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第2話目━━万織は私と同一人物じゃないけどモデル

「なぁ、万織ぃー」


靴を履きドアを開けて外へでようとしているあたしを、とらは床から見上げる。


「いってくる。」

「今日も、なんとかなるにゃ」

「そだね!ばーい」


外へ出る。

あたしはデイケアに通っているから、平日の昼は確実に家に居ない。





そして、15分後、電車に揺られながら、あめ玉をなめている。


音楽でも聴こう。

イヤホンを耳につけて、ヒーリング音楽を聴く。












━━━━━━━━。

透き通った繊細な女の子の歌声が、

「るるるーりら、るるるりるらー♪」

チャルメラの音楽のメロディーを連続して口ずさむ……という、そんな歌(?)を聴いてるうちに、三つ目の駅に到着。



まったり、のんびり。が、売りのこの小説、この先の動向が気になるね。





そんなこんなで。


デイケア着いた。








━━━━━━━━で、(需要ないのでここんところオールカット)



帰宅後。






「万織ー、おかえりなのらー!」

「ただいまなのらー」





階段を上がって、自分の部屋に入る。


丸い小さな茶色い木製のテーブル(ていうか机みたいな。)の前に正座し、一息ついた。


猫的な雰囲気の感じ、突・入。





「さっきな、行きの電車のなかで、とあるものを見つけて、一句できたんだ。」

「にゃー!?なんだなんだ??」


足元に

小さいおじさん

しがみつき

「この辺カーブが

多いね」と言う



「あっ、また小さいおじさん見たんだな。今日も良いこと、あったか??」


「あったぞあったぞ。」


「なんだなんだ??」


「宝くじ当ったりー!!」


そう言って、テーブルの上に当選した宝くじの券を、ハズレ券も含めて10枚置いた。


「にゃも!にゃも一句できたぞ一句!こいつは、自信がみなぎっている。」


「えーとね、この上から3枚目のが、300円。そんだけー」





涙がな

両のお目目から

出てくんだ



「まさかのー、ジョブチェーンジ!結果を……残酷な結末を知ってしまったんだバージョンに、まさかのジョブチェーッンジッ」

とらは、丸い小さいこのテーブルの周りを、5周マラソン大会したあげくのはてに、水の入った猫用のボトルをチューチュー飲み、ゼエゼエと息を切らす。


「本当はな、その残酷な末路を万織が告げる前にはな、こーんな一句を、閃いていたんだー。」



宝くじ

きっと結果は

3億円



「…………(静止)」(万織)

「アルアル!こうゆうのを、民はアルアルと言うらしいぞ。……っあっ!『こういうの、確かにアルアル~!アルヨネ~』ってな感じなんだ!」


「そうアルね」

「!?万織、なんで今 中華人民共和国!?」

「とらの純粋さにはついていけないあたしが居る」

「似てるなぁ、にゃもも万織の(こく)さには━━ひどいではなく“こく”な部分がミソだが━━、ついていけないにゃもが居て、」


気が少し変わったあたしは、猫じゃらしをとらに振ってみる。

「例えばそれは今日の夕暮れで、こうして万織が遊んでくれるんなら、」

とらは猫じゃらしの先端についてるスマイリーちゃんのプラスチックを両肉球で掴み、

「にゃもは、ありがてぇ」



「最後だけなんか酒のんでたか!」

あたしはツッコミを入れて場を収拾した。



気まぐれで気分屋な虎猫と、猫みたいな人間のあたしが一緒に居ると、展開がいちいち、媚びないというのかなんというのか、人目を気にしない自由度の高い展開になる。




外が肌寒くなるまえに、坂道の下のすぐちかくにある宝くじ売り場に行き、

とらと300円を交換してもらい、

その300円でまた宝くじを買おう。



夢が続くほうが、そっちのほうがぜったいワクワクとドキドキで、楽しいな。

ワンコインでお釣りのくる程度のマネーなら、とらとまた自由なやりとりができるのはお高いくらいだぞ。



そして、どうせ結果は残酷な━━、



「……あ!!当たった!すいませんお姉さん、これ、交換してください!」

「にゃーあ!3等だ!」

「はーい、ありがとうねー、また御越しください♪」


「「に、にせんえーーん!!」」


目をキラキラとあたしととらは輝かせる。う、嬉しいな。今夜は大漁だ。


「なに買おうー」

「ピーーーマンッピーマン買おうにゃもピーマンが良い!」

「えー!!?宝くじ3等当たってピーマンん?!」

「えっじゃあ、あのタッパーより一回り大きいやつ買おう!」

「そういう作戦セコいな!でもそんなんじゃピーマン増えないと思う!」


あたしととらは商店街を一周してからその先にある家に着こう、と自然に意気投合していたが、意見はなかなか合わなかった。

だが内面はとても楽しく、あたし達は商店街を進みながら宝くじ売り場をあとにするのでした。



…………



つづく。

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