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要塞都市ガレリア

 アズール村を経ち、俺は本来向かう筈だった【要塞都市ガレリア】へと向かっている。

 ガレリアでは、武器や食料。その他の生活用品を一通り揃えるつもりだ。

 それと新たに、リアラの職業をガレリアの教会で変更もするつもりでいる。

 リアラは現在、村人レベル6なのだが、流石に村人のまま旅をするのは危険だろう。



「それで、リアラ。変更する職業決めたのか?」


「うん。私、僧侶になろうと思ってるの」


 あら、意外と普通だった。

 俺はてっきり、父親と同じ商人になるのかと思ったんだけど……

 しかし、俺と被るな。

 まぁ、リアラにサブ職業がある事は教えてないし、仕方ないか。


「なんで、僧侶を選んだんだ?」


「それは……もし、アランが怪我をしても……大丈夫なようにと思って……」


 リアラは顔を真っ赤に染め、モジモジしながらそんなことを言う。

 マジで可愛い……

 

「そうか。ありがとな、リアラ」


 俺は無性に、モジモジしているリアラを撫でたくなったので、リアラの頭を撫でながらそう告げた。


「……………うん」


 リアラは、顔から湯気が出そうな程赤くなっていた。




 ☆




 それからは、ただひたすら歩きガレリアを目指していた。

 昼には、ティルム村で買った食事を食べ、また歩く。

 そして日も沈み始めた頃、ようやく目的地の要塞都市ガレリアへと辿り着いた。

 要塞都市と呼ばれるだけあり、街の壁は高く10メートルはあると思う。

 更に壁の周囲には濠が設けられており、さすが要塞都市と言われるだけの防衛設備っぷりだ。

 そして俺達はガレリアに入ろうとした時一人の門番に話し掛けられた。


「止まれ。通行証はあるのか?」


「いや、持ってないですね。」


「通行証の発行には10000メル、それとこの魔道具で犯罪歴があるか調べる。それでもいいか?」


「はい、大丈夫ですよ」


 俺はそのまま10000メルを支払い、水晶のようなものに手を翳した。


「犯罪歴は……なし。よし、通っていいぞ。これが通行証だ。無くすとまた再発行で10000メル掛かるから無くすんじゃないぞ」


「はい、ありがとうございました」


 そしてリアラは、以前にも来た事があったので通行証を見せ俺達は街の中へと入った。


「リアラ、今日は遅いし宿へと行くけどそれでいいか?」


「うん。私はそれで構わないわよ」


 時間も時間なので、俺達はそのまま以前リアラが泊まった事があるという宿へと向かった。


「いらっしゃいませ。二名様ですか?」


 俺達を出迎えてくれたのは、20代前半と思われる綺麗なお姉さんだった。

 それにしても、この世界の容姿のレベルって高いよな……


「はい、二人です。部屋は空いてますか?」


「ダブルのお部屋でしたら空いておりますが、それでもよろしいでしょうか?」


 ダブルか。

 俺は嬉しいけど……

 ここはやっぱシングル二部屋借りるか。

 

「すみません、シングル二部屋でも『ダブルで、お願いします』って、リアラ!?」


 まさかリアラ……

 俺の事が……


「シングル二部屋借りるより、ダブルの部屋借りた方が安いだけだから、勘違いしないでよね!」


 うん。

 ですよね。

 

「では、ダブルのお部屋ですね。一泊6000メルになります」


 俺は少し凹みながらも、そのまま二日泊まると伝え12000メルを支払う。


「はい、ありがとうございます。食事は食堂に行けば朝食と夕食は無料で食べれますので。また、部屋に小さくはありますがお風呂もついております。お風呂に入る際は別途1000メルをお支払い頂ければ入れますので、利用される際はまた受け付けの方までお願いします」


「なら、今日と明日の分渡しておきますね」


「はい、ありがとうございます。では、こちらが部屋の鍵となります。ごゆっくりどうぞ」


 俺は風呂代に別途2000メルを支払った。

 さすがに高いけど、俺は風呂には妥協はしないつもりだ。それに金にはまだ余裕があるしな。


 その後、部屋へと着いた俺達はリアラの重い荷物を置き、そして食堂へと向かい夕食にする。


 食堂には多くの冒険者や住民達が食事や酒などを飲んでおり、アズールやティルムと比べるとかなり賑わっているのが分かる。

 これは、食堂とゆうより酒場だな。


 すると、席に着きしばらくすると店員さんがこちらへとやって来た。



「ご注文はお決まりですか?」


「えーっと、それじゃあこの、メルフィッシュフライ定食をお願いします」


「それじゃ、私も同じ物をお願いします」


「はい。メルフィッシュフライ定食がお二つですね! 少々お待ち下さい」


 注文を終えると店員は早々に厨房の方へと向かっていった。


「なぁ、リアラ。メルフィッシュって何?」


「アラン、メルフィッシュ食べた事ないの? 一般的な魚だから、皆よく食べてると思うのだけど」


「そうなんだ。俺、田舎暮らしだからそういうのに疎くて」


「メルフィッシュを知らないって、どんだけ田舎なのよ……」


 実際森生活からのスタートだし、田舎ってのも嘘じゃないしな。


 それから少しすると料理が運ばれて来たので、俺達は夕食を食べることに。


 メルフィッシュフライ定食は、日本でいうアジのフライに似ており三枚おろしのメルフィッシュにキャベツやトマトなどの野菜が皿に盛られていた。


 それに俺は今、異世界で初めての白ごはんに感動していた。ティルムやアズールでは米料理は無かったのだが、ここガレリアでは普通に米は売っているみたいだ。

 これは、明日米も買っておかないとな。


 そんな料理を食べ終えた俺達は、お腹も膨れ満足していた。

 そしてそろそろ宿へと戻ろうとした時、酒臭い冒険者の男二人に絡まれたのだ。


「おい、兄ちゃん。いい女連れてんじゃねーかよ」


「俺達にも、その女貸してくれよ。なぁ、いいだろ?」


 リアラは怯えており、俺の背後へと隠れる。

 どうやら、リアラ目当ての屑みたいだ。

 鑑定してみるが、二人共戦士でレベルは21と20の雑魚みたいだ。

 

「酒臭いんだよ、ゴブリン顔のおっさん。消えろよ」


 俺がそう言うと、今までの様子を見ていた多くの客が笑いを堪えており、それと同時にゴブリン顔と言われた冒険者は顔を真っ赤にし怒りに震えていた。


「てんめぇええ! 調子乗ってんじゃねぇぞ、こらぁああ!」


「ぶっ殺すぞ、こらぁあああ!」


 二人は同時に俺に殴り掛かって来るが、かなり遅い。

 俺は二人の手を片手で受け止め、そのまま握り潰すように力を込めていく。


「ぐぁああっ! なんだこの馬鹿力っ!」


「いてぇええ! 離せ、このっ!」


 そのまま俺は二人の拳を離す。


「ぐっ! 調子こいてんじゃねぇぞ!」


 そして一人の男はまた性懲りもなく殴り掛かって来たので俺はその攻撃を避け、男の額に指を溜めるような形で近づけた。


「あん?」


 男はそう言った瞬間、物凄い勢いで食堂の入り口へと吹き飛び気絶していた。

 当然、入り口に吹き飛ばしたので客などには被害はなかった。

 そして俺がしたのは、そう。


 ──デコピンだ。


 今の俺の力ならデコピンですら大ダメージだろう。


「おい、ゴブリン」


 俺はそう言い、もう一人の男を睨みつける。


「ひぃい! すまなかった! 許してくれっ!」


「なら、とっとと勘定払って消えろ」


 男は気絶している男を担ぎ、勘定を払って逃げるように食堂を後にした。


 その後、食堂内では歓声が湧き上がり、色んな人に声を掛けられるが、俺とリアラは疲れてもいたので、そそくさと宿の部屋へと帰った。



「あの、アラン……さっきは……守ってくれて、ありがとう……」


「ん、ああ。あんな事がまたあるかもしれないから、俺からあまり離れるんじゃないぞ」


「……うん」


 リアラは、顔を紅く染めながら小さく頷いた。


 その後、受け付けに行きお風呂に湯を張って欲しいと伝えた。

 湯は風呂の中に窪んだ壁に魔道具を差し込むと、なんと蛇口からお湯が出たのだ。


 この魔道具は、お湯を一定量出す魔道具らしく市販でも売っているとの事だ。

 ただ、一つ1000メルの使い捨てなので殆どの家庭ではあまり使われないらしい。


 基本街の人達は、公衆浴場で身体を流している為、なかなか使う機会が少ないみたいだ。


 公衆浴場があるんだったら、これ買わなくても良かったよな。

 まぁ、行く手間は掛からないしいいか。


「リアラ、先入ってきなよ」


「え、いいの?」


「ああ、俺は別に後でもいいからね」


「わかった! それじゃ、先入って来るね!」


 リアラはそう言うと、嬉々と風呂場へと向かっていく。

 

「覗いたら、許さないからね?」


 その言葉をニコっと笑い放つと同時にリアラは風呂場のある部屋の扉を閉める。


 俺をなんだと思ってるんだ……ったく。

 

 リアラが風呂に入っている間俺の魔力は回復していたので、早速ドーピングを開始する。

 魔力の木の実(M)を七個創造する。

 すると過去最高の63ものMPが増えていた。

 やはり、どんどん創造出来る数が増えてるので伸び率も半端ない。

 

 ドーピングが終えると次は魔力操作を始めることに。

 30分程すると、リアラは風呂からあがったので俺は魔力操作を止め、風呂に入ることにした。


「リアラ」


「ん? どうしたの?」


「覗くなよ?」


 俺はニヤっと笑い、その言葉と同時に扉を閉めた。

 くっくっく。仕返しは成功だな。


「っ! 覗く筈ないでしょ! 馬鹿っ!」


 そんな声が聞こえるなか、俺は風呂で今日一日の疲れを洗い流していく。


 風呂から出ると既にリアラはベッドに潜っていた。


 俺は、今日も疲れたので寝ようと思い空いているスペースへとベッドに入り込む。

 リアラは今日一日歩き疲れていたせいか、スゥスゥと既に眠っていた。


 俺はそんなリアラの寝顔を見つめ頭を撫でながら、小さくお休みと呟いた。


 そして回復魔法でMPを使い切り、今日も無事に一日を終えたのだった。

 名前:アラン 性別:男 15歳

 職業:調薬師Lv1 ※サブ職業:僧侶Lv27※

 HP:332/332

 MP:833/833


 物攻:132

 物防:127

 魔攻:122

 魔防:141

 敏捷:144(+5)


 <固有スキル>

 薬学創造魔法


 <スキル>

 薬学知識〔極〕 調合7 アイテム鑑定  薬品合成 魔力操作8 無詠唱 狙撃3 結界4 格闘術4 体術5 魔闘気


 <パッシブ>

 MP増加(小)

 器用増加(小)

 身体強化(小)

 魔防増加(小)

 薬品威力増加(小)


 <魔法>

 回復魔法4


 <装備>

 敏捷の指輪


 <加護>

 最高神の加護


 <異空間倉庫(ストレージ)

 1904000メル

 初級回復薬×22

 中級回復薬×33

 中級魔力回復薬×9

 薬草×12

 毒草×9

 バームウェルムの知識×1

 食料

 生活用品

 ショートソード×17

 ダガー×11

 ライトアックス×10

 ツーハンデッドソード

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