薬学創造魔法でスキルレベル上げ
チュンチュンっと、小鳥の囀りが聞こえる。
目覚めた俺は、グッと背伸びをし、湖へと向かう。
眠気冷ましに顔を洗い、シャカシャカと歯を磨く。
そして、朝食のリンゴに齧りつく。
「今日は森に行く前に、少し調合でもしてみるか」
俺は今作れるアイテムを、薬学知識の中から調べていく。
すると初級回復薬と言うアイテムが作れる事が分かった。
薬草と水で出来るので、湖の水と薬草を小屋の中にあった すり鉢の中に入れて、『ゴリッゴリッ』と、磨り潰していく。
するといい感じに、緑色になった液体が出来たので、小瓶に入れて鑑定してみる。
【初級回復薬】
HPを10%回復する。
また傷口に掛ける事で、小さな裂傷や打撲などを治す効果がある。
俺は少しどんな味が気になったので、飲んでみた結果。
物凄く苦かった。
まあ、我慢出来なくはないがただ苦かった。
これは要改良だな……
──そして、昨日採取した残りの薬草10個を、全て初級回復薬へと調合していく。
すると、調合レベルが2に増えた。やはり、専門職と加護の恩恵からか、すぐにスキルレベルが上がった。
また、調合2に上がった事で、創造出来る素材や薬などが増えた。
「よしっ、いい感じだな。調合スキルのレベルも上がった事だし、そろそろ素材の採取とレベル上げにでも行くか」
──そして、小屋を離れ森の中へと向かっていく。
森の中では、採取をしながらゴブリンを倒していく。
レベルが上がったお陰か、ゴブリンは石は投げると一撃で倒せるようになった。
(なんか酷いけど……まあ仕方ないよね)
☆
──それからの俺は、昼頃まで採取やゴブリンを倒し、 昼食には木の枝に刺して焼いたキノコとリンゴを食べた。
今の現状、森での生活は食事がキノコとリンゴのみなので、どうにか改善したいな。
(あぁ……。肉が食いたい…)
昼食を食べ終えた俺は、また日が暮れるまで採取とゴブリンを倒していく。
今日の成果は、昨日採取したものと同じような物しか獲れなかったが、薬草は14個も入手した。
また、ゴブリンを倒しているお陰で、レベルも少しだけ増えていた。
──だが帰路の途中、初めてゴブリンではない魔物と遭遇したのだ。
早速、その魔物を鑑定してみた。
ウルフ
Lv:5
HP:46/46
MP:0/0
物攻:11
物防:7
魔攻:0
魔防:6
敏捷:21
「ガルルルルルッ」っとこちらを威嚇している。
流石に狼だけあって、敏捷は高い。
俺はそんなウルフを、ジッと様子を伺っていた。
──すると、ウルフは「ガァアッ」と吠えながらこちらに猛スピードで走ってくる。
確かに早いが、避けきれない程でもない。
俺は半身を反らし、狼の噛みつきを躱す。
「ほらよっ!」
躱すと同時に、石を握った手で狼の横腹を思い切りぶん殴る。
すると狼は、そのまま物凄い勢いで吹き飛んだ。
木に衝突した狼は骨が折れており、既に息はない。
自分の身体能力の上がり方に少し驚きはしたが、それよりも別の意味で俺は今、猛烈に興奮している。
「やっと肉が食える! 帰り際に、まさかの思わぬ収穫だっ」
──そう。
念願の『肉』だ。
これで少しは、食料事情はマシになっただろう。
俺は狼を異空間に収め、意気揚々と小屋へと戻って行く。
──小屋へと着いた俺は、狼を料理包丁でなんとか解体し、肉を切り分けた。
俺は生まれて初めて、生き物を解体したが、かなりグロかった。
(……出来れば、もう二度としたくはないな)
なんとか解体し終えた俺は、まずキッチンへと向かう。
フライパンに肉とキノコを入れ、炒める。
ただそれだけの料理だが、肉の焼けた匂いに、食欲が唆る。
いざ実食っ!
☆
(うまいっ! ただ焼いた肉なのに、こんなに美味いなんて…)
味付けがないので、ほとんど肉の味しかしなかったが、焼きキノコなんかより遥かに美味かった。
(……腹も膨れたし、そろそろ調合でもするか)
今日採取した薬草を使い、全て初級回復薬に調合していく。
しかし、ステータスを確認してみたが、スキルレベルは上がっていなかった。
でも、俺には調合スキルを簡単に上げる手段を持っている。
──薬学創造魔法だ。
MPが尽きるまで薬草を創造し、それを調合していく。
そうすれば、俺の調合スキルのレベルは増え続けるって訳だ。
俺はひとまず、ステータスを確認してみる。
名前:アラン 性別:男 15歳
職業:薬師Lv9 ※サブ職業:僧侶Lv9※
HP:93/93
MP:109/109
物攻:26
物防:26
魔攻:31
魔防:31
敏捷:32
<固有スキル>
薬学創造魔法
<スキル>
薬学知識〔極〕 調合2 魔力操作1
<回復魔法1>
ヒール
<加護>
最高神の加護
<異空間倉庫>
200000メル
初級回復薬×14
バームウェルムの知識
食料
生活用品
森の中を探索して所為か、敏捷が1だが増えていた。
そして、これだけのMPがあれば、薬草なら結構作れるだろうと思い、俺は薬草を創造してみることに。
すると、目の前にパァーッと眩い光と共に、薬草が現れたのだ。
そしてMPを確認してみる。
HP:93/93
MP:99/109
と表示されていた。
ふむ。薬草1個はMP10消費か。
そして俺は、初級回復薬を創造してみる事に。
HP:93/93
MP:79/109
初級回復薬は、20消費するみたいだ。
この能力があれば、金に困る事は無さそうだな。
その後、残りのMPで薬草を7個創造した。だがMPを大量に消費したせいか、少し目眩がする。
目眩がする中、合計8個の薬草を使い、初級回復薬を調合していると、途中で調合スキルのレベルが3に上がっていた。
これで調合スキルはいつでも上げる事が可能だな。
そして俺は、残りMP:9を使い切ろうと思い、自分に回復魔法を掛けようと思う。
何故かって?
それは、アースガルドの知識には、こう載っていたからだ。
※MPが0なると、魔力枯渇を起こし倒れる。
※ステータスは、訓練でも上昇する。
俺はこの二つを結びつけ、恐らく魔力枯渇がMPを増やす為の訓練ではないかと、考えていた。
(……まあ実際に、試して見るしかないよな)
そして、俺は全身の筋肉をほぐすイメージをする。
発動するまで少し時間が掛かるが、少しは身体の疲れが取れた気がする。
そして、回復魔法でMPを使い切った俺はそのまま意識を失い、ベッドへと倒れこんだのであった。