表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はデキる神?
15/35

神は自分のかたちに人を創造された(その1)

 ヘルマです。

 地上の後片付けで大変でした。完徹ですよ? あー、ねみー

 ついでに、地上に活動拠点を創って、スパイスとかハーブを植えました。

 うまく育つといいですね。


「おおっ、でかした。これでチキン味から解放されるのか。 ……んむ、拠点とな?」


 北の大陸と南の大陸の中間くらいでしょうか、海岸から少し離れたあたりに、良さそうな場所を見つけましたので。事後になりますが、グ・エディン・ナと名付けました。

 古い言葉で、楽園とか、理想郷といった意味の言葉です。


「良いのではないかな。グ・エディン・ナじゃったか? そこを見てみようではないか。

 ふむふむ、理想的な環境であるな。おおっ、これだけスパイスがあれば、神々の食卓に相応しい料理を並べられるぞ。かの地にシンボルツリーを植えるがよい。かの地は神の園に認定じゃ」


 わあ、わたしがやってもいいんですか?

 創造神様は、笑顔で頷いてくださいました。ふふふ。なんか緊張しますね……


┃Command ? : CREATE GARDEN.EDN

┃GARDEN.EDNの作成が完了しました。

┃OK

┃Command ? : CREATE TREE.YGGDRASILL (max(x)/2,max(y)/2,50,10)

┃YGGDRASILLを作成、領域の中心に設置が完了しました。

┃OK


 うふふふふ。 ……イイ! なんかイイ!


 せっかくのグ・エディン・ナですが。

 大きな木が一本生えていて、野菜とスパイスの畑だけというのも、ねぇ。

 そうだ、木をたくさん植えましょう。


 バナナでしょ、イチジクでしょ…… あらあら、もうこんな時間ですか。

 楽しい時間というのは、あっという間に過ぎるものですね。


「せっかくだから、創造したヒトも、そこに移動しておきたいのう。神の創造物であるし」


 この前の大雨で海に流されちゃいました。今ごろはカニの餌になっているのでは。


「のぉう! せっかく強そうなのを創ったのにぃ」


 ウロコとかエラがついている人間って、どうなんでしょうね。

 海竜を進化させたら、あんな感じになるんでしょうけれど。海竜は嫌いじゃないですよ?

 お肉も野菜も、好き嫌いなく食べる強い子ですから。

 過ぎたことは仕方がありませんね。とりあえず、ひと狩りしてきます。


 ……

 ………

 創造神様の機嫌が直りました。

 イノシシ肉入りのオムライスが、よほど気に入られたのか、2回もお代わりをなさいました。


「人類創造は仕切り直そう。失敗したままでは、創造神のプライドに関わるし。

 では人類を創造するとしよう。前回のように、海産物を進化させるわけでもない。

 地上にありあまる大気や地中から抽出した材料で作る事にするぞ」


┃Command ? : CREATE MAN

┃男の作成が完了しました。

┃■_


 やりましたね、創造神様。エラー無しです!

 創ったオトコ? を、早く目覚めさせましょう。はりあっぷ、はりあっぷ。


┃a:\>MULTIPLICATION

┃ERROR: バッチファイルは異常終了しました。 6 個のエラーがあります

┃■_


「何か、こう… キーとなる出来事が…… おお、こやつ、まだ息をしておらんではないか」


 それでは死体ですね。丁重に弔ってあげましょう。なむなむ。


「ちょっと待て。息をしていないのは、命の息を吹き込んでいないからじゃ。

 植物や動物などのように、ぼーっと生きてゆく生物には、創造した時の分で十分じゃ。

 しかしヒトは、機能盛り沢山なので、追加で息を吹き込まねばならぬのじゃ」


 聖典の続きを書いておきましょう。


 神は安息を終えられると、東のかた、グ・エディン・ナにひとつの園を設けた。

 また、見て美しく、食べるに良いすべての木や草を土からはえさせた。

 さらに園の中央には、植物の王となる樹をはえさせられた。

 神はエラー無しを見て、良しとされた。



明日は、外典なしの予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ