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創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はリトライをする
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創造神様はお出かけする

 ハヴァとリリートゥによる人類史上初の喧嘩は引き分けに終わりました。

 このまま遺恨を残すような事にならなければ、それで良いのです。


「かわいいのう、かわいいのう……」

「……孫馬鹿もここに極まれり、ですね」


 食べ過ぎで動けなくなった2人の代わりに、子供たちの面倒を見ているのです。

 主に創造神様が。


「これこれライリよ、そっちに行ってはならぬ」


 彼女は見た目も中身もリリートゥに似て、活発というか…

 とにかく元気ですね。もりもりと、おかゆを食べて、ぽとんと寝て。

 起きている間は、片時もじっとしている事はないのです。


 インカはどちらかというと父親似ですかね。

 見た目はハヴァに似た可愛い男の子です。興味を引いたものがあると、正体を見極めてやるとばかりに、それを眺めているのです。

 今は創造神様のひげに興味があるようですね。


「ヘルマよ。今回の天地創造は成功したようじゃ」


 へっ? 成功… ですか?

 この箱庭宇宙には恒星と惑星系が一つしかない短命の宇宙ですよね。

 彼らが種として成立したとすれば、いささか拙い事になりませんかね。


「その事であるが…… まず、この地にシンボルツリーを植えるがよい。この地を祝福しよう。神の園に認定じゃ」

「ありがとうございます。じゃあ……」


┃Command ? : CREATE TREE.YGGDRASILL (max(x)/2,max(y)/2,50,10)

┃YGGDRASILLを作成、領域の中心に設置が完了しました。

┃OK


「リモート端末で操作してみましたが、いかがでしょうか」

「うむ、これでよい」


 広場の中心に、一本の木が生えてきました。今でこそ私の腰くらいの高さですけれど、いつの日かこの世界を支える柱として崇められる事でしょう。

 それまで、この宇宙が持てば… ですけれどね。


「それについては、ワシが何とかしよう」

「わぎゃあああ!」


 ……びっくりした。マジでびっくりしましたよ。

 なんちゅー格好をしているんですか。

 ずんぐりむっくりしたコスプレをして。

 まるでロボットというか、私の祖先が超古代に創り出した神像みたいというか。


「これから色々と飛び回らなくてはならぬが、下手に出歩くと神気で天変地異が起きるのでな」

「ここでは起きていませんけれど?」


 なるほど、神気を抑えてくれているのですね。で、忙しいと抑える事を忘れるかも知れない、と。

 御身がつけているコスは、神気を動力源にしているんですか。


「出かける前に、ちょっと腹ごしらえをしておきたいのう」


 リクエストは… いつものオムライスですか。特大でって?

 まあ、いいですけれどね。手持ちの卵を全部使ってしまいましょう。

 といっても、10個くらいしかありませんけれどね。

 それをぺろりと平らげると……


「では、行ってくる」

「行ってらっしゃいませ」


 創造神様はヘルメットを被ると…… どこかに転移して。


 私は創造神様のいなくなった空間を、ぼうっと眺めていたようです。

 ふと気が付いたら、インカは私の手の中でおねむのようですね。


 ふう、よかった。

 もしも金色に輝いていなかったら邪神をかたどった像っぽくも見えますよ。

 インカがそのお姿を見たら、トラウマになるかも知れません。

 でも、あれでもオリハルコンで出来ているそうですからねぇ……


「どうしたのじゃ、ぼうっとして」

「……お出かけになりましたよね、たった今」

「うむ、用事はすべて済ませてきたぞ。それよりも腹が減ったのじゃ」


 ……って、さっき食べたばかりでしょう?

 特大のオムライス。

 あれで手持ちの卵は、ぜんぶ使い切ってしまったのですけれど。


「卵ならあるぞ。これを使うがよい」


 そう言って、創造神様はひとつの卵を渡してくれたのですけれど……

 何ですか、このバカでかい卵は。


 まるでラグビーボールじゃないですか。



 今日の聖典。


 神は東のかた、グ・エディン・ナに一つの園を設けた。

 さらに園の中央には、植物の王となる樹をはえさせられた。

 また、天空の彼方から生きるに必要なものをもたらした。

 昼の空は祝福に満ちあふれ、夜の空では星々は輝きを増した。


 神はエラー無しを見て、良しとされた。

第2章はこれでお終いになります。

申し訳ありませんが、充電のために更新をストップします。

更新再開の時期は、今のところ未定です。

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