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よろず見聞録  作者: 真澄
3/22

暑い夏

 7月にはどこの機関か忘れたが、世界的に観測史上一番暑い7月だったと発表したような気がする。

 つい先日、気象庁が

『今年の気温は歴代と比較しても圧倒的に高い。夏全体で見ても異常だった』と発表。連日の情報番組でも、酷暑を通り越して災害級の気温とか言い出してるし。

 思えば今年は春からおかしかった。春方々で桜吹雪の中での桜祭りを見た。本来なら桜の咲き始め、もしくは満開の時期に開催されるはずの桜まつりだったのだろう。それが地元でさえ開花時期を外したよう。

 「昔は満開の桜の時期だった。それが最近は卒業式に桜が咲いている」こんなネットの書き込みを読んだ。言われてみれば、桜の咲く時期はどんどんは早くなっているような気がする。

 7月くらいだったろうか。母にリンゴの実を見せられた。本来なら淡い緑色のはずが、茶色くさびたようになった実がいくつかあるとか。暑すぎて焼けちゃったよう。

 7月の下旬にキュウリの木がほとんどダメになった。例年ならもうちょっと持つんだけどねぇ。8割ほど枯れた木で、10日ほど頑張って実をつけてくれました。

 家庭菜園がダメなら買うしかないかぁと思っていたら、市場に出している人たちはもっと大変だった。首都圏に近い生産地では、高温少雨のために多くの野菜の出荷量が激減していた。

 一番のショックは、新潟の惨状だった。用水路だけでなく、用水路のもととなる大きな河川にも流れがなかった。実の入っていない黄色い稲穂。まさか新潟全体があんなんじゃないことを願うばかり。こんな状況をスタジオで見ていたコメンテーターたち。

「これからはこれが通常になるなら品種改良が必要ですかね」いやホント、現場にいないで口だけの人たちだよねぇ。言うは易く行うは難し。現場がどんだけ大変か理解してないんだろうなぁ。米に関しては、いろいろな農業試験所で高温障害が出にくい品種を開発してるけど。

 雨にも混乱させられた。7月の上旬。先輩ずらしたくて子供が高校の文化祭に帰ってきたいという。ちょうど帰ってくる日、大雨のために電車止まった。ならば新幹線ならどうだと思ったら、静岡の辺りで新幹線も止まっていたとか。結局次の日に、普通電車を乗り継いで帰ってきた。

 夏のレジャーシーズンの沖縄に迫ったのが大型台風。航空機が軒並み運休。空港には予定が狂った旅行者たちであふれていた。台風の規模も年々大きくなっているような気がする。10年に一度100年に一度という表現を毎年聞くようになった。

 盆と正月に家族と一緒に過ごそうとするのは、動物の帰趨本能か日本人独特の宗教観か。それはさておき、日本人大移動の時期を襲ったもの台風だった。台風接近のために安全のために計画運休が実施された。復旧に思いの外時間がかかり、新幹線の駅はまたも大混乱になっていた。昔はこんなことしなかっただろうとか言い出すコメンテーターが何人かいた。いやいやいや、運行会社が安全のために決めたことだし。台風だって昔に比べて大規模になってきてるし。

 お盆が終わり、子供が進学先に帰っていった。特急に乗せたときには天気も良く、運休するなんて思ってもいなかった。突然、電車が止まったと連絡があった。なんでも県境で大雨が降って、安全確認のための停車だとか。迎えに来いだの、タクシー使っていいかだことの。結局2時間停車して運転再開。よかった、よかった。

 8月のいつだったか、強烈な夕立が降った。

「昔はさ夕立って言ってたけどさぁ、最近は夕立って感じじゃないよねぇ。ゲリラ豪雨とか言ってさぁ、ちょっと怖いよねぇ」

 暑さ寒さも彼岸まで。そんな言葉ももしかしたらなくなるのかもしれない。

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