神は陸地と海を創られた
ワシは創造神じゃ。
消え残った空間をリサイクルして新しい世界を作ろうとしている。
他にも消滅しかかった世界があったから、そこからもリソースを回収できたのは幸いじゃ。
余裕のできたリソースを使って、建物を創り出してみた。
ヘルマからは、前々から頼まれていたのでな。タテウリイッコダテとか言っておったか。
とりあえず朝ごはんを… って、ヘルマはどこじゃ? 部屋にはおらぬな。
なんと!? 庭で大の字になって寝ておるではないか。
起きんか、これ、ヘルマ! ワシの朝ごはん!
……………
………
……
はあはあ、何をやっても一向に目を覚ます気配がない。
……創造神が突破できない結界って。
ちょっと傷ついちゃうな、ワシ。
ぎぶみぃ、おむらいす。
……………
………
……
仕方がない。オムライスを創り出すか……
わびしいのう、わびしいのう。
ワシが創り出した料理は、何を食べてもチキン味しかせぬ。
はあ…… 神は孤独じゃ。
仕方がない。今日の分の仕事をするか。
┃
┃Command ? : 天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ
┃String formula too complex
┃
ぬう、相変わらず融通の利かないシステムじゃな。
そのうちに拡張機能パックをインストールした方がいいのう。
その前にコンピューターの容量拡大か。
このコンピューターこそが、創造する世界に直結しておるからの。
いわば世界そのものじゃ。
┃
┃Command ? : CREATE DRY_LAND
┃OK
┃
┃Command ? : CREATE PLANTS
┃OK
よし、うまくいった。陸地を創って草を生やしてみたぞい。
このあたりには果樹園でも造ってみるとしようか。
うむうむ、いい感じじゃ。
植物がどう進化していくかは運任せであるな。そこまでは面倒みてやれん。
よし。今日のところはここまでじゃ。
ヘルマの代わりに聖典も記録しておこう。
今日は、こんな感じじゃ。
乾いた地を陸と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。
陸は青草と、種をもつ草と、種類にしたがい、種のある実を結ぶ果樹を生えさせた。
夕となり、また朝となった。第三日である。
神はエラー無しを見て、良しとされた。




