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 部屋の中には10数人の男女がいた。せめて男女で分けるべきだとは思うが施設の奴らからすればそれも面倒なのだろう。

 中でも一番最初に目に入ったのは190㎝を超す大男だ。日本人にしては珍しい体形をしているついでにガタイも良いときた。まともに生きていればなんらかの選手にでもなれたろうに。

 その他には互いに身体を寄せ合っている男女のペア、眼鏡をかけたいかにもな男、無気力な顔をした女が印象的だった。それ以外の連中は皆一か所に集まっていた。まるで動物の群れだ。

 連中の中から「そこの新人!」と声がしたのでそちらを見ると先程の連中が声の主を僕に見せんと横に移動していた。つまり奴が猿山の大将か。

 「お前の名は?」と聞かれたのでとりあえず「答える程のものじゃない」と回答しといた。どうやら奴の機嫌を損ねたらしい、奴が「やれ」と言うと奴の腰巾着どもが僕を囲みだした。

 どうやらリンチされるらしい。入る前に聞いた悲鳴といい、ここは本当に日本なのやら。

 しかし僕とて引きこもっている間に身体は鍛えてある、殴り返してやるさ。

 そう思うと同時に僕目がけて先程まで集団にいなかった大男が膝蹴りを入れてきた。

 コイツも仲間だったのかまた僕の意識は途絶えた。

 目を覚ますと腰巾着共含めて皆先程の場所に戻っており、各々が何か喋っていた。隣を見ると先程膝蹴りをした大男がいた。

 大男を睨むも奴は意に介さない様子だった。「おい」奴に怒りをぶつけようとしたところ部屋の扉が開いて一人の男が現れた。

 「お前ら仕事だ」そう言うと全員に部屋の外に出るように促す。

 全員が部屋から出たことを確認した後付いて行かされるとある部屋に入った。

 部屋には長机が一定間隔で配置されておりその上に何かの部品が置いてある。どうやら仕事というのは作業の事で俺達にやらせて自分たちは甘い汁を啜るらしい。これをやったところで僕達にはびた一文出ないのだろうから、これは仕事なんかじゃないボランティアだ。

 「では部屋長こいつ等を纏めて作業に取り掛かるように」

 部屋長と呼ばれて反応したのは先程のボス猿である。しかしこいつの顔どっかで見たことがある。

 

 

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