神はアダーマーのぼっちを解消する
ヘルマです。
アダーマーのぼっち解消のために、色々な生物を彼のところに連れてきました。
創造神様、いくらなんでもイソギンチャクはやばいです。
言えば従うから大丈夫? でも、アーダマーに言ったじゃないですか。
生涯のパートナーなんだからじっくりと自分で選べ、って。
「うむ。さすがのワシも、あれに祝福は与えたくないのう。
でも、これが最後の種じゃ。現状ではこれ以上、生物を創っても種としての維持が成り立たぬ。それに手持ちのリソースが底を尽きかけておる。
取り寄せてはいるが、到着はしばらく先になるぞ」
リソースの問題ですか。意外と、見落としがあるかも知れませんよ。
この前の、星のかけらの一件がありますからね。
最悪、天空の星々を持ってくるとか、方法が見つかるかもしれません。
そういう事ですから、ちょっと見回りに行ってきます。
「はぁ…… マジではぁ… じゃ。現状では、新しく種を創造するとかは出来ん。
アダーマーは、しばらくひとりで我慢してもらうしかないのかのぅ。
……ひとりご飯も侘しいもんじゃ。これではまるで砂をはんでいるようじゃ」
ただいま帰りました。お昼ご飯は、召し上がっていただけましたか?
食器は台所に? ありがとうございます。で、全宇宙を見て回りましたが……
「使えそうなモノは残っておったか?」
そうですね。よくもまあ、ここまで徹底的に、使い切ったものです。
それと、天球についてですが、情景パーツとは、よくも言ったものですね。
天の川が、まさかの夜光塗料……
「それ以上は言わんでくれい。……リソースが、無かったんじゃ」
結構、時間がかかりますね。そうそう、見回りに行っている間に考えた事が。
ヒト以前に創造した生き物は、みんなオスとメスがありますよね。
だから、人の場合もメス……
この場合はオンナ? を創造すれば良かったのでは?
「おお、そうか。その手があったか! いやはや忘れておったわ。それで問題解決じゃ。ヒトというモノは、おまえとは根本的に違うのであったな。完璧に忘れておったわい」
それなら、途中まで創りかかったコレは用無しですね。
創造神様の好みが反映されているようなので、と・て・も、心苦しいのですが。
そんな事はない? ベッドの下、引き出しの奥、その他あれこれ。
古典的すぎてコメントすら出せない状況ですが、なにか?
「ま、待て、落ち着け。それは、ほとんど完成して……
そう怖い顔をするでない。おまえだって、黙ってすまし顔をしていれば、10柱のうち5柱は振り返るほどの容姿であろうに。だああっ、あぶっ、あぶない。
部屋の中で、そんな物騒なモノを振り回すなんて、正気の沙汰では……」
わたしだってっ、こんな身体に生まれる事をっ、望んではいませんよっ!
この身体は、意識の底にあったイメージを具現化しただけだ、と言ってましたよね。創造神様も性別については、思うところがあって、良しとされたのでしょうから。
でも、ヒトに種として増えてもらうには、オトコだけでなんて……
究極に不毛な行いでは?
「はあはあぜえぜえ…… 気が済んだか。まあ、ちょっと落ち着こうかの。
ヒトの個体数を増やすだけなら、いくつか方法があったんだが。種としてどうこうというのは考えていなかった…… というのが本音なのじゃ」
たしかにオトコは体格が大きくて、力もあります。力仕事向きですね。
農園の管理にはぴったりです。
オンナは小柄ですし体力もありませんが、パートナーとしては最適では?
┃
┃a:\>XCOPY MAN WOMAN /M/E
┃男から女をコピーする作業が完了しました。
┃
┃……………
┃……………
┃
┃a:\>INSERT BREATH TO WOMAN
┃ヒトに命の息の吹き込む作業が完了しました。
┃
┃a:\>MULTIPLICATION
┃OK
┃
┃a:\>_
┃
なんかあっさりと出来ちゃいましたね。
オンナ? の方も、寡黙そうです。そして、やはり死んだタコのような眼をしてますけれど、これは種としての特徴なのでしょうか。
何か気になりますが、考えていたらきりがありません。
今日はここまでです。
今日の聖典。
神はアダーマーが善く生きる事を見て、考えられた。
男性がひとりでいるのは良くない。彼に似合う女性を作ろう。
神ははじめに土のちりを集められたが、思い直すとアダーマーの身を分けて
女を生み出した。
神はエラー無しを見て、良しとされた。
ふっふっふ…… なぁにか、悪ぅい予感がしますぅぅぅ(笑)
※次回更新は1月28日を予定しています。やっぱり毎日の更新は無理でした。(てへ)




