表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

第8話目━━それを略すとYMS!

人間の食せるものはなんでも食べれるネコテンの、とらが猫専用の飲み物しか飲まない理由は、


「味が微妙にマニアックだから」


らしいです。

好みの角度が繊細なんだな。


「じゃあ、にゃも、天界におつかいに行ってくるね」



今日は梅雨の時期だから、雨が降っている。

黄色いレインコート(猫用)を着用した猫の天使、ネコテンの“とら”は、あたし人間の女の子“万織(まおり)”に、家の玄関まで見送ってもらっている。



「うん!いってらっしゃい!」


笑顔で手を振るあたし。


「お迎えに上がりましたぜ とら。」

なぜなのかとらを天界と人間界の行き来させる(運ぶ?)、役目をおっているのは、相変わらずシャリオッド━━通称シャリオ君なのでした。



あ、言うの忘れてたね。ちなみに、羽はみんな生えてない。



人間の姿そのものと同じ風貌なのだ。守護天使さんも。格好は、


「シャリオ、白い襟つきシャツにジーパン姿多いよな。白いシャツの中は黒か紺のVネックシャツだよな。にゃもも、そのセンスは良いとみてる。似合うよな、万織!」


「うむ。てかシャリオ君、スタイル良いよね」


「褒めてもなんもでねーぜ!」明らかに嬉しそうな表情で、左手を腰に手をあて右手で『グッド!!』の形にする、シャリオ。なぜかバチコーン☆と片目をつむる。



ネコテンは、「ヤングミートソース」というタレみたいなソースを摂取しないと、天使としてのちからが出ず、飛べにゃい。その他もろもろの猫の天使としてのちからも、これがないと湧かない。


ヤングミートソースを買いに、天界に行くんだってさ。



「あー。しっかしまー、ヤングミートは、どんな味なんだ?とら」


シャリオ君がとらに問う。


「ああ、なんかな、味お肉だ。ハンバーグ食べてるみたいな感じ。油加減は、普通だ。」

「とらのいう普通って、どういう基準?」

シャリオがまた問うた。

とらが答える。

「油の量=ツナ缶<ケントッキー<フュミチキ

正論だろ?ちなみに、ツナ缶の油は、にゃもきらない派だ。」

きれよ。心のなかで万織は密かにツッコミを入れた。

「ケントの肉もフュミリーマートの肉も、同じじゃねぇ?」


私が否定する。

「いいや、フュミマのチキンは、放っておくとすごい油出るから、ケントッキーより少しだけ油吸ってるんじゃないかなー。」


「ケント放っておくと、どうなるんだろうな?」

「さぁ?」

「にゃも、お腹すいてきたー」


ぐぎゅぐるるるぅー


とらの小さなお腹が破壊的な音を出した。



「ヤングミート、買いに行ってくるか。あ、万織も天界来るか?ついでに」


「……そんな商店街についでに寄ってくかのように言わないでください。」

天界!?行ったことねーぞ。


「俺の商店街は天界にあるからな。同じ感覚だ」


「万織も行こーよ!」

とらが万織を手で招く、が、黄色いレインコートの帽子がだんだんとさっきからずり落ちてきてて、とらの視界はフードに妨げられた。


「あっっ、天界来ちゃった!なんかここ雲のなか?なあシャリオなんで雲のなかなんかで止まってるんだ?夢?これにゃも実はずっと寝てて、寝オチ!?」


シャリオは腕を組んでとらを見下ろし笑いを堪えている。

「……っ!ふ、くくっ」


「とら、ここ雷様の黒雲のなかだよ。あたしもシャリオ君に天界連れてってもらうことになってね、今とらの横にいまーす」



「おーい!おいおいおいおい!なにやってんすか!!ドS二人組!とらをいじめなーい」


げ。タンペランス氏登場。みられた!


「シャリオはまあなんとなく分かる図だが、万織までだとは思わんだ……」


とらのレインコートのフードを上げてあげて、とらの視界を広げるタンペランスさん。


「にゃにっ!?どゆことだ!?」


周りを見渡し、キョロキョロするとら。


「可哀想にとら……」


タンペランスさんがとらを抱き上げる。


「よーしよしよし」


「え?なんかタンペランスの様子がおかしい……」

冷や汗浮かべるとら。


「とら、レインコートについてる帽子が顔の前に落ちてきたんだよ。……じゃ、タンペランスもみかねて人間界に姿現したことだし、買いものしにちょっくら、天界行こうか万織!」


押忍(おす)!」



じゃあ、どうやっていくのか分からんが、ちょっくら天界行ってきます。











つづく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ