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創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はリトライをする
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海のものは美味しい

 ハヴァもリリートゥも、クセつよな性格ですね。

 この前までは、シックスパックがどーやら、くびれがどーとか言っていましたけれど、最近は食べ物についての拘りがすごいですね。

 それはとても良い事だと思いますよ。


「食事は文明のバロメーターと言いますからね」

「うむ、それは間違ってはおらんな」


 って、ひとりで何を食べているんですか。

 地球に行って、カルキノスを捕まえてきたんですか。

 じゅる…… なかなかの大物ですね。で、私の分は? ない?

 あれだけ大きなカルキノスだから、少しは残ると思ったんですけれどね。


 ……そぉですか。


 あれは片手で持ち上げられる大きさではありません。

 8本の足でわしゃわしゃ歩き回るし、両手の先にある2本のハサミは凶悪です。

 ちょっとした貝とかヤシの実だって、ぱきりとやっちゃえるのですから。

 大きさは畑の赤瓜と同じくらいですかね。


 畑に育っている赤瓜は見た目が素敵です。

 鮮やかな緑色に黒いしま模様という独特な見た目に反して、その中身は淡い赤色です。種がたくさんあるのが難ですが、汁気が多くてとっても甘いのです。

 大きいから、みんなで食べてもお腹が一杯になるのです。


 それに比べると、カルキノスはゴツいですね。

 本来なら、どんなに大きくても両手のひらを合わせたくらいですが、何故か大きく育っているのです。

 どんなに大きくなっても赤瓜ほどにはならない筈なのです。


「なぜか大きくなるな。まあ良いではないか」


 美味しいは正義ですか。

 たしかに間違ってはいませんよ。

 間違ってはいないのですけれど……


「……私のカルキノス」

「食べたいなら、いつでも取りに行けばよかろう?」


 その手がありましたね。わかりました。

 じゃあ、ちょっと浜焼きを楽しんできます。

 帰りは3日くらい先になりますかね。

 じゃあ、留守番を……


「待つのじゃ」

「何をなさるんですか? まさか私の身体に…… いだだだだ!」


 音もなくクイックムーブで背後に忍び寄った創造神様は、事もあろうに私の頭を握りつぶそうとしたのです。

 酷いと思いませんか? そうでなくとも最近の創造神様は食べ過ぎなんです。

 そろそろダイエットが必要だと思うのです。


「そんな訳があるか。ワシは食事で肉体を維持しているわけではないぞ」

「分かっていて言ってます」


 はっきり言うと、創造神様や私のような神族にとって食事は必ずしも必要ではありません。思念体が物質をまとっているというか… そんな感じなので、物質に縛り付けられていませんよ。

 割合はさまざまですが、上位の神様ほどエネルギーの割合が多いそうです。


「ヘルマの場合は、どちらかと言うと物質体である。上級神になる頃には……」

「なりませんからね?」

「……それも個人の判断であるな。別に構わぬよ」


 じゃあ、そういう事で地球に行ってきます。

 転移石があるから、本当にお手軽に行き来できますね。

 ええと……


 そう言えば、アダーマー達のいる所の名前が決めていませんでした。


 地球とか地上、アダーマーのところなんて言ってはいますけれど、今回は正式に名前を付けていないのです。

 最初の時はコンピューターの暴走で、すべてをご破算にする羽目になりました。

 次は太陽の活動が、急に活発になったせいで惑星が蒸発。

 そして、今までになく上出来な惑星の生き物は、すべて猛毒の持ち主で……


「今回の天地創造は今までになく順調ですからねぇ」

「それはそうであろう。

 リソースは潤沢にあるし、なにより今までの経験がモノを言っておろう」


 最初からそうしていれば、デキる神として崇めていたかも知れません。

 でも、創造神様ですからねぇ……

 それはいいとして。


 あの土地にも名前を付けてあげなければなりません。


「新たに考えるのも面倒であるな」

「そうですけれど…… グ・エディン・ナで良いですか?」

「楽園という意味であろう? それなら問題なかろう」


 今度で4回目のグ・エディン・ナですからねぇ……


 どうなんでしょ。

カルキノスというのは、星座にもなっている、あのカニの事です。

赤瓜は…… 夏に冷やして食べると美味しいスイカ様なのです。


というわけで。

次回更新は2月11日を予定しています。

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