表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

目が覚めた。

どうやらバスは終点に付いたらしい。運転手のおじちゃんに起こされた。

僕はカバンを背負ってバス停に降りた。

バスが出る時に僕の頭に一つの袋が落ちた。あぁそうだ本と朝ごはんを買ったんだ。

「忘れ物だ」おじちゃんはぶっきらぼうに言ってバスを出発させた。

袋拾ってふと気づいたけどここはどこだ?僕が行く予定の地点と名前が違っている。

どうやら乗り過ごしたようだ。とりあえずバスの来た方向を歩こう。

周りは緑の田舎って言葉が似合う場所で緑はあるけど人はいない。

まるでなんだろう。例えが見つからない。

ただ歩く、それでも人は見当たらない。

まるで僕みたいだ。ここは都会から捨てられた場所で僕は皆から捨てられた人だ。

親近感を感じながら道を歩いていると、お腹がすいてきた。

とりあえずご飯を食べよう。

袋からおにぎり、ゆで卵、お茶を出して食べた。

何か月ぶりだろうか、久しぶりに家以外の場所で食べるご飯は悪くない味だ。

食べるのが楽しい。

食べ終えるとゴミを袋にまとめてカバンに入れたまた歩き出す。

上を見上げると空が綺麗だ。

僕が見る空は痛い目を見た後に見るものばっかりだったけど、この空は綺麗だ。

痛い。

何かにぶつかった。いや何かがぶつかってきたのか、いや知っている感覚だ。

轢かれたのだろう。でもこの程度の痛みなら怪我も大したことない死にはしない。

相手も逃げているだろうし、空を見るのを続けよう。

空と見つめ合っていると、空と僕を妨げるように人の顔が現れた。

女だ。

「大丈夫ですか?」彼女は僕にそんなことを聞いてきた。

久しぶりに聞いた誰かの言葉に僕は動揺したのか口を開けるしかなかった。

僕は人との話し方を忘れたのだろうか。

この状況に耐えられなくなった僕は彼女を押しのけて走った。

ひたすら走った。

でも彼女に追いつかれた。

人間じゃ原付バイクより早く走れない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ