第6話目━━スピリチュアル全開まで、待っててね!(笑)
ちなみに。
これ大事よ。
この物語にでてくる主人公の、「紅塚 万織」とは。
この作品を書いている本人、私とは同一人物ではありませーん!!
どうして、名前同じにしてしまったのか……。
未だに謎だ。
「率直に、言わせてもらうね」
テーブルの上には、青と茶色と深い緑色たちの錦織の袴を着た白い髪の品のある綺麗な男性がミニマムサイズで座っていた。
その袴を着たインナーさんは、高さは直径やく28㎝といったところか。
「この怪しいひとは、━━コンキスドラスと呼ばれてるこの人は━━ラヴィを敬いタンペランスを可愛がる……が、シャリオの敵だ」
「えー??」
「はっはっは。シャリオ君、今日もいい面してて結構。」
「このハゲ!」
「━━シャリオ……誤植を生んだから訂正しようね」
タンペランスさんがあきれがおで言った。
「えーっ!?コンキスドラス、髪移植したん!?」(彼に敬われているラヴィ)
「誤植だよ誤植!誤りに植えるでごしょく!彼は事実上禿てはない。」(彼に可愛がわれてるタンペランス)
「では、本題へ移ろうかな。」(そして彼自身)
「なんかコンキスドラスさん傷ついて泣いちゃってるけど!?」(あたし)
「聞かねーよハーゲ」
「えっ!?そういや、コンキスドラス髪型アシメ(アシンメトリー=左右非対称)じゃん?あの青い部分て移植したん!?」
「あっ、そうかぁー、なるほどー。だからあそこだけ紺なんだーあ。って、ちがーう!ボケるの禁止ですよラヴィ!」
「ラヴィはー、そろそろ万織とお話がしたい」
「そうそう、そういえば髪の毛は"移植"では無く"増毛"ですよ。あ、」
あたしの部屋のドアを開けてこちらを見て少し微笑むコンキスドラスさん。
「私、帰りましょうか?」
「ああ。よろしく頼む」(シャリオ)
「万織ー、疲れたねー今目の疲れを癒すねー」(ラヴィ)
「あっ、お帰りになられる?」(タンペランス)
「あ、ああ……」(コンキスドラス)
「まてい」
とらがコンキスドラスさんの足元に寄り、悲しい声の彼に声をかけた。
「結局のところ、おまえ何者なんだにゃ?」
「紫姫も気になりますみー」
「あ、ああ猫ちゃあーん」
泣きはしないものの、心の感情があふれでたコンキスドラスさんは、とらと紫姫ちゃんを手で撫でた。
「シャリオくんと、敵ってどういうことなんですか?」
あたしも彼の近くに来て、聞いてみる。
「シャリオはな……私に、騙された。ことがある」
「ふっふふー。私が教えようか!」
「ラヴィ、今は少しおとなしくしてましょうよ」
「だって、言いづらいことって、ノリが必要じゃない!?だから、一番ノリいいらしいわたしが答えるべきやで!」
「シャリオくん、もうそれ許してるんだよね?」
あたしがシャリオくんにおずおずと聞いてみる。
「許したことにはしてるが、いかんせん感情的には怒ってまーす。」
「なんでかな?感情がそんな感じじゃあ、あたしの守護に影響がでるしさ、あたしの守護天使なんだからあたしの身体にもなにかしら怒りの感情が……てか、異変が……健全なひとより少しばかり異変がさ……ねえ」
「確かに、守護天使の感情面は、そのついてるひとに影響がでてくるな」
とらが言う。
「……じゃあ。」
コンキスドラスさんは、青い貝殻のついた杖をシャリオに向けて、こう言った。
「君に、返すよ。運命の相手。」
え??
運命の相手を君に返すよ?
杖をもとに戻し、咳払いをした。
「私はね、好きな相手をとられないように、シャリオ君の恋人を『契約書』を書かせて、万織殿に会わないシナリオに仕向けた……最低だろう?でもな。」
…………。
「あのときは、こう思った。『あのとき出会ったら二人は恋に落ちる。それも、最悪な勘違いの果てに』。だが。今は安心している。『今会えば、真実の恋をするだろう』、と。━━シャリオ、嘘を、私はひとつついていた。」
「なんだよ?」
「私は、あの子に、恋なんてしてない。ただ、万織殿と出会ってしまうからその守護天使のシャリオ君と会わせるべきではないと判断したから、あの契約書を書いてもらったのだ。」
「ああ、それ私、知ってるー」
ラヴィが思い出したかのように言った。
「な、なんかさ……」
あたしはここで嘆く。
「あたしのせいでシャリオ君、怒らせてたんだね」
「ちげーよ!」
「ただ、学びが必要だっただけです。現に、こうしてさっきコンキスドラスさんが言ったように、万織は試練を乗り越えて運命のひとと再会する切符をてに入れました。喜びましょう!」
「いえーい!やったー!結婚線は嘘つかないー!」
シャリオ君が否定してタンペランスさんが諭してくれた。そしてラヴィが歓喜した。
「シャリオ、雨降ったか」
とらが足元に来てシャリオに問う。
「どしゃ降りだぜー。地面は、多分明日の夕方乾く。」
「雨降って地固まれ。」
「おう。サンキュ」
ちなみに現実の天気模様は晴れだ。
どしゃ降り、とはシャリオ君およびそのあたしの運命のひととの想いや出来事━━の、ことだろう。
ピンポーン。
一階の玄関のベルが鳴った。
お母さんがおでかけから帰ってきた!
「では、運命の相手とまた会えるように、強いていえば結ばれるように、契約書、破棄しておこう。」
一枚の紙を、あたしの部屋のシュレッダーにかけた。
テーブルの上でこの動向を見守っていたインナーさんが、あたしの丹田部分にヒュンッと風になって入ってきて、部屋に戻った。
「玄関行ってくる!」
なり続けるチャイムのもとへ、あたしは行き、鍵を開ける。
右後ろかわから、ラヴィの声がかすかに聞こえた。
『この会は、もう終わったよ。また任務に戻るね。運命のひと、楽しみだね!』
任務とは、万織を守護するのにつく、ということだ。
心のなかで「おっけー」とあたしはラヴィに言い、お母さんと台所に行ったのだった。
とらくん、お利口にして待ってたかなー?
そういうお母さんに、とらは疲れた様子でこう言った。
「にゃも、ピーマンの肉詰め食べたいー」
今夜はピーマンが食卓にならぶかもしれない。
つづく。