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俺と『悟(さとり)』の夏休み  作者: 佳景(かけい)
旅、一日目
6/61

―6―

 国道二四六号線から脇道に逸れて少し走ると、甘柿橋という橋があった。


 中央に車線が引かれていて、車が交互通行せずに通れる程度の幅はあるけど、小さな橋だ。


 その下にはこれまた小さな川と、護岸工事もされていない土手が延々と延びている。


 辺りを見回しても見えるのは民家ばかりで、店らしい建物は見当たらなかった。


 空はそろそろ夕方から夜の色へと変わりつつあって、電柱や家の明かりがぽつりぽつりと点き始めている。


 土手を下りた先にはテントを張れそうな場所があって、俺はそこで野宿することにした。


 石がたくさん転がっている河原と違って、草が茂っているから、横になって痛いということはないだろう。


 トイレや水道があるという点では公園の方がいいけど、ああいう公共の場所は警察の巡回もあるそうだし、未成年だとわかったら補導されてしまうかも知れない。


 できれば面倒事は避けたかった。

 

 俺は草を踏みしだきながら河原に下りてみたけど、この辺りに生えている雑草はなかなか倒れたままにならないくらい丈夫で、上手くスタンドを立てられそうにない。


 仕方なく自転車を草の上に丁寧に倒すと、俺は夕飯の入ったビニール袋とリュックを草の上に下ろして、後輪のサイドバッグからグラウンドシートとテントを取り出して広げた。


 そうして接続したポールをテントの上に設置して、テント本体の前後のゴムと真ん中のフックをポールに引っ掛けたら、三角形の出入り口のテントが出来上がる。


 俺はその上からフライシートと呼ばれる雨避けのシートを掛けると、落ちていた石を使ってペグと呼ばれる杭を打ち、テントをしっかり地面に固定した。


 家で何度か練習したおかげもあって、作業はスムーズに進んだけど、これくらい簡単ならぶっつけ本番でも良かったかも知れない。

 

 俺はリュックとビニール袋をテントに入れると、靴を脱いでテントに入った。







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