表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はリトライをする
28/35

何でも食べる強い子よいこ

 わし、アダーマー。

 ヒトとか人間と呼ばれてるだ。

 気がついだら森ん中さ居たんだ。

 でもって、神様とでっかした。

 よーぐおいでなさったなや。


「うむ。元気そうで何よりである」


 いつもニコニコしていて、時々海岸でおっかねーモンを退治してくれる。

 あいつらが陸に上がってくると畑の作物を食い荒らすから、こうして時々来てくれるのはとっても有難いこと。


「あ、神様が来ているんだお。こんちわだお」

「うむうむ、そなたは元気があって良いのう」


 これ、リリートゥ。おめ神様になんて口をきくだ。

 罰が当たっても知んねーぞ。


「そんな事はないお。この前は退治したカルキノスを分けてくれたもん」


 海から上がってきた、いがい怪物のことげ?

 あんなの堅くてかじれねーべや。


「よく焼いてから、硬い皮をはがすと中はとっても美味しいんだお。

 今度はアーダマーも一緒に食べるんだお」


 あのとげとげを喰うのか?

 よっくもまあ、あんなの食べる気になったなや。

 無理しなくとも、畑にも食べるもんがいっぺぇあっぺよ。


「そーねぇ。ゲテモノ食いはあっち行ってちょうだい」

「見た目で判断するのは駄目なんだお。それは差別だお」

「海のものを食べてる時点でアウトなの!」


 ……そう言えば、そろそろ赤瓜が食べられるんでねが。

 あれも皮は硬くてかじれねーけんども、中の赤いとこは甘くてうめーど。

 って、これ。喧嘩なんかしてねぇで畑さいぐべ。


「そうねぇ。海のバケモノなんかより、赤瓜の方がずっと美味しいもの」

「でも、カルキノスも美味しかったお。美味しいのは正義なんだお」

「無理して食べなくても、山に美味しいものはいくらでもあるでしょ」

「新しい事に挑戦するのは悪い事じゃないんだお。ハヴァはヘタレだお」


 あーあーあーあー、だから喧嘩すんじゃねぇって。

 ハヴァもちっとは遠慮したらよかっぺよ。

 神様も言ってたっぺ? 差別すんのはよぐねーど。


「ふっふっふーだ。海で獲れる食べ物だって美味しいんだお」

「この前もそんな事言って、何か食べてたわねぇ。とげとげグネグネしたもの」

「あれはコリコリして美味しかったんだお」


 そう言えば、あのグネグネしたのは干からびて小さくなってたなや。

 ここまで固くなってしまっては、もう食えめぇ。

 カチンコチンになって、まるで石みたいだべ。

 あとで海さ捨ててきたらよかっぺ。


「うーん、なんだか勿体ないような気がするんだお」


 別に構わねーけんども、いい加減腹、減ってきねーか?

 だから怒りっぽくなってるんだっぺ。

 とにかく、何か食べっぺよ。

 お、今度は女神さまでねけ。


「創造神様も来てたでしょ? アダーマ-もご苦労様」

「海でカルキノス食べさせてもらったんだお」

「ねえ、女神さま? あれは食べ物じゃありませんよね?」


 へっ? って顔をしてるでねげ。

 あんまり女神さまを困らせんでねぇ。

 ……ちょっと待ってけれ。

 耳がおかしくなったんでねーかと思ったけんども……


「カルキノスは食べられるわよ」

「えぇえええ?」


 やっぱり神様がやってたみてーに、火にくべるんだべか。

 あんないがい(おおきい)モンはつかめ―るのだって大変だっぺよ。

 やっぱり無理はしねぇ方が……


「別に構わないわよ。次に来た時にでも捕まえてあげる」


 いや、そんな無理をしねーでも、食べるもんはあっから。

 別に遠慮してるわけでも……

 ほら、畑さ行って見てみればわかっけど、腹が一杯になるくらいは大丈夫だど。

 しばらくしたら、芋さ穫れっから


「お芋があるなら、尚更じゃない。一緒に食べたら美味しいわよ」


「アーダマー、こうなったらご馳走になりましょ」

「ほーげ?」


 だは、皆でごちになっとすっぺ。


 差別すんのはよぐねーな。

ううみゅ。アダーマーの使っている言葉は、北関東の古語もどきですが。

評判がいいのか悪いのか……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ