本当の心
「で、本当に旅に出るのか?」
おじさんが、アリサに聞いた。
「ええ、もちろんよ」
「こ、このケダモノと一緒にか?」
声が震えている。
アリサは、満面の笑みで言った。
「もちろん」
アリサをおじさんが悲しそうな目で見た。
そしておじさんが、こっちをにらみながら言ってくる。
「お前、もしも娘が傷ついたら殺す」
冗談では無いから怖い。
「もちろん、守って見せます」
「ふん。
じゃあ今すぐお前は、家から出ろ」
「えっ?」
「出ていけと言ったんだ。
出ていかないならお前を殺す」
冗談なら良かったんだが目が本気だ。
お前呼び名が、お前になってしまった。
「解りました。
今すぐ出ていきます」
なぜだか知らないけれど出ていくしかない。
「ちょっと待ちなさい。
私はどうすんのよ」
アリサが俺を止める。
アリサ、止めないでくれ。
俺が死ぬ。
「アリサには、盾無をあげよう」
おじさんは、アリサにだけはやさしい。
「じゃあ、ショウにも村雲くらいあげるわよね」
「ちょっ…待っ…アリサ…
なにいってんだ…」
あまりにも図々しいから、声を上げてしまった。
「はっ?
貰えるものは貰う。
これ、冒険の基本でしょ」
それだからってここの刀と鎧に対して言うことではない。
ここの刀と鎧はおじさんが勇者として世界を回った時に手に入れた世界最強の武器と防具なのだ。
おじさんいわく、
「凄く強いけど、手に入れた村がひど…うっ」
らしい。
思い出しただけで吐くとかどれだけ酷かったのか。
知りたくもない。
その為に、俺はおじさんから、貰うのをちょっと躊躇われているのだがアリサはそんなこと全く気にしなかった。
「だっ、だがな、アリサ」
「だがじゃない。
「 もし、渡さないなら私も盾無着ないわ」
おじさんに選択する事は出来なくなった。
俺達は、盾無と村雲を持って旅に出た。
その夜、家でマリーとユウキが話していた。
「ユウキ、アリサとショウが嘘をついてるの解っていたでしょ」
「まあな
だけど、嫌な気分になったのも事実だよ」
「自分の息子みたいな男に嫉妬するの?」
「ちょっと、ね」
マリーは、男ってバカね。と呟いて聞いた。
「じゃあ、もとから二人に、村雲と盾無わたすつもりだったのね?」
「もちろん」
こうして、二人は親たちから応援されて旅に出たのだった。
余談だが、向かえに来たギルド長のジョウンはただの徒労に終わったのだった。
やっと旅に出ました。
まだまだ続きますが、よろしくお願いします。
と、言うか今日のユニークアクセス数の少なさパネェ
投稿しなくてもちょくちょく見に来てください。
いつも待ってます。