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すべてに
答えなんかない。
そう思ったのは去年のことだった。
変わりのない日常に飽き飽きしていたのかもしれない。
いや、変わりを作ろうとしていたのかもしれない。
夕暮れ時。私は高校から帰宅していた。
それは非常に汚い夕暮れだった。
血塗られたような酷く汚い空に、私は嫌気がさした。
いっそ、なにも見えなくなればいいのに。
そう思った。
帰宅する前に高台に雲を見に行く。
何かが変わるはずもなく、作られた程度の世界に、
「最初の」
あの日の事を思う。
雑音と金属音と金切り声と断末魔と嗚咽と恐鳴と錯乱と……。
こんな何も無い世界に
私1人
なんて……