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想い

 鍜治屋から出た後俺達は市場へとやって来た。

 市場で旅に必要な食材や調味料などを購入し、そして街の雑貨屋へと向かい旅の必需品であるテントや旅に必要な物を購入していく。


 その後俺達は、喫茶店の様なオシャレな店で昼食を食べることにした。

 俺とリアラはパンケーキのセットをそれぞれ注文し、しばらくすると注文した料理が運ばれてきた。


 俺達はナイフで切り分け、そして切り分けたパンケーキを口へと運ぶ。

 フワフワな生地に、溶けたバター、その上に蜂蜜が掛かっており、程よい甘さで何枚でも食べれる程美味かった。

 

 リアラは口いっぱい頬張り、終始幸せそうな顔をしていた。

 俺はそのリアラの顔を見るだけで幸せな気持ちにもなれた。


「リアラ、これ食べるか?」


「えっ!? 本当に、いいの!?」


「ああ。俺はもうお腹いっぱいだから」


 もちろんお腹いっぱいってのは嘘だけどな。

 ただ、喜んで食べるリアラの顔が見たいだけだし。


「アラン、ありがとう!」


 それから俺は幸せそうなリアラを見ながら紅茶を飲み、ちょっとした幸せを感じていた。



 ──そして俺達は宿へと戻った。

 リアラは今部屋で聖なる法衣に着替えており、俺は部屋の外で待機している。


「もういいわよ」


 そうリアラから返事が来たので、俺は部屋へと入る。


「どう……かな? 変じゃないかな……?」


「いや──凄く似合ってるよ……うん」


 そこにいたリアラは、まるで聖女と呼ばれてもおかしくない程美しかった。

 また、俺はそんなリアラの姿を見て少し時が止まったかのようにも感じた。


「そっか…………えへへ」


 リアラも喜んでるし、買って正解だったな。


「──よし。それじゃあ今からリアラの訓練を始めようと思う」


「訓練って? 魔物と戦いに行くの?」


「いや、今日は魔物とは戦わないよ。まずは魔力操作の訓練から始めようか」


「うんっ!」


 リアラはやる気満々みたいだな。


「それじゃあ、まずは体の中に流れる魔力があるの分かるだろ? それを血液のように循環してみようか」


 リアラはコクリと頷くと目を瞑り集中するかのように魔力を循環させていく。

 待ってるのも暇なので、俺も魔力操作を一緒にする事にした。

 

「アラン、これはいつまでやればいいの?」


「今日は、夕食を食べるまでは魔力操作の訓練をするつもりだよ」


「そんなにやるの!?」


「今日は特にやる事ないし、リアラだって早く一人前になりたいだろ?」


「それは、そうだけど……」


 さっきのやる気は何処へ行ったんだ……


「とりあえず今日は夕食までは魔力操作は続けるからな。それと、今後旅をするなら話しておかなくちゃいけない事がある。それは、俺の秘密に関する事だから誰にも言わないって誓えるか?」


 そう。

 俺の固有スキルの事だ。

 これはリアラにも木の実でドーピングする為にはどうしても話しておかなければいけない事だろう。


「うん。誰にも言わないって誓う」


「ならその秘密を今から見せるから、よく見ておくんだぞ」


 俺はそう告げると、俺の手元からピカっと光りを放ち発光する。

 その光りはすぐに収まり、俺の手の中には魔力の木の実(M)が八個入っていた。



「えっ! なに、今の!?」


「これは固有スキルってやつだよ。俺の固有スキルは、薬学創造と言って、自分の調合レベルで作れる薬と素材をMPを対価に創る事が出来るんだよ」


「………嘘でしょ?」


「これ一個食べてみたら分かるよ」


 俺がそう言うと、リアラは木の実を一個食べる。


「ステータスでMPを確認してみ?」


「……え、なにこれ? 26から34に増えてる……」


 どうやら、8も増えてたみたいだ。


「これは魔力の木の実(M)と言って、食べた者のMPを5から10のランダムで増やす木の実なんだ。一個創造するのにMP100消費するからあまり創れないんだけどね」


 俺がそう言うとリアラは固まっていた。

 まぁ、こんなドーピングチートの話し聞いたら誰でもこうなるよな。


「俺は毎日この木の実を食べMPを伸ばしているんだよ。MPが増えれば創る木の実の個数も増えるからな。これがバレるとこの力を狙って誰かに狙われる可能性だってあるから、絶対誰にも言うんじゃないぞ?」


「……う、うん。分かった」


 リアラはふるふると頭を振り頷いた。



 ──それからは夕食までは魔力操作の訓練をした。

 創造した残り七個の木の実はひとまず俺が全て食べ、MPも40増えた。


 食堂で俺達は夕食を済ました後、カウンターへと行き風呂を頼んだ。

 今日も先にリアラを風呂に入れると、俺は待っている間に魔力操作を訓練していた。


 すると、ステータスを見てみると魔力操作も9に上がっておりカンストまで後1となった。


「アラン、お風呂あがったわよ」


「ああ、わかった」


 すると、リアラが風呂からあがったので俺は風呂へと向かった。

 明日にはガレリアを出るので、当分風呂ともお別れだな……

 

 そして俺は風呂からあがると、部屋はの照明は薄暗くなっておりベッドの中にはリアラが眠っていた。

 そして俺は、リアラを起こさないようそっとベッドの中へと潜りこむ。

 

「ねぇ、アラン?」


「ん、起きてたのか?」


「うん──私ね、お父さんが盗賊に殺されて、そのまま盗賊に捕まった時……このまま盗賊達の慰め者になって奴隷に売られるんだって思ってたの……」


「うん」


「でも──そんな私をアランが助けに来てくれた……最初は怖かったけど、あなたが優しい人だってすぐに分かった。それから、お父さんを埋葬しようって言ってくれた時は本当嬉しかった」


「………うん」


「そのあと村に戻ってからも、アランがいたから前を向いて歩けた……。まだ出会って間もないのに、私の中にはアランでいっぱいだった。おかしいよね…….」


「……………」


「そんなアランが明日村を出るって言った時はどうしていいのか分からなくなったの。こんな気持ちになったの初めてだから……でもこのまま離れたら私は絶対後悔するって思ったの」


「………うん」


「それからはもう時間もないから自分でも必死だったの。村長や村の人達にアランと旅に出るって伝えに行ったりしてたし……」


「もし俺がダメって言ってたらどうしたんだ?」


「それでも私は勝手にアランについていったわよ」


「そ、そうか」


 ハハッと俺は苦笑した。


「それくらい私の中にはアランでいっぱいなの………」


 すると、リアラは俺の背中に腕を回し抱きつくとこう告げた。




「───アラン、助けてくれて、ありがとう………支えてくれて……ありがとう……大好き」

 名前:アラン 性別:男 15歳

 職業:調薬師Lv1 ※サブ職業:僧侶Lv27※

 HP:332/332

 MP:873/873


 物攻:132

 物防:127

 魔攻:122

 魔防:141

 敏捷:144(+5)


 <固有スキル>

 薬学創造魔法


 <スキル>

 薬学知識〔極〕 調合7 アイテム鑑定  薬品合成 魔力操作9 無詠唱 狙撃3 結界4 格闘術4 体術5 魔闘気


 <パッシブ>

 MP増加(小)

 器用増加(小)

 身体強化(小)

 魔防増加(小)

 薬品威力増加(小)


 <回復魔法4>

 ヒール

 キュア

 プロテクション

 エリアヒール


 <装備>

 敏捷の指輪


 <加護>

 最高神の加護


 <異空間倉庫(ストレージ)

 304000メル

 初級回復薬×22

 中級回復薬×33

 中級魔力回復薬×9

 薬草×12

 毒草×9

 バームウェルムの知識×1

 食料

 生活用品

 ショートソード×17

 ダガー×11

 ライトアックス×10

 ツーハンデッドソード



 名前:リアラ 性別:女 15歳

 職業:僧侶Lv1

 HP:16/16

 MP:34/34


 物攻:10(+5)

 物防:41(+35)

 魔攻:56(+44)

 魔防:69(+55)

 敏捷:8


 <スキル>

 魔力操作1


 <回復魔法1>

 ヒール


 <装備>

 ブロンズメイス

 聖なる法衣

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