情報収集
町に着いた。町の通りにはいろんな店が並んでにぎやかだ。店を見てみれば、食べ物屋、本屋、雑貨屋などがあり、路上にはアクセサリーなどが売ってるワゴンがある。
ちなみに、あの後どうなったのかというと、事態に気づいた王国最強の魔導士ユミエールが転移魔法とやらでやってきた。事情聴取をしてオリバー一向を拘束し転移魔法で王国へ連行していった。
(とりあえず情報収集をしないといけないな。しかしこの世界の言葉は話せても字は読めないな。仕方ない。)
「クラウンさん、この町にある最大の図書館に連れていって欲しい。それと、読み書きも教えて欲しい。」
「ああ、了解した。」
この町にある最大の図書館には、合計5万冊の本があった。それは歴史書だったり専門書、小説などジャンルに富んでいた。読み書きに関しては幸い物覚えが良い方だったから1時間程度で覚えた。
そしてその図書館に籠ること半日、大体の情報は一通り覚えた。
まずこの世界の法則について説明しよう。この世界には科学文明の他に魔法文明がある。先ほど言った転移魔法も魔法文明の技術だ。しかし魔法と言ってもそこまで自由なものでもない。この世界の魔法は科学や物理の範囲内でしか使えない。
(ん?待てよ。ユミエールは転移魔法を使って来たんだよな。・・・つまりテレポートって可能なのかよ!!いや、神の粒子と呼ばれるヒッグス粒子で転移装置を作れる可能性があるというニュースを聞いたことあるが 、マジで作れるのか。)
ちなみにハリー・ポッターであるような呪文詠唱はない。それと魔法は人間は使えない。何でも大気中から魔力を吸収し魔法として変換するための器官が無いかららしい。じゃあ誰なら使えるのか。次に種族について説明しよう。
まず俺やクラウン、あとオリバーが属している種族、人間。特徴は高い知能と学習能力。次にユミエールが属するエルフ。特徴は尖った耳と、唯一魔法を使える種族。次は人狼、特徴は俊敏性。種族の中では最速と言われている。あとはケモミミってとこだ。次は鬼人、特徴は腕力。この世界に生息する魔物、鬼が特殊変異した姿らしい。容姿は人間に近い。最後に吸血鬼、もとより鬼ではなく人という認識だが。特徴は血を吸うことで能力が一時向上するらしい。こいつも容姿は人間に近い。この5種族がこの世界では上位の生命体だ。そして最大の謎、なぜ言葉が通じるのかについては簡単なことだった。生きている者なら同じ概念にたどり着くようだ。この世界は日本語と全く同じ言語と英語と全く同じ言語で統一されているようだ。他にも中国語やヒンディー語もある。それと、この世界の名前についての概念は苗字の方は無いらしい。
「どうだ、情報収集できたか?」
「はい、おかげさまで。それと俺の名前そろそろ決めとかないか?いつまでも君と呼ばれるのは嫌だし。なんならクラウンさんが付けてよ。」
「私が付けるのか?そうだな、アレクサンダーというのはどうだ?人民の守護者という意味だ。」
(アレクサンダー…確かドイツ語だったな。意味合いとしては良いが長いな。しかし意味が良いから採用だな。)
「うん。その名前をもらうよ。ありがとう。」
「こちらこそだ。それと今日はもう遅い。明日は朝早くから出発するからもう休め。宿はとってあるから案内する。」
その後クラウンに宿に案内され休んだ。