神は自分のかたちに人を創造された(その2)
今回は、この1話だけです。
ふぇええ、今になってわかった衝撃の事実。
命の息を吹き込まないと、ヒトは起動できないそうです。
やり方は簡単なんです。
鼻の穴から、ぷうっ、と吹き込めばオッケーです。
「聞いてしまえば、実に簡単なお仕事じゃろう?
ヘルマよ。現地に飛んで、ぷうっとひと吹きするだけじゃ。やってはこぬか?
オトコ? に、なつかれるかも知れぬぞ?」
まさかそんな。ひよこじゃないんですから。
「たしかにあれは、地球に住まう全ての生物を治めるためのモノじゃ。
しかしじゃ。生物としての根本的な所は同じであるぞ。
もしワシが、目覚めて最初に見たものがおまえのような美少女ならば、あれこれ頑張ってしまうやも知れんのぉ。男というモノは、女にイイトコ見せたいがため、必死になって頑張るもの。
そうであれば、目の前の美少女に対して、恋心のひとつも抱こうというモノではないかな」
そっ、そんなぁ。そう、なんですかぁ?
え、でもぉ…… わたし、恋なんて。こんな身体ですし。
一歩間違えれば、お腐れ神の…… はっ!?
……あれはどう見ても死体ですよね。
放置すれば、どうにかなってしまうアレですよね?
台所で、おさかなを捌いた後のアレと同じようなモノじゃないですか。
いーえ、生きていないという意味では同じです。
という事は、創造神様は死霊術を行使なされようとしていますぅ。
ホラーですか? ホラーなんですね。だって死体が動きだすなんてゾンビですよ、ゾンビ。
わたしの創ったグ・エディン・ナにホラーというジャンルを創造なさるおつもりなんですね?
え? 違う?
だって、あのオトコ? は死体じゃないんですか?
命の息を吹き込んでないないから、死体以前のモノ?
情景パーツみたいなモノですか。あ、そういえば、オンナ? も創ったんですね?
こっちの方は… ぐぬぬ。あの造形は完全に創造神様の好みですね。
┃
┃Command ? : MOVE MAN \GARDEN.EDN
┃ヒトをグ・エディン・ナに転送しました。
┃OK
┃Command ? : INSERT BREATH TO MAN
┃ヒトに命の息の吹き込む作業が完了しました。
┃OK
┃Command ? : MULTIPLICATION
┃ERROR: バッチファイルは異常終了しました。 3 個のエラーがあります。
┃
とりあえず、オトコ? と、オンナ? の身体をグ・エディン・ナに転送しました。
同時に、命の息を吹き込んだら、あ~ら不思議。2人とも目を開けました。
おめでとうございます。ところで、彼等の名前はどうしますか?
┃
┃Command ? : RENAME MAN ADAMAH
┃オトコ? をアダーマーにリネームしました。
┃OK
┃Command ? : RENAME WOMAN LILITU
┃オンナ? をリリートゥにリネームしました。
┃OK
┃
「このままでは、ぼーっと生きているだけであるな。ヒトに自我と欲望を授けてやろう」
┃
┃Command ? : CREATE FREEWILL
┃自由意志の作成が完了しました。
┃OK
┃Command ? : ACTIVATE FREEWILL
┃OK
┃
┃Command ? : CREATE DESIRE
┃欲望の作成が完了しました。
┃OK
┃Command ? : ACTIVATE DESIRE
┃OK
「人間に、自我と欲望を植え付けてみた。ほほぉ、目に見えて表情が変わって来たな。動きも良くなってきたぞ。うむうむ、あれなら、遠からずヒトは増えていくであろう」
聖典の続き。まだ、お昼前ですけど、いいですよね。
神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。
ヒトの身体は東のかた、グ・エディン・ナに置き、命の息をその鼻に吹き入れられた。
そこでヒトは生きた者となった。
神は彼らを祝福して言われた。「海と空と地に動くすべての生き物とを治めよ」
夕となり、また朝となった。第六日である。
神はエラー無しを見て、良しとされた。
次回は外典と本編をアップします。
外典はディープですよ?
ほほほほほ。