ダンジョン突破
3/8一部内容追加しました。
「リアラ、止めだ」
「うん! てやあっ!」
俺とリアラはあれからダンジョンに潜り続け今では九階層にまで到達している。
七階層と八階層では、リアラ一人での魔物との戦闘は厳しくなっていたが、俺が回復魔法で支援しなんとか突破できた。
しかし九階層の魔物は八階層の魔物と個々の強さはあまり変わらないのだが、圧倒的に数が多くリアラ一人では対処しきれなくなっていた。
「はぁ、はぁ、さすがに九階層は数が多すぎて疲れるな……」
「ええ……でもお陰で、随分とレベルは上がってるみたい」
九階層では、レベル25から30の魔物が20体以上の群れで行動している。
最初はリアラに止めを刺す余裕は無かったが、俺もかなりのレベルが上がっているので、今では20体以上の魔物に襲われても全て無力化出来るようにもなった。
そのお陰で手加減スキルも習得し、本気で攻撃してもHPが1だけ残るという、なかなか便利なスキルも覚えたのだ。
「リアラ、そろそろ最下層のダンジョンボスと戦おうと思う」
「そうね。私は、それで構わないわよ」
「んじゃ、少し休憩したら一気に最下層へと向かうか」
それから10分程休憩し、俺達はそのまま最下層へと向かった。
最下層に着いた俺達は一本道を進むと大きな扉が見えてきた。
恐らくこの中にダンジョンボスがいるのだろう。
「リアラ。ヒールで回復したら、これを飲んでおいてくれ」
俺はリアラに中級魔力回復薬を一本渡す。
「これ、回復薬?」
「ああ。ダンジョンボスだし何が起こるか分からないからな。少し苦いけど、我慢してくれ」
「うん、わかった」
俺とリアラは顔を渋めながらも、中級魔力回復薬を飲んでいく。
これで準備は万端だな。
「それじゃ、行くぞ」
「うん!」
そして俺達は扉を開け中へと入った。
部屋の中央には、明らかに今まで出会った魔物よりも圧倒的な存在感を放つ魔物がそこにいた。
そして俺はそいつ鑑定してみることに。
名前:マンティコア
Lv:50
HP:1350
MP:200
物攻:165
物防:140
魔攻:80
魔防:115
敏捷:155
<スキル>
威圧 毒針
<パッシブ>
身体強化(中)
敏捷増加(小)
毒耐性 (大)
マンティコアはライオンの様な体躯をしており、尻尾はサソリという異形な姿をしていた。
それにしても、さすがダンジョンボスだな。
今ではの魔物とは明らかに格が違う。
だがレベルの上がった今の俺の方がマンティコアよりステータス値は高い。
毒針さえ気をつけていれば倒せない相手ではないだろう。
「リアラ、いつも通り俺が突っ込むからサポート頼むな」
「うん、任せて!」
そう言うとリアラは、最近習得した防御魔法プロテクションを俺に掛ける。
リアラには新しい魔法を覚える度に俺のイメージを何度も教えた甲斐もあり、今では若干時間は掛かるが詠唱無しでも魔法を詠唱する事ができるようになった。
俺はリアラのサポートを受け、魔闘気を発動しマンティコアへと全力疾走する。
「グルォオオオオオオッ!」
俺を目標に決めたとばかりに咆哮すると、向かって来る俺を迎撃しようと鋭く尖った爪で切り裂いてくる。
確かに速い──が避けきれない程でもない。
「オラァアアアッ!」
避けると同時に俺は勢いの乗った胴回し回転蹴りをマンティコアの脳天目掛けて放った。
もちろん手加減スキルは発動しており、鑑定してみると残りHPは1と表示されていた。
明らかなオーバーキルである。
「グルルゥ……グォオオオオオッ」
マンティコアは最後の力を振り絞るかのように、尻尾を振り回し突き刺してくる。
俺はそれをただひたすら避けていた。
「リアラ、今の内に止めだ!」
「わかった! ──せやあっ!」
そしてリアラはマンティコアの元へと向かい、ブロンズメイスを振り下ろす。
するとマンティコアは唸り声と共に光の粒子となり消滅し、そこには宝箱と硬貨の入った袋が置かれていた。
袋の中には20万メル入っており、宝箱の中には薬品の様な物が入っていた。
「ん、なんだこれ? 薬品?」
透明の液体が入った薬品をひとまず鑑定をしてみることに。
【生魂薬】※調合9※
使用者のスキルレベルをランダムで1上昇する。
素材1
赤竜の肝+合成獣の核+死蠍の生き血
マジで!?
スキルレベルもドーピングできるの!?
「ねぇ、アラン? これなに?」
「ん、ああ。生魂薬って言って、スキルレベルをランダムで1上げる事が出来るみたいだな……」
「ぇえ!? なら、またここのボスを倒せばこの薬手に入るんじゃない?」
「いや、ダンジョンボスって言うのは初めて倒した人にしかアイテムはドロップしないみたいなんだ。だからもし俺達がまたここのボスを倒したとしても、もう手に入らないんだよ」
アースガルドの知識によると、ダンジョンの多くの魔素が集まり、それが集合体になる事によって魔物となる。
また、ダンジョンボスは初突破者のみ報酬をドロップするみたいだ。
「そっか。なら、もう倒してもアイテムは貰えないのね」
「ああ、そういう事だな」
それにしても、このダンジョン誰も突破してなくて良かった。
もし誰かに先越されていたら、スキルもドーピング出来る事に気がつかなかったと思うし。
「んじゃ、リアラ。そろそろ出るとするか」
「うん!」
こうして俺達は無事ダンジョンを攻略したのであった。
名前:アラン 性別:男 15歳
職業:調薬師Lv16 ※サブ職業:神官Lv14※
HP:529/529
MP:1621/1621
物攻:248
物防:243
魔攻:235
魔防:259
敏捷:265(+5)
<固有スキル>
薬学創造魔法
<スキル>
薬学知識〔極〕 調合7 アイテム鑑定 薬品合成 魔力操作10 無詠唱 狙撃4 結界5 格闘術7 体術8 魔闘気
<パッシブ>
MP増加(中) new
器用増加(中) new
身体強化(中) new
魔防増加(小)
薬品威力増加(小)
<魔法>
火魔法2 水魔法2 土魔法3 光魔法5
<装備>
敏捷の指輪
<加護>
最高神の加護
<異空間倉庫>
929000メル(+612000)
初級回復薬×22
中級回復薬×33
中級魔力回復薬×7
生魂薬
薬草×12
毒草×9
バームウェルムの知識×1
食料
生活用品
ショートソード×17
ダガー×11
ライトアックス×10
ツーハンデッドソード
名前:リアラ 性別:女 15歳
職業:僧侶Lv25
HP:163/163
MP:241/241
物攻:58 (+5)
物防:89 (+35)
魔攻:138(+44)
魔防:167(+55)
敏捷:56
<スキル>
魔力操作3 結界2
<魔法>
回復魔法3
<パッシブ>
MP増加(小)
魔防増加(小)
<装備>
ブロンズメイス
聖なる法衣