神は自分のかたちに人を創造された(その1)
ヘルマです。
地上の後片付けで大変でした。完徹ですよ? あー、ねみー
ついでに、地上に活動拠点を創って、スパイスとかハーブを植えました。
うまく育つといいですね。
「おおっ、でかした。これでチキン味から解放されるのか。 ……んむ、拠点とな?」
北の大陸と南の大陸の中間くらいでしょうか、海岸から少し離れたあたりに、良さそうな場所を見つけましたので。事後になりますが、グ・エディン・ナと名付けました。
古い言葉で、楽園とか、理想郷といった意味の言葉です。
「良いのではないかな。グ・エディン・ナじゃったか? そこを見てみようではないか。
ふむふむ、理想的な環境であるな。おおっ、これだけスパイスがあれば、神々の食卓に相応しい料理を並べられるぞ。かの地にシンボルツリーを植えるがよい。かの地は神の園に認定じゃ」
わあ、わたしがやってもいいんですか?
創造神様は、笑顔で頷いてくださいました。ふふふ。なんか緊張しますね……
┃
┃Command ? : CREATE GARDEN.EDN
┃GARDEN.EDNの作成が完了しました。
┃OK
┃
┃Command ? : CREATE TREE.YGGDRASILL (max(x)/2,max(y)/2,50,10)
┃YGGDRASILLを作成、領域の中心に設置が完了しました。
┃OK
┃
うふふふふ。 ……イイ! なんかイイ!
せっかくのグ・エディン・ナですが。
大きな木が一本生えていて、野菜とスパイスの畑だけというのも、ねぇ。
そうだ、木をたくさん植えましょう。
バナナでしょ、イチジクでしょ…… あらあら、もうこんな時間ですか。
楽しい時間というのは、あっという間に過ぎるものですね。
「せっかくだから、創造したヒトも、そこに移動しておきたいのう。神の創造物であるし」
この前の大雨で海に流されちゃいました。今ごろはカニの餌になっているのでは。
「のぉう! せっかく強そうなのを創ったのにぃ」
ウロコとかエラがついている人間って、どうなんでしょうね。
海竜を進化させたら、あんな感じになるんでしょうけれど。海竜は嫌いじゃないですよ?
お肉も野菜も、好き嫌いなく食べる強い子ですから。
過ぎたことは仕方がありませんね。とりあえず、ひと狩りしてきます。
……
………
創造神様の機嫌が直りました。
イノシシ肉入りのオムライスが、よほど気に入られたのか、2回もお代わりをなさいました。
「人類創造は仕切り直そう。失敗したままでは、創造神のプライドに関わるし。
では人類を創造するとしよう。前回のように、海産物を進化させるわけでもない。
地上にありあまる大気や地中から抽出した材料で作る事にするぞ」
┃
┃Command ? : CREATE MAN
┃男の作成が完了しました。
┃
┃■_
┃
やりましたね、創造神様。エラー無しです!
創ったオトコ? を、早く目覚めさせましょう。はりあっぷ、はりあっぷ。
┃
┃a:\>MULTIPLICATION
┃ERROR: バッチファイルは異常終了しました。 6 個のエラーがあります
┃■_
┃
「何か、こう… キーとなる出来事が…… おお、こやつ、まだ息をしておらんではないか」
それでは死体ですね。丁重に弔ってあげましょう。なむなむ。
「ちょっと待て。息をしていないのは、命の息を吹き込んでいないからじゃ。
植物や動物などのように、ぼーっと生きてゆく生物には、創造した時の分で十分じゃ。
しかしヒトは、機能盛り沢山なので、追加で息を吹き込まねばならぬのじゃ」
聖典の続きを書いておきましょう。
神は安息を終えられると、東のかた、グ・エディン・ナにひとつの園を設けた。
また、見て美しく、食べるに良いすべての木や草を土からはえさせた。
さらに園の中央には、植物の王となる樹をはえさせられた。
神はエラー無しを見て、良しとされた。
明日は、外典なしの予定です。




