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魔女と下僕と使い魔と  作者: 黄昏の罅
11/11

11.ギルドの誕生

ギルド爆誕( ー`дー´)キリッ




「本当にそれでいいのね?」



再度確認する。



「はい。俺達全員の意思です。お願いしますっ!!」



次の日に来ると、彼等が望んだのは

『私の元で働かせて欲しい。どんな事でもする。』

だった。



「それは、私が今と同じ任務を望めば貴方達はそれに従うって事だよ?」


「はい。俺達は救われたんです。心から敬愛する人の為なら命だって惜しくない。……やっぱり迷惑ですか?」



返事をせずに考え込んだ私を心配そうに見る。



「そんなわけないでしょ?今考えているのは貴方達の『道』。ねぇ、全部で何人いるの?」


「えーと、シリウス兄ちゃんを入れて100人です。」


99。使い魔になっちゃったシリウスを抜いて私を入れて丁度100。それなら


「ねぇ、ギルドを立ちあげようか。全部で10の分野を作って、それぞれの得意分野ややりたい事の役職に付く。どう?」


我ながら名案。


「いいんですか?お、お願いします!」


「あの……もし、僕が『復讐したい』と言ったら怒りますか?軽蔑しますか?」



さっきから浮かない顔をしている子達はこういう事か。



「復讐、ねぇ?ふふ、あははっ!イイじゃない。それで、今までの貴方達と決別よ。私はいい子じゃないの。復讐が悪なんて絶対に言わないわ。やりたいようにやればいい。貴方達の人生は貴方達の物なんだから」



「ッッ!はい!」


それなら、


「今から貴方達に『加護の付与』を行います。もし、私の元を離れるのなら撤回するからね?裏切ってもいいけどその時は命はないと思いなさい?」


「魔女のねーさん。裏切る筈ないよ!」

「俺達だって、恩ぐらい感じるんだぜ!」

「そうよ!一生ついてくんだから!」



「ふふふ、ありがとう。まずは皆やりたい事を教えてくれる?」



それから、半日ほど話し合った。

そして、出来たのが


《黎明に叫ぶ自由への咆哮》

ーギルマス 私、シスル・サテライト


1.戦闘の《剣》ツルギ 戦闘任務

ー25人 男:レグルス


2.守衛の《要》カナメ 防衛任務、護衛

ー15人 男:アルファルド


3.回復の《光》ヒカリ 怪我の回復

ー5人 女:リリウム


4.陽動の《刃》ヤイバ 陽動、敵の無力化

ー10人 男:ペテルギウス


5.諜報の《影》カゲ 潜入、追跡、捕縛

ー5人 男:アルタイル


6.情報の《声》コエ 情報収集、噂の制御

ー15人 女:ハイドランジア


7商業の《流》ナガレ 商売、物の流通

ー5人 男:フォーマルハウト


8調薬の《支》ササエ 回復薬、毒薬の作成

ー5人 女:アイリス


9護衛の《鏡》カガミ バレないように護衛

ー5人 女:フリティラリア


10.指示の《標》シルベ

ーー9人の分野に特化した各部隊のリーダー


だ。《シルベ》は、年長組で能力が高い人達。大体16~17歳くらい。



「じゃあ、付与するよー」


まず、全員に

無限収納、気配察知、能力促進に盟約の鍵。

全ての能力がワンランク落ちるが、他の人とは比べ物にならない。

盟約の鍵は少し改良して、今後作る予定の『ギルドハウス』に入れるようにするものにした。

あとは、各分野に必要な能力を各人に渡して終わり。



「よし、終了!能力が把握出来たら、自由よ。近いうちにギルドハウスを作るから待っていて。完成したら、私達の『家』よ。それまでは伯爵から『徴収』したお金で好きにするも良し、ギルドの準備をするも良し。しばらく自由にしていて。」



「「「「「「全ては我が主の御心のままに。」」」」」」



「え、なにそれ。かっこいいんだけど」


「へへっ、ご主人がギルドの詳細作っている間に皆で考えました。」


「かっこいいから、採用。」


「いいのか、それで。」


「……しーちゃんこそ、久しぶりに喋ったのがその一言でいいの?」


「くっ……!」



駄犬シリウス(駄猫?)に軽く突っ込んで流す。



「よし、いい事考えた!皆、やり直しね!」



そう言って息を吸う。


「何人たりとも、私達の邪魔をすることは許さない。これは黎明に叫ぶ自由への咆哮だ!さぁ、往け!我が『翼』達よ!」



「「「「「「全ては我が主の御心のままに!!!!!」」」」」」



次の瞬間。そこにいた99人は霧のように消えていた。


「皆ノリがいいなぁ。それに、あげた能力使いこなすの早くない?」



さっきあげたばかりなのに。

恐らくは能力促進で元々非常に高かった隠密や、身体能力が跳ね上がったんだろう。


「嬉しいんだろ。やりたい事をやってもいいと言われたことが。出来ることが。」


「そーゆーもんかね。まぁ、よし。とりあえず城に行こう。急がないと、ここを潰したのがバレて交渉材料に出来なくなる。」


「……全ては我が主の御心のままに。」


「シリウスも案外それ気に入ってるでしょ?」







これは、いづれ『始まりの魔女』と『不敗の傭兵団ギルド』と呼ばれる者達の邂逅。

物語はまだまだ始まったばかりだ。

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