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第11話__映えってる天使。

みなさん、映えってますか?私は、映えってます。





(笑)

天使っていう褒め言葉があることをご存知でしょうか。赤ちゃんも、天使みたい!ってよく言いますよね。その延長線で、しょうか。可愛い声の女の子だったら、中学生でも天使♥️らしいです。ちなみに、それは声を投稿するアプリで発見した現代の若者のコミュニケーションです。

「○○ちゃん、まぢ天使♥️♥️」……一度言ってみたい青さです。

俺はシャリオ君だ。


いきなりなんだ!と思うか。

思うだろ?


今回は俺が語り部なんだ。


楽しみにしておけよな!




「シャリオ君、インスタ映えしなきゃ、ほらインスタ映え。この赤いバラの花を一輪、こうやって口にくわえて。おーっ!そうそう。いいねぇ。インスタにアップしよう」


「って、いてぇよ!!」


バラの花を万織に無理矢理くわえさせられたから、口から血が出そうなくらい痛い。

口を手で触ったらギリギリ赤い液体はついていなかった。


セーフだぜ。


世はインスタグラムにはまる若僧が急増しているよな。

かくいううちんちの万織さんも最近はまっているらしく、よく撮られる。


「ハッシュタグハッシュタグ……#私の天使#守護天使のシャリオ#バラ#イケメン」


「………………うん。」


明らかにハッシュタグの文字面(もじづら)が異をきたしているのがお分かりだろうか。


私の天使のシャリオでイケメン……。

まあ俺的にはイケメンという言葉は嬉しいし、いいねもたくさん来るらしいので、世の中でいう、イケメンの部類に俺は入るということなのだろう。


それは良いよ。

だがな、天使って、「言い過ぎ」じゃん。天使って、ステキすぎる気に入った対象に言う言葉にも捉えられるじゃん、ってか、その意味しか今の日本に浸透してないじゃん。


大丈夫なのか、万織。(と、俺)




ラヴィも被害者の一人だ。


「ねぇ、ラヴィ~!今日はツーショット撮ろう!」


「やだよ~。またどうせハッシュタグに#天使 とか#守護天使 って付けるんでしょ~。恥ずかしいしヤバい人だって!」


ラヴィの言う通りだ。


「そうだぞ万織、天使ってハッシュタグ付けられて地球の地上のスマホに、全国に発信される身にもなれよ。」

もう恥ずかしい想いをするのはごめんだ!


「えー。いいじゃんー。天使のハッシュタグで検索するとさ、天使の置き物とかイラストも確かにあるけど、天使のように可愛い赤ちゃんやキラキラしたものや美しいものもあるからさ、あながち浮いてはいないのだよ。」


「…………そうか。」

「そうなんだ。」


無理矢理感のある納得をさせられたラヴィと俺だった。


「あっ!すごーい。いいねがたくさん来るよー。コメントも来るんだけど、『まさに天使ですね』とか『モデルですか?』って来るよ」


「天使だよ。」(俺)


「……うっ、うん、天使天使!」(ラヴィ)


「でしょ?だから本当のことを言ったまでだよ。」


誇らしげな万織。


そして明日もどうせ撮られるんだろうな。

ハッシュタグは天使で。


まあいいや。


「なあ、お主らなにを映えっておるのだ」


とらがきた。


「にゃもも全国的にデビューしたい。」


「そうだ!とらのムービーを録ろう!」


「それはダメー!天界のネコテンを知られたら、コンキスドラスに叱られるー!!」


「えー、ダメなんだー。じゃあ、写真だけ。はーい、とら、この苺両手で持ってー!」


「美味しそうな苺だな。持てばいいのか。アイドルだなにゃも。」



…………。

「確かに、猫が両手で苺を持つ図はなかなか撮れないんじゃねえか?」


「にゃも、スゴいな。猫にしては優秀だな。」


「目線くださーい」


「こ、こうか?」


「おいおいシュールだな。」


万織さん、急に低い声で素に戻るな。








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