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non-fiction「ただの実話」  作者: タダノ狐
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序章「小説の書き出しは…」

この話に出てくる人物、団体名などは実際に存在する人物、団体とは無関係です。


この話はフィクションです。

「・始めに

この小説は数年前に消息を絶った小説家、有野博之が残した手記をもとに、物語風に仕上げた小説である。

有野氏は2018年9月30日現在も発見されておらず、この手記の内容からもこの地で息を引き取った可能性が高い。

私は、有名小説家が体験した激動の数年をこの地で書き、彼の地に伝えられることを祈る。」



 ※   ※    ※   ※


2014年4月14日


俺は天才小説家、なんて言えたらいいなぁと常々思う。

確かに、なかなか面白い小説を書くことができたしそれを世間で評価もしてもらえた。


だが、俺自身が満足しない小説しか書くことができない。俺の小説を読んで感動したと手紙をくれる人、特に訂正も無しに「これで行きましょう」という大手出版社の編集長、毎回新刊を出すたびにまとめサイトを作って、今回もクソだったと愛のある罵倒をくれるアンチども、ありがたい話だが全く持って興味がない。

いや、ちょっと待て、最後の奴らは控えめに言って死ね。


 俺は小説家として飯を食いたいわけではない、自分が読んで面白いと思える最高の小説を書きたいだけなのだ。飯が食えるのはその副産物でしかない。


 なんて、カッコつけてみたのは良いものの実際小説家として飯を食ってるのは間違いではないので仕事をするしかない。


 ただ、ずっと机に向かって文字を打ち込んでいても煮詰まるだけなので気分転換にコンビニに食べ物と飲み物を買いに行こう。

 歩いて15分ぐらいなので散歩にはちょうどいいだろう。


 コートを着て外に出る。

この時期は昼はだいぶ暖かくなっているが、現在時刻は午前1時なのでかなり冷えこむ。

 東京都新宿区は眠らない街だが、この中途半端都会では馬鹿が起きる時間である。

 つまり、俺はただの馬鹿だということ。

 高校に入学してから速攻で親元を離れ、一人暮らしをしているので生活リズムが崩れがちになる。

 それから、一人暮らしをすると両親のありがたさが身に染みてわかる。

 親を大事にしない人たちはとりあえず一回親元を離れた方がいい。

 

 そんな、益体のないことを考えて歩いていると、もうコンビニの目の前だった。

 

 「いらっしゃいませ~」


 深夜特有のやる気の無い挨拶を聞き流し、店舗の飲み物コーナーでポカリ、おにぎりコーナーで梅とツナマヨを引っ掴むとレジを済ますと店を出る。


 この時間に、17歳の子供が出歩いているのが不思議なのか店員が若干驚いていた……いや、これはあまりにも成長しない身長と姉によく似た女顔のせいだろ。

大方、深夜に中学生ぐらいの女子が来たとでも思ったのだろう。


 帰り道もあと残り少しというところで、ふと後ろから視線を感じた。

 途中まで一定の保っていたが暗がりに入った途端に距離を詰めてくる。

 気のせいとは思えないほど、濃密な気配に思わず足を止め振り返った瞬間、腹部に熱を感じた。


「な、ん——―――――ッ!!」


熱さの原因を確認しようと、下を向くと腹には何かが刺さっており、そこから赤いなにか(・・・・・・)が流れ出ていた。


「―――お、お前が悪いんだ!!俺は悪くない!!お、お前がぁぁ」


確実に気が動転しているとわかる声音で、俺を糾弾して自己弁護する声。


「や、やったぞ!!お、俺はやったんだ!」


あっ、俺刺されたんだ。それでこれは血か…

思ったより出血してるな、1/3くらいで死ぬんだっけ。俺の体重は45kgくらいだからもうダメかなぁ

後、お前めっちゃ成し遂げたみたいな声出してるが全然何も成し遂げてないからな…


気が動転している相手の声を聞いて、逆に自分が冷静になる、アレを被害者と加害者の間でも起きることを立証したが、どうせ伝えることもできないので大人しく目を瞑る。


それにしても、この相手の声どこかで聞いたことあるな…誰だっけ??








…死ぬ前にツナマヨだけでも食べたかったなぁ


久しぶりのなろうだぁぁぁぁぁ

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