてしまっているとのこと。
近くのJAのリンゴ売り場をのぞいたら、それはひどいものだった。我が家ではたぶん卸さんに出さないようなものが、自家用リンゴとして店頭にならんでした。
さて、我が家で頑張っていてくれたリンゴの木ももうそろそろ寿命らしい。皮だけになって中にリンゴの葉が堆肥のようになって、横に伸びている枝の中からタラの木が生えている木を、卸さんに見せたら珍しいと大笑いされているような木。台風で枝が折れたのを、父が養生して数年実をならせた木。80を過ぎた父が子供のころから植わっていた木々。父も自分の体が思うように動かなくなり、来春には伐根すると決めた。
さて、素人が作りやすい品種を卸さんに聞いてみた。昔のふじは気温が下がってこないと赤くならない。秋映は、表面に錆のように茶色くなるので売り物になりにくい。
そこで、気温が下がらなくても、少々葉っぱに隠れても色が付く品種がいくつか出ているらしい。テレビのコメンテーター方が、これからの気候に合わせた農業をとか物知り顔に言っているのを、事情知らないんだなぁと思いつつ聞いている。高温障害に強いお米だって各県の農業試験場で作って推奨米とされているし、リンゴだってそうだ。ブドウだって高温でも作れる品種が作られているだろ。知らないだけで、かなり前から高温対策の品種は研究されている。
さて、来春は何を植えようか。