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ティルム村

 俺は今、街道をひたすら歩いていた。

 二時間程歩いてただろうか。

 その時、初めて馬車が通ったので、御者の人に俺は声を掛ける。


 「すいません、少し道を尋ねたいんですが……この近くに、村や街などはありませんか?」


「ん? 君は、冒険者かい? そのわりに、冒険者にしては随分と薄い格好をしているね」


「冒険者ではないのですが、旅をしておりまして──どこかに、村や街などがないか歩き廻ってたとこなんですよ」


「荷物も持ってなさそうだけど、それで旅をするのは危険だよ? それに村なら、この道を真っ直ぐ進めば【ティルム】と言う村があるから、そこで休むといいよ」


「ありがとうございます。早速その村に向かってみますね」


 俺は、気のいい御者さんにお礼を言い、教えてもらったティルム村へと向かう事にした。


 30分程歩き、ティルムの村にようやく到着した俺は、ひとまず宿に行き部屋を取る事にした。


「あのー、今日泊まりたいのですが部屋は空いてますか?」


「いらっしゃい! 一人部屋なら一泊3000メルだよ」


「なら、一人部屋の三泊でお願いします」


 俺はそう告げ、9000メルを支払う。


「はい、確かに! 朝と夜にお湯の張った桶と、タオルを持って行くから、それで身体を拭いておくれ。後、あそこが食堂だから、お金を払えばいつでも食べれるからね」


 如何にもTHE・宿屋のおばちゃんだな。


 女将さんから説明を受けた後、俺は部屋の鍵を貰ってすぐ、食堂へと向かった。

 食堂の方は、木の四人掛けテーブルが四つとカウンターがあり、俺はそのままカウンターへと座る。

 異世界に来て初めてまともなご飯を食べると思うと、少しソワソワするな……


「すいませーん! 注文いいですか?」



 すると、厨房の方からガタイの良いおっちゃんが、カウンターへとやって来た。

 女将さんの旦那さんかな?


「あんた見ない顔だな? 今日この村へ来たのか?」


「はい。旅をしている途中に、ここに村があるって教えてもらったので」


「はっはっは、そうかそうか! あんたも、その歳で旅をしてるなんて、やるじゃないか! 俺も若い頃は──」


 ってな感じで、話しが長かったので、俺は言葉を遮り注文をした。


 「あの、すいません。お腹も空いてるんで、本日のオススメってやつ下さい」


 メニューを見てみると、どれも美味しそうで迷ってしまうので、お腹も空いてるし、本日のオススメを選んだ。


「んっ? ああ、少し話しが長くなったな! んじゃ500メル先払いだけどいいか?」


「はい、どうぞ」


 そう言い、俺は500メルを渡す。

 それから5分程で本日のオススメが来た。

 テーブルの上に、ビーフシチュー、パン、サラダが並べられていく。

 そしてビーフシチューをスプーンで掬い、口へと運び食べる。


「………………ぅぅ」


 俺は日本にいた頃、こういった料理は日常的に食べいた。

 当時は、この味が当たり前だと思っていた。

 しかし俺は、この一週間味付けのないキノコと肉とリンゴしか食べていないのだ。

 そんな俺が、今ビーフシチューを食べている。


……言わなくても分かるだろ?


「お、おいっ、どうした!? まさか……不味か『いや……余りにも、美味すぎて……』そ、そうか」


 俺は涙を擦りながらも、そのままビーフシチューを平らげていく。


 パンは少し固かったが、ビーフシチューにつけて食べると、味が染み込み、柔らかくなって、これはこれで美味かった。


「あんた、今まで一体どんな飯食ってたんだ……」


 おっちゃんはそう呟いていたが、今の俺には、食べるのに夢中でその呟きは、聴こえる事はなかった。


「──ご馳走様っ! おっちゃん、本当美味しかったよ」


「こっちこそ、涙流しながら食ってくれたのはお前さんが初めてだよ」


 ははっと、苦笑しながらも俺は礼をし、部屋へと戻った。


 既に日も暮れ始めていたので、俺は身体をお湯で濡れたタオルで拭き、そのまま魔力操作の訓練をしていた。


 魔力操作とは、魔法を扱う職業に就くと誰しも覚える。


 そして魔力操作のレベルが上がれば、魔法使う際の加減が上手くなるのだ。

 例えば、回復魔法を使うとMP5減るとする。

 魔力操作が上手くなると込めるMPが増える。

 込めるMPが多いと言う事は、その分威力も当然多くなるという訳だ。


 ──俺の魔力操作の訓練は、指先から魔力を流し、それを数字に変えていくと言う方法だ。

 レベルが低い時は、結構苦労したが、今じゃ楽に数字を変える事が出来る。


 魔力操作の訓練も一通りし、スキルレベルは上がらなかったが、次は調合のスキルを上げようとする。


 今現在、俺は調合レベル6。


 調合3から5までの間は、中級回復薬を合成し、レベルを上げていた。

 5から6までは、中級回復薬じゃ経験値が少ないので、調合5で作れる<中級魔力回復薬>で上げていた。



 【中級魔力回復薬】

 飲むと、使用者のMPを30%回復する。

 また対象に掛けることにより15%魔力を回復させる事も可能。


 素材1

 初級魔力回復薬+魔力茸


 素材2

 中級回復薬+魔力茸


 魔力茸は一つでMP40も消費するので5個程しか中級魔力回復薬は作れなかった。

 しかし今日は、前回作った中級魔力回復薬でMPを回復しながら調合しようと思う。


 俺はMP200を消費し、魔力茸を創造する。

 そして、中級回復薬と魔力茸を五個合成したが、まだやはりスキルレベルは上がらなかった。

 現在、十本の中級魔力回復薬があるので、それでMPを補充する事にする。


 とりあえず一本飲んでみたが、味はやはり苦かった。


 HP:132/132

 MP:81/215


 おお〜! これを繰り返せば調合7も目前だ。

 

 俺は、魔力茸を2個創る。


 そして合成する。

 また、二本の中級魔力回復薬を飲み、MPを回復する


HP:132/132

MP:150/215


 魔力茸を、三個創る。


 そして合成。



 ──すると、ステータスを見ると、職業レベルも15になり、新しく【器用増加(小)】を習得した。


 更に、目標だった調合レベルも7に、やっと到達したのだ。


「よしっ! ダブルでレベルも増えたし、これで木の実シリーズを創れる」


 俺は早速、中級魔力回復薬を三本飲みMPを回復させる。


「遂に、この時が来たな……さぁっ、いでよっ! 力の木の実よ! 我に力を──」


 などと、木の実が創れる興奮から、変なノリになりつつあるが、ちゃんと力の木の実は創造出来た。


 そしてMPを見ると、消費したのはたったの100だった。


 この世界に木の実シリーズは、ほぼ存在しないみたいなので、物凄くMPを使うと思っていたが、案外妥当な消費量で、俺は内心ホッとしている。


 そして俺は、森で拾った木の実と創った木の実の二つを食べた。


 ステータスを確認すると5も物攻が増えていた。


「ひとまず、今日はこれで寝るか。続きはまた明日だな」


 俺はそのまま、日課のヒールでMPを使い切り、今日も一日を終えたのであった。


 名前:アラン 性別:男 15歳

 職業:薬師Lv15 ※サブ職業:僧侶Lv12※

 HP:138/138

 MP:219/219


 物攻:48

 物防:43

 魔攻:47

 魔防:47

 敏捷:50


 <固有スキル>

 薬学創造魔法


 <スキル>

 薬学知識〔極〕 調合7 薬品合成 魔力操作5 無詠唱 狙撃2


 <パッシブ>

 MP増加(小)

 器用増加(小) new


 <回復魔法3>

 ヒール

 キュア

 プロテクション


 <装備>


 <加護>

 最高神の加護


 <異空間倉庫(ストレージ)

 190500メル

 初級回復薬×39

 中級回復薬×16

 中級魔力回復薬×9

 バームウェルムの知識×1

 食料

 生活用品


 【器用増加(小)】

 ごく稀に調合したアイテムの品質に☆が付く。

 ☆が付いたアイテムの効果は元のアイテムより少し高くなる。

 ☆は最大3個。

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