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創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はデキる神?
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外典:蛇は楽園を訪問する

色々な意味で、ディープなモノになってしまいました。


 わし、アダーマー。

 ヒトとか人間と呼ばれてるだ。

 気がついだら森ん中さ居たんだ。

 でもって、神様とでっかした。

 よーぐおいでなさったなや。


「アダーマーよ。ここにあるものは、何をも食べて良い。

 おまえは畑を耕し、家畜を育て、われに供えよ。

 ただし、あそこに生えている樹には、決して触れてはならぬ。

 おまえが、樹になっている果実を口にしたら、死ぬであろう。

 アーダマーよ、あの実を決して口にしてはならぬ……」


 うわ。すーっと消えたべな。

 神様から、いろいろな事をおさーったべ。

 だは、森の中に入ってみっぺかな。

 ……たまげたなや、食べるもんがいっぺぇあっぺよ。

 こんだら、あの実はいんねーな。


 ……………

 ………

 ……


「ねえ、アーダマー。この黄色い果物、いつ見ても美味しそうだお。これだけあるんだから、

 少しくらい無くなってもばれないんだお」


 あーよ、リリートゥ、やんだねーって。神様が喰うんだねえって、言ってたっぺよ。

 いいづけ、守んねーど、おめ、おっちんじまうぞ。


「毎日の畑の雑草取りって、ものすごくキツいんだお。特別なご褒美が欲しいんだお」


『それならば、この実を食べれば宜しいでしょう

 死にはしませんよ。神があなた方に、この実を食べる事を禁じたのは、理由があるのですよ。

 この木は神の国にしか生えていないバナナの木です。その実は死ぬほど美味しいのです』


 おめ、そーただこど出来るわけあんめぇよ。 ごじゃっぺ言ってんだねーよ、このでれすけが。

 おっちんじまったら、どーすんでぇ?

 んで、おめ、なんか変なかっこしてんなや。

 おめ、どごのひとだ?


『これは失礼、申し遅れましたが、わたくしバハムートと申す者でして。この地から見て西にある大海より来たものです。ああ、リリートゥ嬢は、バナナの味見を済ませたようですな』


「バハムートが言ったのは、ホントだお、すごく美味しいお。アダーマーも食べるんだお!」


 んがぐご…… お? 確かにんめーなや…… 

 いんやどうも、これは拙いことになったなや。


『悪事は、ばれなければ、悪事ではない。……そうではありませんか?』


 んなわげあんめ。神様に、ちゃんと話さなげなんねえ。

 人間、正直が一番だっぺよ。


『甘い! それで神があなた達を許すとでも? 完熟バナナよりも甘い考えです。激甘ですね。

 神の報復は、あなたが考えている以上に過酷なものですよ?』


 いやどうも。神様に喧嘩を売ってしまったか。

 天変地異を引き起こせる連中が相手か。そもそも喧嘩にすらならないな。


「つまりは…… どういう事なのかお? わかりやすく簡単に言ってほしいんだお」


『リリートゥ嬢。つまり、こういう事です。おふたりは、神によって滅ぼされる』


 まだ死にたくねーだよ!

 おめ、なんつーモンを食わせただ! この、デレスケ野郎がぁ。

 やっぱ、あの実を食ったら、死んじまうんじゃねーか。

 どーすんだよ!


『まあまあ、アーダマー君。少し落ち着いてください。運命は自らの手で切り開くもの。何もかも与えられて、ぼーっと生きていて楽しいですか? それでは家畜と同じではありませんか?』


 どういう事だ? 運命を切り開く、と、言ったな。


『バナナの実を食べたという事実を、無かったことにしてしまえばよろしい…

 遅かったようですね。バナナの実を食べたことは、神にばれました。

 むいた皮を処分しなかったのは拙かったようです』


「それじゃ、無かったことにするのは無理だお! もうだめぽ! お終いだお!」


『まだ手段はあります。地上に『バナナの木が生えていなかった』事にするのですよ。たとえば、ここら一帯が消えて無くなってしまえば? どうなるでしょう。

 私と、私の眷属なら、その程度のお手伝いは出来ますよ』


 証拠隠滅か。ここが消えて無くなっても、食うには困らんだろう。

 森の外にも世界は広がっているのは、わかっている。

 だが、逃げ切れるのか。


『そのあたりも含めて、私たちが全面的にサポート致しましょう。万事、お任せください』


 ふ… ふはははは。頼もしい。実に頼もしいじゃないか、なあバハムートよ。

 それなら、この忌々しい土地から、とっとと逃げ出すぞ。


東日本の南部で使われていた、言語を使ってみました。

今では、古語に近いような感じですが、名残りはあるらしいです。

これもディープな… え? だめですか?

おほほほほ。

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