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いつもの日常(ショウ)

顔を上げるとそこにはユウキ(おじさん)がいた。


「これに書いてある事って本当ですか?」

「まあ、大筋はな」

俺はおじさんの顔をみていった。

「顔赤いですよ、おじさん」

「恥ずかしいだろ。

だから俺の本を買うなって言ったんだ」

「いいじゃない、恥ずかしがりすぎ」

マリー(おばさん)が言った。


「それにショウ、おじさんじゃなくてお父さんにして、敬語じゃなくて普通にしなさいっていってるじゃない」

「居候としてはそういう感じにはなれないですよ」

「あなたは家族なのよ」

「わかっていますよ、おばさん」

こう言うと俺は寝室に戻る。

リビングから、「全然わかってないじゃない」って聞こえるけど気にしない。


俺はショウ・ガイウス、魔王の息子さ。

魔王の息子だけど、魔王を見たことはない。

だって、物心ついたときには魔王死んでたしね。

それに勇者(おじさん)の家に住んでるからね。

悪いことしようとしたら絶対に勝てないから。

でも、おじさんいわく

「話し方とか容姿とか魔王そっくり」

らしい。


この家に住んでいる人はおじさんとおばさん、そして……。


「おはよう」


こいつアリサだ。

小さいころは、「お兄ちゃん」とか言ってたくせにこの頃は、呼び捨てになった。

アリサは、おじさんとおばさんの子供だ。


俺がこの家に来たのは5才の頃だ。

それまで、王都で敵性がないかを調べられていたらしい。赤子にどうしたら敵性があるか分かるのか聞いてみたい。本当ならば、殺されていた俺を助けてくれたのはおじさんだったらしい。

「魔王と約束したんだ」

おじさんは、そう言って優しくしてくれた。

そうやって迎えられたこの森の中の家には、子供がもう一人いた。

それが、アリサだ。

アリサは、俺の一つ下の15歳だ。

俺はこの家でアリサにだけは敬語を使わない。

使うとひっかかれるからだ


「おはよう、アリサ」

「お前、遅いぞ。

早く用意しないとと遅刻するぞ」

俺は苦笑しながら言った。

「そんなことわかってるっ!!」

時計を見ながらアリサが叫んだ。


用意を済ませて二人で師匠の家につき、俺がドアを開けようとするとアリサがドアを蹴破る。

「ギリギリセーフ」

「いや、アウトじゃね。

師匠怒ってるし」

「本当だ!!

それもこれも全部あんたのせいだからね!!」

「理不尽だ」

「お前らなぁ

すぐに謝らんかい!!」


この人はポセイ

俺の剣術の師匠だ。

町に婚約者が居るのに俺たちのためにいるらしい。

なんでも、おじさん(勇者)に恩があるらしい。

アリサには、何も教えていないがなぜか一緒についてくる。

きっと暇なのだ。


「アリサ、お前は今からドアを直してもらうぞ」

「え~」

救いを求めるようにこっちを見る。

「あんたも一緒に…」

「俺が壊した訳じゃない」

「むー。

わかったわよ、直すわよ」

ちょっと怒ったように、直しにいった。


「じゃあ、始めるか

もう知ってるだろうが今日は魔法の基礎知識だ」

「またそれですか?」


俺はげっそりした顔で聞いた。


「なんど聞いても無駄じゃないからいいんだよ。

魔法を使うためには、魔力を使う。

魔力とは、生物ならば誰でも持っている力の事だ。

量と質が有るが、それを足した数が魔力と言うわけだ。

その為の計測器具で計ることができる」

「で、その量と質がかなり俺たちは高いんですよね」

「お前らは、質が良いだけだ。

量ならば、俺が上だ。

そして、魔力を込めることで魔法を発動できる。

まあ、お前ならば、ほぼすべての魔法が使えるだろうな」

「終わりましたよね?

剣を教えてください」

「仕方ない始めるか」

こうして、練習が始まった。



修行が終わった頃には外は夕日で赤く染まっていた。

修行が終わった後はいつもなら清々しいのにその日は、空気が重い

なぜならアリサが、不機嫌に前を歩いているからだ。

「おい、ドアを直すの手伝わなかっただけでそんなにきれるなよ」

「ふんっだ」

そんなに怒る要素がどこにあるのかわからない。

「わかったよ。

じゃあ、明日ビーフシチュー作ってやるからいいだろ」

こう言った瞬間にあからさまにビクッとして、

「本当?」

と上目遣いに言ってくる。

「作ってやるから機嫌治せよ」

「仕方ないわね、あなたのビーフシチューに免じて許してあげる

必ず作りなさいよ」

「わかったよ」

満面の笑みを浮かべているアリサ。

なんだか、少し負けた気分になったから少しからかってやることにした。

「明日は、おじさん達いないからお前の()()()()料理をやってやるよ」

アリサは、それを聞いて顔を真っ赤にしながら

「ぐっ…悪かったわね料理ができなくて!!」

俺は

「まあ、完璧じゃ取っつきにくいからな。

そのくらいなら、許す」

笑いながら言ってやった言った。

すると、言い返してきて帰るまでそうしてじゃれあっていた。


その日は、そのままベッドに寝てしまった


夜中にすごい音がなったから、窓の外を見ると雷がなっていた。

こんな夜には、あれが来るのだ。

あれとは…


「はっ入っても、いい?」


アリサだ。

アリサは、極度の雷恐怖症のため雷がなると一人で寝れなくなるのだ

なぜおじさん達ではないのか解らないが俺はこの頼られる瞬間が結構好きだ。


「いいぞ」

ちょっと笑いながら言うと、不機嫌そうな顔をして

「その顔腹立つ」

何て言ってくる。

「未だに雷が怖いっていつ考えても面白い」

そういいながら、ベッドで横になると、背中にしがみついて寝てしまう。

信頼されていると言う優越感をもちながら、心地よい眠りについた。

次の話は、アリサ視点のこの日の話です。

感想を書いて下さると嬉しいです。


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