神は天と地とを創られた
創造神のジジイにも困ったものです。
システムにログインできなければ、この先の仕事が進みません。
いかに創造神サマとはいえ、若いころとは違って、天地創造を神さまパワーでゴリ押しするには無理がありませんかね。
出来ない事は無いんでしょうけれど… えっ? 出来るけど面倒?
……そぉですか。
で、何か思い出しましたか?
試してみたいワードがあるんですか?
良いんじゃないですか? やってみましょうよ。
┃
┃PASSWORD: 天地創造
┃password error
┃
┃PASSWORD: _■
┃
おおっと、自信満々に打ち込んだパスワードはハズレでしたぁぁぁ!
ねえねえ、今どんな気分?
いだだだだ、頭が割れる中身がはみ出る。ごめんなさいごめんなさい。
ふう、マジあの握力はヤバいわ。
で、マジなこと言うと……
あと1回間違えたらロックアウトですよね、常識的に考えて。
失敗したら明日の今頃まで使えねー、って感じですね。
パスワードを思い出した?
ダメ元でやってみましょうかねぇ。
┃
┃PASSWORD: 天地創造
┃password error
┃
┃PASSWORD: 技術官僚
┃OK
┃
┃Welcome to Genesis
┃
┃_■
┃
おめっとぉさんで~す。
やーっとこさ、システムにログインできましたね。
のっけからユーモアたっぷりな聖典になりそうなワード、いただきましたぁ。
「うむ。聖典の内容じたいは問題ない。なにせ聖典を書くのはヘルマよ。
おまえの仕事じゃからのう」
わたしが書くんですか?
良いんですか、そんな大事なことを簡単に任せちゃって。文才ないですよ?
と、いうか、今回は何をなさったので?
「今回は、世界の土台とでもいうべきモノを創りあげてみた。いわゆる大宇宙じゃ」
ディスプレイには、大量の岩のかけらが映っている。
これが、取り寄せたモノですか。
「そうじゃ。まだいくつか来るけれど、これだけあれば、創造を始める事ができよう」
ここまで来るのにも、けっこう手間がかかりましたね。
これからの事を考えると、気が重いです。
疲れたから、続きは明日にしませんかね。
それでは聖典を書き始める事にしましょう。
はじめに神は天と地とを創造された。
神はエラー無しを見て、良しとされた。
こんな拙い文章にも、ブックマークをつけてくださった方がいました。
よーっし、ヤる気がでてきたぁ。
というわけで。
今後ともよろしくお願いします。