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創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はリトライをする
22/35

外典:神はヒトに旅をさせる

 ヘルマです。

 創造神様が、色々とお悩みのようです。

 それはコンピューターがビープ音と共に、ひとつのエラーを表示した事から始まります。ビープ音は今までに聞いた事がありません。

 よほどの緊急事態なのでしょうか。



┃warning : Fusion reaction of the sun is increasing.

┃warning : UNCONTROLLABLE of the sun

┃Command ? : _■


「新たに作り直した太陽の活動が、急に活発になったんじゃ。

 このような事はありえん。あれは普通の太陽とは違うのじゃ。

 いわば神様スペシャル仕様になっておるのに」


 創造神様は、マニュアルを調べています。

 時々、変な笑い声が聞こえると思っていましたが、やはり創造なさった世界を見守っていたのですね。なんだかんだ言っても、お優しいことで。


 で、エラーですか?


「太陽の核融合反応に勢いがあり過ぎて、炎が外に噴き出しているのじゃ。

 自動的にコントロールする筈が、うまくいかなかったようじゃ」


 それで、サーバーが直接エラーを出しているわけですか。

 私の方にも出ていますね。宇宙に関わるエラーですか。

 宇宙に何かあったとしても、空気の抜けた風船のように、しぼんで消えてしまうだけでしょう。

 どうせ短命の宇宙だというのなら、消えてしまっても問題は無いのでは?


「いやいや、放っておけば、太陽が大爆発するぞ。充分に大きな宇宙なら、銀河系同士が衝突して、星が四方八方に飛び散ったとしても、さほど問題は無い。

 だが、天地創造をやり直している最中だという事を忘れてはならぬ。

 少しづつ広げてはいるが、いまだに直径数光年という狭い空間なのじゃ」


 最悪の場合は放っておくと、太陽の爆発エネルギーだけで、この宇宙は破裂してしまう? そうなれば他の世界にも深刻な影響が出るのですか…

 それはやばいですね。どうにかしないと、中級神としての立場がありません。


「ふう…… 何とかなりそうじゃ。

 新たに搭載した人工知性体(アポロン)には、十分に言い聞かせておいたから、もう大丈夫じゃろう。そのうちに静かになるであろうよ」


 でもまだ、太陽の活動がヤバイです。かなり活発に活動しています。

 吹き上がった炎が、そのまま宇宙空間に飛び出しましたね。けっこう広い範囲に飛び散りましたよ?

 大きな塊は太陽表面に落ちる前に、近くの惑星をかすめて… 直撃ですね。

 惑星は蒸発しましたか。残念。

 あれは宵の双子星として、人間たちに親しまれてきた星の片割れなんですが。


 人間たちも、あまりにも明るい夜なので、起きてきたようですね。

 明るくなった夜空を見て、不安そうな表情を浮かべているではありませんか。

 でも、大丈夫。今しばらく耐えなさい。

 終わらぬ苦難はありません… てえぇ?


 うわぁ、ヤバいヤバい!

 創造神様ぁ、アダーマー達がバナナ、食べちゃいましたよぉ!

 食べさせたのはリリートゥぅ?

 またおまえかあああ!


 バナナは、数が少ないのよっ! 栽培が難しいんだから。種が出来にくいし。

 あんた達が食べたらすぐに無くなっちゃうじゃないの。

 だから食べるなって言ったのに…

 だーかーらー、言ってるそばから食べるなぁ!


「どうした、ヘルマ… おおおおお、わしのバナナ…… ほとんど喰われているではないか。

 太陽表面の爆発で飛び散った火の粉の処理に区切りがついたので、休憩に来たらこのザマじゃ。

 のほほんと、バナナを食いおって。食い物の恨みは根深いぞ。

 おまえらなんか、食べ過ぎて、おなかが痛くなってしまえばいいんじゃ!」


 まあまあ、創造神様、落ち着いてください。

 バナナのストックなら、食料庫にたくさんありますから。専用に創った特別仕様のストックルームですから、鮮度も味もバッチリです。

 それよりも、近づいてくる炎の塊を何とか…


「ふんっ!」


 …なさいましたね。

 でも、細かい火の粉がいくつか落ちちゃいました。この程度で済んだのなら、不幸中の幸いというヤツですね。北大陸に大きな砂漠が出来ちゃいましたが、些細な問題なのです。

 ほかにいくつか…… 南大陸は火の海ですね。

 最後のひとつは…… あまり嬉しくないですね。

 グ・エディン・ナ直撃コース、迎撃は間に合いません。


「アダーマー達には、神託を通じて命令しておいた。ロック鳥の群れを遣わしたから、今ごろは安全圏に到達している筈じゃ」


 ……気の毒なことで。


 今日の聖典


 神は言われた。

 食べるなと命じておいた木から、あなたは果実を取って食べたのか。

 その事に、わたしは深い恨みをおく。地はあなたのために呪われるであろう。

 神は人とその妻のために皮の着物を着せられると、巨大な鳥に命じて彼等を園から出された。

 神は園の東に、輪を描いて回る炎を置かれたので、かの地への道は閉ざされた。

 神はエラー無しを見て、良しとされた。

想像がついている方もいると思いますけれど、これは創造神たちが2回目の天地創造をした時のお話になります。


それから、来週以降の投稿ペースは、かなり落ちると思います。

同時進行はきつかった……

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