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創造神のリサイクル事業  作者: 水瀬 悠希
創造神はデキる神?
12/35

神は大空と海に住まう者をを創られた(その3)

 ワシ、創造神。

 ヘルマを地上に遣わしたら、わずか10分ほどで帰ってきおった。

 今は、隅の方で結界に籠っておる。

 ……まあ、放っておけばそのうちに出てくるじゃろ。


 何があったかのぉ。たしか、あのあたりに送り込んだはず……

 あたり一面に、色々と散らかっておる。ほほう、食肉植物と格闘したのか。

 とくぞ食われなかったものよ。 ふむ、カニもいたのか。カルキノスにしては大きいのう。

 あれを持ち上げるのにクレーンが要りそうじゃ。

 あの堅い殻を粉砕とか、いつものヘルマからは考えられぬ膂力じゃ。


「……お風呂に入ってきます。覗いたら…」


 やかましい、イカ腹の分際で色気付きおって。

 風呂は沸かしてあるから、とっとと身体を流してこんか。

 回復ポーションを飲むのを忘れるでないぞ。


 ………

 ……


 おお、ヘルマか。さっぱりしたようじゃな。

 それで、下界はどうであったかな。

 素晴らしい出来栄えであったじゃろう?


「たしかに、すんげー世界でしたよ。見たことが無い生き物がたっぷりです。

 海の中では触手の塊の群れが、巨大なクジラやタコと出会いがしらに大喧嘩。

 陸地では歩き回る食肉植物とかが闊歩していて、鳥に喧嘩を売ってましたよ。

 この調子だと、虫とかもヤバい事になっていそうですね」


 ふむん。

 ヘルマは自覚していないようであるが、素手で闘うような事があっても、なかなかに強い。

 それに、魔法も使えるようにしてあるからのう。

 以前に創った世界の住人達の基準からすれば、達人級のツワモノと言うてもよいほどじゃ。


 とはいえ、ワシでも予想していなかった生物が一気に出現しているのも事実。

 可能性の総当たり進化、とでも言うべきであろうか。

 やつらの異常進化は、生物兵器じみてきておる。


 万が一、知性のカケラでも身に付けようものなら、大変なことになりかねん。

 そうなったら、あれを地球の外に出すわけにはいかぬ。

 いちおう、バックアップだけは取っておくとしようかの。

 この容量ならば、手持ちの記憶結晶に入るな……



┃Command ? : BSAVE "E:Messiah.BIN",&H……

┃OK

┃Command ? : _■


 これでよい。

 かつてどこかの世界の賢者が『まめなセーブはゲームを救う』と言ったが、名言であるな。

 ここまで順調だったから、バックアップを取るのを忘れておったわい。

 まあ、よいか。


「お昼ご飯のオムライス、まだ食べてなかったんですか? 冷めますよ」


 んっ? ああ、すまんのう。ようやく区切りがついたのでな。

 さっそく食べるとしよう…… ぶふぉっ!


 野菜を細かく刻んだものしか入っていないではないか。

 さっき地球で狩ってきた食肉植物?

 毒抜きは済ませてあるから大丈夫とな? ふ、ふふふふふ。

 ヘルマよ。ちょっとOHANASHIしようか。


 ……………

 ………

 ……


 下界の生物バランスが、良くない方向に傾いておる。

 今更、手を加えようにも、あれでは手を入れる事もできぬ。

 かと言って、放置だけは絶対に許されぬ。うむむむむ……

 うがーーーーーーーーー


「ちょ! 創造神様、何をするおつもりですか!?

 それ、星のかけらじゃないですか。あの時に片付けたんじゃないんですか?

 わかってます。創造神様の掃除って、四角い所を丸く拭くって感じですから。

 隅の方にでも残ってたんですよね。

 って、地球にぶつけたぁ?」


 星のかけらとはいえ、直径10キロくらいの小さなモンじゃ。

 当たっても大した事にはなら… なっちまったのぉ。

 大地震と津波と… わはは、火山が噴火しまくりじゃ。

 こりゃあ、ちょいと派手じゃのう。


 陸上生物は半分くらい、海洋生物のほとんどが死滅する程度か。

 まあ、この程度なら気にすることもあるまい。

 これで生物バランスが整うであろう。

 めでたくもあり、めでたくもなし、じゃな。


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