そろそろ、森から出ます。
──異世界へ来て一週間が経った。
俺は毎日、採取と魔物狩りをしながら、調合や魔力操作などの訓練をしていた。
神様の加護の恩恵も有り、かなり早いペースで職業レベルやスキルレベルも上がっている。
因みに、今現在のステータスはこんな感じ。
名前:アラン 性別:男 15歳
職業:薬師Lv14 ※サブ職業:僧侶Lv12※
HP:132/132
MP:215/215
物攻:41
物防:41
魔攻:45
魔防:45
敏捷:48
<固有スキル>
薬学創造魔法
<スキル>
薬学知識〔極〕 調合6 薬品合成 魔力操作5 無詠唱 狙撃2
<パッシブ>
MP増加(小)
<魔法>
回復魔法3
<装備>
<加護>
最高神の加護
<異世界倉庫>
200000メル
初級回復薬×39
中級回復薬×26
中級魔力回復薬×5
力の木の実
バームウェルムの知識×1
食料
生活用品
魔力操作は5に、狙撃は2に、調合は6になった。
もう少しで、ドーピングが出来るようになると思うと、ニヤニヤが止まらないぜ。くっくっくっ
僧侶のレベルが10になった時に、初のパッシブスキル【MP増加(小)】を覚えた。
素材の創造でMPはかなり消費するから、MP増加のスキルは本当助かる。
後は、寝る前に回復魔法をしていた成果もあり、回復魔法もレベル3へと上がっていた。
そして、極めつけはなんといってもこれであろう。
【無詠唱】
呪文の詠唱を破棄する事が可能。
但し無詠唱で発動した魔法の威力は10%下がる。
これは恐らく、俺が回復魔法を詠唱無しで使い続けた結果、習得したのだと思う。
バームウェルムの世界において、魔法の発動はイメージが重要である。
なので、イメージを固める為、基本的に詠唱を必要とするのだ。
因みに、詠唱は人により多種多様。
俺の場合、傷が塞がるイメージを頭で思い描きながら、回復魔法を発動している。
だが無詠唱を覚えた今、頭で思い描く必要がないのだ。
威力は若干下がるが、かなり使い勝手のいいスキルではないだろうか。
──とまあ、今の俺はこんな感じかな。
そして、異世界へ来て一週間が経った本日。
俺は、この森を出る事にした。
理由は至極単純。
魔物が弱くてレベルが上がらないのと、良い素材もないので、調合レベルも上がりづらいのだ。
なので俺は今、小屋内の荷物を異空間倉庫へと納めていた。
「さてと。荷物も纏めたし、これで準備万端だな」
忘れ物はないか、異空間倉庫内の荷物を確認していく。
「忘れ物は……うん、大丈夫だ! んじゃ、そろそろ行くとするかな」
それから俺は小屋を出ると、この森を突っ切る事にした。
二時間程走り、ようやく俺は森を抜け、舗装された道が見えてきた。
だが、周りを見るが、誰もいない。
「アニメならここで、盗賊に襲われそうな貴族や王族を助ける筈なんだけどな……」
流石に現実は、小説やアニメの様にはいかないよな。
「これ、どっちに行けばいいんだ……仕方ない。この木の枝が倒れた方に進んでみるか」
俺は、そんな思いつきでどちらへ向かうか決め、歩いて行く事にする。
せっかくの異世界で、第二の人生を送るんだ。
何をするにしろ、楽しまなくちゃ損だよな。