表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/38

【3時間目】魔王様、自己紹介のお時間です‼︎


私立黒瀬川学園。

総生徒数は1000をくだらない日本屈指(くっし)の名門進学校である。だが意外に歴史は新しく、未だ創立10周年も迎えてない新顔である事もまた事実だ。



「で、僕は固有魔法奪還(だっかん)のために能力を持ってしまった人と恋仲にならないといけないわけだ…」



(しか)りです、逢魔様」



ワックスの反射が美しい廊下(ろうか)を二人並んで僕らの所属する事になっているクラスへと向かう。

校門近くに貼ってあった新入生のクラス表を見たところ僕らはホオズキ(クラス)という組(どうやらこの学校のクラス表記は花から取る文化があるようだ)に入るらしい。



「でも思うんだけどさ、もし僕の固有魔法が男の人に渡ってた場合どうなるのさ?割とそれだったら絵面酷くなるよね?まあ一部の人には(よろこ)ばしい事だとは思うけど…」



「安心してください逢魔様。このラノベの設定はハーレムもののギャグラブコメディなのでありえません」



「いややめてぇメタ的発言。ギャグものにとってメタ表現は割と(あつか)い困るんだから……」



なんてしょうもない話(僕にとっては死活問題ではあるけど)をしているうちに(くだん)のホオズキ組に着く。

中からはお互い初対面であろう人間しかいないはずだが中々盛り上がっている声が聞こえて来る。

存外、名門進学校とはいえ結局は年が近い人間ばかりなのだからそんな気負(きお)いする事もないのかもしれない。


ガラランッ!

景気良くクラスのドアを開けると中には30人程度の男女混合の至って普通のクラスであった。

僕的にはもっとキャラの濃ゆいやつらが待ち受けているのかとビクビクではあったが。


和気あいあいと盛況(せいきょう)なクラスの中を見渡すと窓側の後ろに空席が二つあり、恐らく僕らの席である事が(うかが)える。

ん?あれ、ちょっと待ってくんね?なんかおかしくね?



「あれ?ちょっと待って。なんでこんな都合よく僕ら隣同士の席なの?」



「それはもちのろん・うぃー◯りー、私が逢魔様の幼馴染でヒロイン枠なんですから隣同士になるのは必然の(ことわり)ですよ?」



「いやぜってぇ聖良の固有魔法だろこれ!使ったろ!魔法っ!てか魔法繋がりで有名な映画出してくんじゃねぇ!ちなみに僕はなんだかんだアズ◯バンの囚人が好きですっ!」



まあでも内情(ないじょう)を知る人が近くにいた方が便利だよね……?って事にしとこう、うん。

ところでこのクラスに能力持ちの人はいるんですかね。なんかさっきからピロパロピロパロ(かばん)の中から愉快(ゆかい)な音が()ってるんですけど。

てかドラゴ◯レーダーのクオリティたけぇなぁおい!さすがだわ聖良ちゃんっ!



「あっ、この前のトイレに(こも)ってた子が逢魔様の前の席ですね」



「いやご都合設定が過ぎる」



「それと後3人このクラスに能力持ちの人がいらっしゃるようですね」



「もはや止めどないご都合設定の嵐。台風かなにか?」



てかこのクラスだけで4人てもう後5話ぐらいで終わりそうだよねこのラノベ。

まあ作品としてはつまらないけど僕からしたらすんげぇありがたい事だけど。



「安心してください逢魔様。まだこの先も話は続きますので。伏線(ふくせん)とかもいっぱい()いてあるので最後にどんでん返しありますよ、きっと」



「いやぜってぇ嘘だろおい!伏線とかテキトーな事言ってるけどほぼ勢いとその場しのぎで物語が展開してるから嘘おっしゃいな!」



なんて夫婦漫才(めおとまんざい)をしてるうちに予鈴が鳴り、このクラスの担任であろう女性がスーツに身を包み入室してきた。

僕らは素直に(聖良の嫌疑(けんぎ)がかけられた)席に付くと大人しくした。入学早々問題(とらぶる)は起こしたくはないもんね……。



「さて、早速ですがみなさんに今からちょっと殺し合い(じこしょうかい)をしてもらいます」



「いやちょっと待って!?なんかルビと本文あって無くない!?急にバトル・ロワイ◯ルするの僕ら!?」



躑躅森(つつじもり) 逢魔(おうま)君。静かに」



「あっすいません………」



早速目立ってしまいましたねと聖良が耳打ちしてくる。いやだってしょうがないじゃん。こんなんツッコんでくれってボケじゃん、絶対。

てかなんだこの教師にこのクラス!?僕以外冷静沈着(れいせいちんちゃく)すぎるだろ!少しはデスゲームを(うたがえ)やっ!


すると一番前の右、つまりは名前順最初であろう女の子がすっと立ち上がる。

いやほんと何も思わんのかねこの子達は…。



「私の名前は天野(あまの) 亜衣子(あいこ)。アンドロイドです。以上。」



「いやちょっと待てえやぁぁっ!!アンドロイドって!?アンドロイドってなに!?そりゃ確かに最初の自己紹介はついついボケてみんなの人気を得ようと画策(かくさく)するけどそんな変化球なボケある!?誰が(ひろ)うんだよそのボケ!?てかアンドロイド設定は無理あるだろが!今後三年間続けるにはっ!!」



「すごい大◯班長みたいなツッコミしますね逢魔様」



「いややかましいわぁ〜〜〜い!!!」



「はい逢魔君、お静かに」



「あっ…すいません……」



アンドロイドであるらしい亜衣子さんはそのままふっと僕らに目をやるとそのまま着席した。

なんかすげぇお前空気読めやって言われた気分ですわ……。

そして亜衣子さんの後ろの席である男が立つ。



「僕も実はアンドロイドです」



「いやまさかの二連続!?なにここデト◯イトの世界観なんですか!?」



\アンドロイドニジユウヲッ!/

いやうるさいわ。誰だよ今の。あ、隣からだから……って聖良かぁ〜〜い!



「あっいや僕はケータイがAndr◯idって事です……」



「あっ…そういうこと………」



とんだ大っ恥かいてしまった。

多分みんなの僕に対しての心象(しんしょう)はこのクラス最低になるだろう。とほほ……。

すると亜衣子さんが(ひらめ)いたように突如(とつじょ)立ち上がった。



「あっ…ちなみに私はiPh◯neです」



「いやあんたこそAndr◯id持てやぁ!!なんでそこチグハグなんだよ!!設定に合わせていけよ!せめて!!」



────その後も順々と"殺し合い(じこしょうかい)"は進んでいった。

かくいう僕はツッコミをしすぎたせいで担任の本庶(ほんじょ) 拓実(たくみ)先生にしばかれてしまった。なんで?最初にボケたの先生だよね。てか先生パワーありすぎだろ、僕の頭今時漫画でも見ないほど大きなたんこぶできちゃったよ…。


そして(つい)に僕らの番がきた。

隣の聖良が先に立つ。(よくよく考えたら名前順になるなら聖良僕の後ろだよね?てか名前順で自己紹介してくなら聖良の次僕の列順の前の人だよね?あれ?これツッコんだら負けなやつ?)



「私の名前は躑躅森(つつじもり) 聖良(せいら)と申します。スリーサイズは上から92ー58ー90です。そしてこの隣に座っている躑躅森 逢魔君のお付きのメイドであり、幼馴染であり、彼女であり、嫁です。以後よろしくお願いします」



「いや、スリーサイズの情報いる?てか僕君の彼女でも嫁でもないよね。よろしくじゃないよこれじゃあ僕多分他の聖良に熱い視線送ってる一部の男子諸君(しょくん)に刺されるよね」



うおおおおおおおお!!!

クラス中に男子の歓喜(かんき)の声が響いた。ある者は泣き崩れ、ある者は失神し、ある者はその神々しさに(ひざまず)く者もいた。

そう、聖良はたった一回の自己紹介でクラスのアイドル、もとい聖女(せいじょ)になったのであった。


そして僕は殺された。

一部の暴徒(ぼうと)化した男子に後ろから一突きされたのだ。

僕の訃報(ふほう)はたちまち故郷であるメイベル中に広まったのであった。



「いや僕死んでねぇしオチが思いつかなかったからってテキトーに終わらすのやめてもらえません?」



☆次回、逢魔死す!デュエル、スタンバイ!────────



【登場人物紹介】


○躑躅森 逢魔


主人公で魔王の息子。

奪われた力を取り戻すため降臨したはいいがトラブル続きで参っている。ちなみにツッコミしすぎて一話目の自分の失態はもう忘れている都合の良いやつ。



○躑躅森 聖良


逢魔のお付きのメイドさんでサポート役でお嫁さん(本人談)。

本人はいたって冷静沈着であるが逢魔が絡むとゴークレイジーになる恋する乙女?な一面も。

ちなみにスリーサイズは本物(逢魔談)。



○天野 亜衣子


ホオズキ組所属の女生徒。

本人曰くアンドロイドであるがケータイはiPh◯neだっりちょっと適当な一面も。

ちなみにアンドロイドだけに鉄面皮。



○本庶 拓実


私立黒瀬川学園に所属する女教師でありホオズキ組の担任。

敏腕教師だという噂があるが登場して開口一番がバトロワのセリフであるあたり少しクレイジーな雰囲気を感じる(逢魔談)。



○僕


ホオズキ組に所属するモブの(ケータイが)アンドロイド。

今後の出番はその都度考えるのでもしかしたら没キャラになるかもしれない不憫な子。

名前はまだない。



○ロン・ウィー◯リー


偉大な作家、J.K.ロー◯ング(jkでロリ入ってるってちょっと運命感じるよね)が愛する子供のために書いたハリー・ポ◯ターシリーズに登場する男の子。

ロン役の俳優さんちょっと最近やつれてるから心配ではある。



○大◯班長


目はまだ出てなかった!だからこの勝負はノーカン!ノーカン!

今は原作のスピンオフで人気。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 読んでいただいたのでお返しに読みました。ので、感想を送ろうと思うのですが少し辛辣ですよ。 まず、私は小学生男児レベルの下品な下ネタが苦手なので、最初で読む気がなくなってしまいました。次…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ