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村の危機

 今日は、いつもより早く目が覚めた。

 まだ日も昇っておらず、食堂が開く時間まで暇なので、昨日の調合の続きをやる事にした。


 ──まず創造する木の実だが、MP100で木の実一つなので、作ろうにも2個しか作れない。

 なかなか、効率が悪い。

 そこで俺は、MPが増加する木の実を薬学知識(極)から調べ、それを創造する事にした。



 【魔力の木の実(M)】

 食べるとMPが5〜10ランダムで増える。

 魔力の木の実には(M)、(攻)、(防)の三種類存在する。



 といった感じだった。


 ──まず、二つ魔力の木の実(M)を創造する。


 そして食べるとMPは24/240となっていた。


 16も増えたみたいだ。

 ひとまずは、このまま自然回復で待つ事にする。


「朝の訓練には少し早いけど、村の中でも少し走るかな」


 そのまま部屋を出た俺は、鍵をし宿を出る。

 宿の外で軽く身体をほぐし、村の中を走りだす。

 走っていると、農作業に行く村人達とすれ違い、軽く挨拶もしている。

 まあ、朝の挨拶は基本だよね。


 そして一時間程走り込んだ俺は、そろそろ食堂も開いてる筈なので、宿へと戻る事に。


「女将さん、朝のお湯とタオル貰っていいですか?」


「はいよー! すぐ持って行くから、部屋で待ってておくれ」


 それから、部屋に届いたお湯をタオルで濡らし、汗を拭いていく。

 そして、食堂へと向かい、朝食にはサンドウィッチを注文した。

 相変わらず涙が出そうになる程美味かったが、グッと堪える。

 そんな朝食に俺は、かなり満足していた。



「あ、おっちゃん。この辺に雑貨屋ってある?」


「雑貨屋なら、うちの隣の隣がそうだな。村にしては結構品揃えも豊富だぞ」


「隣の隣ね。ありがとう、おっちゃん」


「おうよっ」


 ニカッとおっちゃんは笑う。

 これが、可愛い子だったらなと思いつつも、朝食を食べ終えた俺は雑貨屋へと向かう。



 雑貨屋に着いた俺は、中で色々と見ていた。



 初級回復薬:2000メル

 初級魔力回復薬:5000メル

 解毒薬:2500メル

 煙玉:1500メル

 

 他にも、生活用品など色々と売っていた。

 初級回復薬はあるけど、中級回復薬は置いていなかったので、カウンターにいる四十代くらいの店主に聞いてみる事に。


「すいません、中級回復薬は置いてないんですか?」


「うちの店は色々あると思うけど、流石に中級回復薬は置いてないねぇ。中級以上となると、街や王都でないと基本手に入らないね」


 なるほど。中級回復薬は高価なので、村に置いても買う人がいない為、置いて無いって事か。


「なるほどっ、ありがとうございます。後、これ下さい」


 俺はそう告げ、新しく買った歯ブラシやタオルなどの生活用品を1500メルで購入し、雑貨屋を後にする。


「まいどありっ」


 ──雑貨屋を出ると、何やら村の広場に人が大勢集まっていた。

 俺は気になったので、広場へと向かった。

 広場からは何やら、動揺した声や不安な声が多々聴こえてくる。


「──んで、村の裏山で狩りをしてた時に発見したんだが、オークの集団がいたんだ! 目視しただけでも、ざっと三十体はいたと思う! 村長、早急に冒険者ギルドに依頼を出さないとっ!」


 広場の真ん中で弓を持った狩人の中年の男性が、村長に訴えるように説明をしていた。


「皆、落ち着くのじゃ! ひとまず、冒険者ギルドのある街まで、馬車を早急に飛ばすのじゃ! 一日もあれば、着くじゃろう! それから、冒険者が此方に来るまで、また一日掛かるのじゃ──それまではこの村を、皆で守りきるのじゃ!」


 まあ、確かに二日間耐えればいけそうだが、オークは少なくても三十体はいるのに、それをたった村人四十人程度で守りきれるのだろうか?


 その内の半数は年老いた人や、子供なのに。

 それにしても、オーク三十体以上か。

 かなり経験値も良さそうだし、ここはいっちょ俺が狩るか。


「分かった! 至急、馬車を冒険者ギルドに──『ちょっといいですか?』って、なんだこの忙しい時に?」


 皆、慌てるように動き始める中、狩人の男に話し掛ける。


「オークの集団てどのあたりで見ましたか?」


「この地図を見てみろ。この印の場所があるだろ? ここにオークの集団がいる。間違っても裏山へ行こうとするんじゃないぞ」


(なるほど。ここが裏山の入り口だから……あの辺りか)


「そろそろいいか? 俺は今から冒険者ギルドへ馬車を飛ばさなきゃいけないんだ」


 大体場所は把握したし、いっちょオークを全滅させて来るか。

 オークがどれ程強いか分からないが、多分なんとかなるだろう。


「ええ。ありがとうございました」


 俺は礼を言い、地図の印の場所へと向かって行くのであった。


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