高校の修学旅行
昨年の今頃、子供がこんなことを言い出した。
「修学旅行はいっぱい乗り物に乗りましょうだって」いやいやいや、先生何言ってるんですか。見せられた計画を見て、頭を抱えた。新幹線で東京に。そこから羽田から長崎にいって、そのあとフェリーに乗って神戸に行って、USJに行ってバスで帰ってくるって。この台風の季節に何考えているのやら。確かに家族旅行ではなかなか出来ない、団体旅行の醍醐味の詰まったような計画。高校生活の思い出に何か特別な体験をとの先生方の親心満載なのは理解できなくもないのだけれど、なんだかなぁ。乗り物ヲタクの先生の趣味なんじゃないかと思えりよう計画。
結局今年になっても結局計画はかわらず、親を集めての説明会が行われた。私以外にも同じようなことを考えて親御さん方がいたようで、かなり多くの質問があったよう。私は行くの面倒だったので、いつも子供のことをいろいろ聞いてくる亭主殿の談。
事前に大型の荷物は現地に配送。今は便利になったねぇと思いつつ、初日の行動を見て驚愕。東京駅から在来線を使って羽田空港まで行くらしい。大きな荷物を持った団体がうろうろしていたら、そりゃぁ迷惑ですもんねぇ、送りますよね。これから受験等で都内を一人で行動する機会があることを考えての、先生方の親心だと思いたい。でもねぇ、空港についたら人数へってそうだけどねぇ。
前日、何をもっていこうと言い出す子供。
「あした履くパンツさえあれば生きていけるって、仮面ライダーも言ってたじゃん」と私。
「何言ってんの、それ10年以上前の話だし」って覚えていたんだ。大体ねぇ、制服のある学校ならシャツと下着3日分だけでいいんだよ。それを、上下セットで3日分も事前に送って何が必要なのさ。
数日前にヤフーニュースの記事が思い浮かんだ。スマホとドライヤー不可の記事。スマホは変な写真を撮ってSNSにあげる心配があるので不可。ドライヤーは宿のブレイカーが落ちる可能性があるので持参不可といった内容。宿泊客がドライヤー使っただけでブレイカーが落ちるような宿って今あるのかねぇ。スマホ禁止って、SNSに変な写真を載せないように指導すればいい話のような気がしないでもない。観光地の子供たちを放り出すのに連絡方法がないとかえって不安じゃん。子供の学校は、これから独り立ちする子供たちの事前体験実習のよう。生徒を一人前の大人として扱っているよう。決まりといえば、平和公園への献花と講演会の時には白いシャツとお小遣いの金額。高校生をそんなに子ども扱いするのかねぇ。
突然の悪天候その他災害や事故、不測の事態が起こらないことを祈りながら、当日を迎えた。出る直前
「T字って刃物」と言い出す始末。多分ダメだったとおもうよぉ。ホテルになかったらワイルドのなって帰ってくればいいじゃない。なんてこともありながら集合場所まで送った。その日の午後、子供からライン。慌てて開いてみれば、お弁当についていたソースを新しく買ったワイシャツにぶちまけたとか。
それから3日後。日頃必要なこと以外話さない子供が、USJで『唱』が流れていたとか、空港でペンケースに入っていた糸切狭を没収されたとか、ちょっと興奮気味に話してくれた。長崎の自由行動ではずーっと駅にいてちゃんぽんを食べただけとか。そんなことを話す子供は、少し大人の顔つきになったような気がしないでもなかった。